あとがき


 多分、三年置いたから書けたお話。
 発売当時にプレイしてあっという間にころころとジョシュアに転げ落ちたのですが、まずPS5を持っている層がほとんどおらず……。
 感想を共有できる相手も居なかったため沈黙していた期間が長くなりました。
 けど、その沈黙の間にインナーボイスの追加、アルティマニアに加えてロゴス本も出たので逆に良かったのかな?と今なら思います。

 というか、当時は『ヨーテいるから挟まる隙間なくないか……?』という思考が強く、好きだけど!好きだけど!の感情が強かったのです。
 でも、じゃあジョシュアから明確に矢印が向いてるか?と言えば『ヨーテが守ってくれたように今度は自分がクライヴを守ろうと思った』みたいな決意を秘める要素にはなっていても、彼から個人的な情が強く向いているのはあくまでも兄さんとジルという幼馴染たちなのかなぁと。
 根本的に、作中でジョシュアが強い感情を見せるのは主に兄さんとジル相手で、他に対しては穏やかというか、悪く言えばあくまでも求められる役割に徹している感が強い人なので、ほな……ええか!で今の状態です。

 ロゴス本でヨーテがジョシュアに遠ざけられた時はつらかったし、ジョシュアという光から離されて自分の今後が不安になった。けれど、隠れ家で働くことでもジョシュアに仕えているのだと、ジョシュアという火を守るだけでなく、燃え立たせることが出来る。みんなが居れば火が消えることを恐れることなどなかった、って語っていたのが印象深かったのも変化のきっかけの一つだったかも。

 ラリスからしてみれば劣等感を抱く対象だったわけですが、ヨーテはジョシュアの願いが第一なのでその立ち位置は恋敵ではないのが今回の物語の肝になりました。
 あくまでもヨーテは献身的な女性で、もちろん個人としての感情もちゃんと持っているけれど、最優先はジョシュア。
 その軸からぶれないように、どちらかと言えば勝手に拗らせてるラリスに呆れた姉のような立ち位置で居てもらいました。彼女、年下なんですけどね。

 ラリスはただジョシュアに必要とされる自分でありたかった、ジョシュアはただラリスに傍に居て欲しかった。
 単純なすれ違いなのですが、本編での時間経過が凄い作品なので必然的に長い年月をかけた拗らせカップルが生まれてしまった……。
 二人が出会ったのが八〜九くらいだったとして、最後は二十八歳なので少なくとも約二十年は拗らせてる。出会った時期に生まれた子供が成人してしまう!
 クライヴとジルも似たようなものですが、あの二人は傍に居て寄り添ってるのにくっつかないので違うもどかしさがある。
 兄さんは自分の置かれた立場を理解しつつ母上に愛されたかった少年のままあんなことになってしまったので、どこまでも愛情に不器用な人なんでしょうけど。
 愛情と言えば、ロゴス本何回読んでもディオン様からテランスへのお手紙の多さに慄く。
 というかドミナントの皆さんは誰かしらへの強い情が軸になっていて、ジョシュアは「僕たちは人じゃない」とバッサリ言い切りましたが、アルテマが憤慨していた彼曰く穢れである「強い自我」を持った人たちの集まりなんですよね。
 ならラリスもそんなジョシュアの強い自我が向く先になっていてもいいのかなぁ、なんて。

 私がそもそもジョシュアに完全に抜けられないなってくらい転げ落ちたのが彼の今際の際でして。
「兄さんは、僕のナイトだ」のところの兄の背中に生えるフェニックスの羽を映す瞳があまりにも美しすぎませんか……?
 というか、オリジンを目指して以降のやりとり全部好きなんですよ。
 力を吸われた状態でバハムートになればどうなるかわからないのに顕現して、あくまでも二人をオリジンに送り届けるのを務めとして、最後にアルテマに一矢報いて落ちていくディオン様。
 兄にすべてを託して力尽きるジョシュア。
 最後はイフリートのドミナントでも、大罪人シドでもなく、フェニックスの盾として彼の願いの為に戦うクライヴ。
 だから、その戦いを経た話で物語は締めたいと思ってあの形になりました。
 彼らの結末はいくつもの解釈がありますが、ラリスとジョシュアの話もそのうちの一つに含めてくれたら嬉しいです。

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