--レイズ世界の花吐き病
「パパーーーッ!!パパやばぁい!!うええええんたすけてーーーーーー!!!!」
「なんだどうした何があった?!」
「あっ部屋には入らないで絶対!!うぇっ、ごほっ」
「思春期か!?…………いや待てお前今…」
「けほっ…パパ…!!この世界って花吐く病気とかあるのーー?!」
「なんだその珍妙な病気は!!」
駆けつけた部屋の隅で一人、苦しげに咳込む愛娘(仮)。その口元から絶え間なく溢れる花、花、花。
触らないでね全部吐いたやつだから汚い、と涙目でこちらを見上げる姿と、花に覆われた床面積を見て呆然とした。なんじゃこりゃ。
「えー、ということで何か知ってる奴居たら手ぇ挙げろ。大至急」
「これは…一体どういう仕組みなのだ…」
「つ〜か病気なのか?本人に心当たりは?」
「わかんないです…朝突然なってて…止まらないしめっちゃ喉痛…ぱ、ぱぱ…」
「大丈夫だ、パパが絶対に治してやるからな…!よし、ミリーナ達に連絡取るぞフィル。あっちの方が医者が多い」
「そうだね、その方が良さそうだ」
相変わらず咳き込む度に花びらが舞う。苦しそうな様子に父親としては気が気じゃない…いや、ちげえけども、正確には父親モドキだけども。
ーーーーー
※たぶんコンウェイとか年上夢主誰か一人くらいは病気の元ネタ知ってる。別構想にあるユーリ夢主(割と安泰)が試しにわざと罹患してみたり
「あー…ええっと、そうね。ううん…」
よし、と呟いた彼女。誰が止める間もなく、私が吐いたオシロイバナ――つまり、感染源に触れてしまった。
「自信あるから、大丈夫。こうすればわかりやすいかなって……けほ」
困ったように笑いながら咳き込むと、ぽろりと零れた小さな花。ざわりと周りが動揺して、ユーリさんが即座に駆け寄る姿が見えた。
「おい、何して」
「あはは…こほっ、うん、まあ、…恥ずかしながら…ユーリ、好きです」
「ピャァ…!」
「うっっっわお熱いね?!」
「お若いですなぁ」
私含めて三者三様の反応をするのは許して欲しい、あの、刺激が強かったんです。大人の余裕的なね、そういうのがね、ある人って凄いよね。
「ユーリは私のこと、好きですか」
「このタイミングで聞くのかよソレ」
「いいから、聞かせて下さい。お願い」
「…っンなの、愛してるって言ってるだろ」
「ふふ…えへ、ありがとう。私も好き!……こほ、」
嬉しそうに笑った彼女が小さく咳き込むと、その掌に一つだけ、大輪の花が吐き出された。
白銀の百合。聞くところによると、完治の証。
「…………………ハァ?!」
「ほらね、治っちゃった。この病気の治療法ってね、好きな人と両思いになること…なんだって」
恋の病なのだと頬を赤らめて笑う姿に目眩がした。え、何これ究極の惚気?ユーリさん珍しく顔赤いですねぇ相変わらず仲睦まじくて何より!今日も両思いおめでとうございます末永くお幸せに!!
「え、てかまじ…?マジですか?両…思い…?」
つまり私の場合、エート、すきなひと、つまりシンクと、両思い…に…なればOKってこと?ん?待って?
………………無理では?!
ギギ、と強ばる体を背後へと向ける。
悲しそうな顔をしたフィリップと、がっくりと膝を着いて、片手で顔を覆うマーク。悲壮感溢れるその背に手を当て唇を噛むルック。顔を背けるクラトスさんとゼロスくん、静かに目を伏せるローエンさん。その他哀れんだ表情の皆さん。
そしてマークの口から振り絞るような声が漏れた。
「すまん…不甲斐ない父親で…きっと治してやるって、言ったのに…このザマだ…!」
「いや確かに無理だけど全員諦めすぎじゃない!?」
「だって無理じゃんか、どう考えても?」
「無理だけど!無理だけどさあ!!」
ちょっとくらい希望を持ってくれたっていいじゃん?!!という言葉より早く、喉奥から飛び出す花々。一生この花と付き合うの?もう逐一花言葉でも調べてやろうか。
ーーーーー
ここから始まるドタバタ闘病生活。後からケリュケイオンに戻ったシンクがドン引く程度に周囲が絶望してたり花撒き散らしたり。
一応事の次第を伝えるも「あっそ」な感じ。
シンクとお付き合いに至ってない為、周り的にはシンクがどう思ってるのかわからないので絶望(何人か察してはいる)。
バグ主的には絶対無理じゃん?!!と思っている、
シンク的には心がザワザワしてる。
好きと自覚がある場合は「自分は好きなのにあいつは違う奴が好きなのか」「それとも自分のこれは好きの感情ではないのか」とイライラ。
自覚がない場合は「相手は誰なの腹立つ」「自分ではダメなのか腹立つ殺してやろうか」等複雑。
ただし、途中で正確な完治方法が【相手と両思いだと(愛されてると)本人が感じて思うこと】、だと判明。
※患者が好いている対象人物の心を感知するような仕組みがティル・ナ・ノーグに存在しなかった為、患者の脳内の納得感が完治の要因になるようエンコードで馴染まされた
※なお原因もいつもの如く具現化とエンコード不備
シンク相手には難しそうなので、一時的に催眠術か何かで夢主の気持ちあるいは脳を混乱させてゼロスあたりを好きだと錯覚させ、錯覚相手に両思いを演じさせる…等の治療方法を採用しようとしたら。
キレて夢主連れ出したシンクが最終的にはなんとかしてくれる。たぶん。
両思い判定というか、愛されて両思いと病人本人がきちんと感じると百合を吐いて完治。
なので、シンク夢主は両思いの場合でも死ぬ程時間かかる見込み。
「シンクって私のこと好き?!私のことちゃんと好げっっっほ」
「うわきたな。それどうにかなるまで近寄らないでくれる?」
「エエエン私だって嫌なんですけどー!!?」
← →
:: back top