「釘崎野薔薇。喜べ男子。女子だぞ」
「俺、虎杖悠二。仙台から」
「伏黒恵」
「あっ、えっと、苗字名前です。よろしくおねがいします……」
原宿、竹下通り。
このカラフルな街の一番カラフルな通りの中で明らかに異質を放つ真っ黒な服に身を包んだ集団。わたしたちである。
地元からスカウトされてあれよあれよという間に呪術高等専門学校への入学が決まったわたしだがその仔細はあんまり教えられていなかった。わたしをスカウトした五条先生に同級生はどんな子がいるのか聞いても「今年の一年生は4人だよ〜」「楽しみにしてて」としか言ってくれなかったし。
つまり今日が初顔合わせというわけだ。かくいうわたしも自分と同い年の呪術師さんと会うのは初めてだから緊張する。ていうかほんとに一年生4人しかいないんだね。冗談か何かかと思ってた。
「私ってつくづく環境に恵まれないのね……」
そう言ったのはさっき真っ先に名乗った釘崎さんだ。一体何を、いや誰を見てそう言ったのかは聞かないでおいた方がいいだろう。
さっきスカウトマンらしき人にガンつけて引かれてたけどわたしは釘崎さんのことめっちゃかわいいと思うけどなあ。まつ毛長いし、目もくりくりだし…
「ね、苗字さん。これから名前って呼んでいい?私のことも野薔薇でいいから。貴重な女の子同士仲良くやりましょ」
「く 釘崎さん!?えあ、いや野薔薇ちゃん!よ、よろしくおねがいします!」
釘崎さん、改め野薔薇ちゃんを見つめてたら早くも名前呼びの許可をいただいてしまった。正直めっちゃ嬉しい。この呪術界には才能があっても職業柄、比率としては活躍してるのは男性の方が多いと聞くし、同級生の女の子と初日で名前呼びが叶うのはかなりいい出だしじゃないだろうか。
「ふふ、さっきから私のこと見てたでしょ。かわいすぎて見惚れてた?」
「ば バレた…!野薔薇ちゃん、かわいいし体のバランスもいいし雰囲気からおしゃれさんって感じだったから……ごめん」
「名前……!」
いきなりぎゅっと手を握られる。か、かわいい…!!野薔薇ちゃん、めっちゃかわいい……!近距離だとよりかわいい……!
こんな子とこれから一緒に生活できるのか。ありがたや。
「アンタなんていい子なの……!!おい男ども!!名前に何かしたら承知しねーかんな!!」
「俺ら何だと思われてんだ……」
急に虎杖くんと伏黒くんに牙剥きだしたけど、この新生活、なんだかちょっと楽しくなる予感がする。