--下町出身夢主とラピードと飼い主
tov本編軸、ラピード夢兼ユーリ夢
生理はそこそこ辛い感じで、普段は薬飲んだり気合いで飲まずに我慢してたり。とりあえずはなんとかなってた。
だけども旅に出てからしばらくして、環境の変化かストレスかはわからないけど、ともかくかなり重くなってしまって少々困り気味に。
パーティには迷惑かけられないとめちゃくちゃ隠し通してはいる。薬はガンガン噛み砕く勢い。あとはひたすら笑って誤魔化す。ポーカーフェイスが上手くなった。
そんな感じで戦闘中とか割と必死で耐えてた所、いつ頃からかラピードがなんとなーくさりげなーく、乱戦中とか特に動きをフォローしてくれるように。何故とは思いつつ大変有難いことこの上ない為、そういう時は街とかでめちゃくちゃお礼(貢ぎ物)した。
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そして野宿になったある夜。
※たぶんカドス前後。夜の砂漠か大陸道中。
昼間っからそこそこやばくない??とは感じていたものの、夜になって横になった所、とにかく体が冷える冷える。なんか手足の先あたりとか感覚鈍い。めっちゃ下腹部痛い。めっちゃくちゃ気持ち悪い。
うん?これ本当に生理痛?まじで?戦闘中に怪我してる方がいっそマシくない??と冗談でも思わざるを得ない。生理二日目の絶不調、ここに極まれりという感じ。え?これからずっとこれと付き合っていく可能性を我が身に帯びて生きていく気なの?私は正気か??残念正気だわ!
流石に内心悲鳴を上げまくって、我慢できずに声は出さずに涙がぼろっと零れていたりした。情緒がどうも安定しない。無理しんどい辛い、大変、辛い。エンドレス。一人でのたうち回り出したくなってきた。というか寒すぎ痛すぎ気持ち悪すぎで眠れないしの何重苦という状態で、いっそ眠るのは諦めてレイヴンと見張り番変わろうかなと現実を見た現実逃避なるものを始めた時。
ゴン。
「……いってぇ!?」
「うわ…青年だいじょぶ?中々いい音したけど」
「頭痛え…目え覚めた…ラピード、急に動くなよ…」
「そろそろ枕にされんの飽きたんでない?…ってワンコ、どこ行くの〜」
どうやらラピードを枕か何かにしていたユーリが、逃げ出されて頭を打ったらしい。若干目眩のする頭を持ち上げようとすると、最近特に馴染みのある軽やかな足音。目の前に四本の脚が見えたのも束の間、もふもふ、かつ、ぬくぬくとした何かが、愛用の野営用寝具内に滑り込んできた。…え待ってめっちゃごそごそされてるぅ!擽ったぁい!!
動かれていること少し、寝具の口から侵入者が器用に頭を出した。
「ワゥ」
「ラ、ラ、ラピード…?」
フンッ!みたいな雰囲気を纏い、しょーがねーなコイツみたいな顔をしたラピード。私の腹側に身を寄せて、そのまま目を閉じてしまった。
これは、つまり、あれだ。湯たんぽならぬ犬たんぽというか、添い寝だ。余りのことに驚愕。そして再び涙。
だってラピードと言えば孤高のお犬さまだ。いや、リタっちには懐いてるけど、飼い主にももちろんだけど、基本的に馴れ合わないお犬さまだ。それが今、添い寝。しかもこのタイミングで。いやもうこれ、今までのことを考えると間違いなく、今の私、100%労わられてる。生理とかを理解しているかはともかく、めっちゃ気を遣われてるというか優しくしてくれてるというか、お世話されてるというか。とにかく間違いなく、紳士な対応をされている事を確信した。
ヒェ…やっぱりただのお犬さまじゃなかった…かっこよすぎない…?
ありがとォォとすんすんしながら、有難く温もりを頂戴した。腹があったかい、心做しか痛みが和らいだ気もする。泣ける。
「…ユーリ、えーと、えー…かります。おやすみ…」
「おう…どうぞ…おやすみ…?」
許可取った。ありがとう。飼い主とラピードに深く感謝。
ようやくとろとろと眠りに落ちかけた時、温もりを失った飼い主のくしゃみと、唖然としたような声音の嘘ォ…というレイヴンの呟きが聞こえた。わかる、私も最初は嘘ォって思ったよ。
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その後、ラピード先輩には生理の時にしんどくなってることが毎回察知されてる。多くなっちゃうタイプの生理不順でかなり不定期だっていうのに、以降毎回毎回フォローしたり添い寝してくれたりする。なお生理中でない時は至って普通の塩対応。ギャップが凄い。でもしばらく経つと普段の塩対応→マイルド→甘めになってくる
・初期
生理
「ラピード、今日もありがとうございました…ほんとなんでいつもバレるんだろうね…っつぅぅ…」
「ワフ、……ワゥ」
「クソしんど…えっあっラピードさん?えっ」
「ワン」
「…ら、ラピードさん…1度ならず2度までも添い寝…暖か…ありがとううう…」
通常
「あっラピード〜!」
「………」
「通常運転だ………………元気な時は甘えるなってことですねハイ」
・変化後
生理
「アッヅァ…めんもくございません…ごめん…」
「……ワヴ…」
「ええん…神…ありがとう…ほんとに…つぎのまちついたらおれいするから…」
通常
「ラピーード!買い物行きませんかー!!」
「ウ」
「私達買出し行ってくるねー!みんな先に宿とっててー!」
「お、おう。…随分仲良くなったな…?」
生理
「わたしラピードとけっこんする……うう…」
「ワン」
「は?うん、落ち着け、1回落ち着け。な?」
「あ、ゆーり…らぴーどかります…おやすみ…」
「ワオン」
「いやまて、ちょっとまて、とりあえず寝るな、おーい」
なおある晩、めっきり温もりを失いがちな飼い主が最近お前ら仲いいな、と困惑気味に尋ねたところ、ラピードは閉じていた目を胡乱げに開けて、尻尾を強めにばしりと一振り。
私も気になって見ていたけど、ダメだ何言ってんのかわからん。さっぱりだ。
だが、尻尾で脚を叩かれた飼い主のユーリはどうも、ラピードから「むしろお前が何やってんだ」という呆れた視線やら訴えやらを向けられたような気がする、とのことで。いや全然わからんわ。流石飼い主。
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時折、少し調子が悪そうだなとは思っちゃいた。思っちゃいたが、本人が割といつも通りだったもんだから…まあなんつうか、正直言えば甘える形で、触れずにいた訳なんだが。ラピードの件といい、こんだけあからさまに真っ白な顔されてちゃあ、なあ。
「大丈夫、大丈夫ですので、ハイ」
「ンな訳あるかっつの」
「ホントに大…丈夫、だから…ね…!」
「どう見ても大丈夫じゃねえだろ…お前は後ろ下がっとけ。エステル、こいつの見張り頼むわ」
「はい!無理はダメです、休んで下さいね!」
「………っ、…ごめ、ん…」
ただでさえ悪かった顔色が、心底悔しそうな表情が乗ったせいで余計に酷い有様だ。というか、実際に顔色自体も悪くなった。この意地張り、いつから無理してたんだか。
今日は早めに宿を取る方針となり、誰の異存もない。
ラピードと二人、片端から魔物を切り倒す。…が、さっさと進もうという時に限ってやたら遭遇するのだからやっていられない。フラストレーションの溜まったリタやジュディの援護も常より少し勢いが良い。片付けて進むと、続け様にまた別の魔物が2体ほど。さっきの残りだなと内心舌打ちをして、一気に距離を詰めた瞬間。
「…!エステルあぶない!」
「きゃっ……!」
―時折発生する魔物の連携。背後からの奇襲を狙うその意図を悟った時には少し遅かった。
エステルを庇う形で魔物の攻撃を弾いたあいつがバランスを崩す。同時に金属が弾き飛ばされる音。後方の二体目が、得物を弾かれ丸腰状態のあいつ目掛けて躍り上がる。
眼前の魔物に一撃叩き込んで吹き飛ばし、勢いのまま後方に向け剣を振り抜いた。クソ、間に合え!
「ッソウハ…!」
「――バウ!!」
飛葉翻歩、あるいは飛葉流水陣か。
背後から切り裂かれた魔物が吠える。受身の体勢を取っていたあいつの横に寄り添い、着地したラピードが唸り声をあげていた。
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尻尾の一振は同郷の娘の不調にさっさと気づいてフォローしろということである。
人間相手に隠すのは上手くてもお犬さまにはバレバレでございました。汚い話をすると経血の匂いとかあります為。
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