あつあつふみふみ日和
二・出会い
餓死寸前で行き倒れていた所をふみに拾われ、敦とふみと共に住む事になったもちあつには最近、日々の日課が出来た。
それは、探偵社の社員寮周りを散歩する事であった。
もちあつは丸く小さい体を持ちながら何処でもよじ登り、また何処でも歩き回る程、活発であった。
今日は、日曜日。
敦もふみも仕事がお休みの為に家に居た二人にもちあつは、短い手でジェスチャーをしながら「うーうー‼︎」と散歩に行く事を伝えると二人は「気を付けて行くんだよ」「変な物は口に入れるな」ともちあつを見送ってくれた。
もちあつは、二人にパタパタと手を振り行ってきますの合図をすると少し開けられた窓からぴょーんっと飛び出して行ったのであった。
そして、散歩に行った先でもちあつは運命の出会いを果たすのであった。
チリーン
もちあつが散歩に出かけて三十分後、突然、鈴の音が敦とふみがいる部屋に鳴り響いた。
本を読みながらのんびりしていた二人は、その音に気がつくと顔を見合わせて微笑んだ。
この音は散歩に行ったもちあつが帰って来た事が分かる様に窓枠に取り付けた鈴の音である、散歩から帰るともちあつは、この鈴を鳴らし敦とふみに自身が帰った事を知らせるのであった。
その為、鳴り響いた音に敦とふみは窓に視線を向けるともちあつの姿を見て目を見開いた。
「ちー‼︎ちー‼︎ちぃぃぃぃぃ‼︎」
其処には、ドヤ顔で小さな黒い服を着た小人を口に咥えるもちあつが居たのであった。
「お前、何捕まえて来たの⁉︎」
「何だ、その生き物は⁉︎」
驚く二人とは反対にもちあつは「つかまえました‼︎」と言わんばかりに「うーうー‼︎」と鳴き、もちあつに咥えられた小人は「はなせぇぇ‼︎」と言う様に「ちぃぃぃぃぃぃ‼︎」と鳴き喚いたのであった。
何とか其の後、ふみがもちあつの口から小人を助け出すと小人は、ふんすふんすっと怒る様にふみの手をぱしんぱしんと叩くともちあつをキッと睨みつけた。
「……小さい、ふみさん…?」
「自分でも似ていると思った…」
その怒る小人の姿はふみに似ており仕草や怒り方でさえもそっくりそのままふみを小人にしたようであった。
「ふみさんに似た不思議生物に僕に似た不思議生物…」
敦は机の上でハートを飛ばしながらふみ似の小人の周りをウロウロするもちあつと机に置いていたふみの食べ掛けの煎餅をキラキラと見つめる小人を見ながらそう言うと自身の隣にいるふみに「どうしますか?」と尋ねるとふみは、もちあつの時と同じく眉を八の字にすると敦の袖をクイッと引っ張った。
「こんなに小さいのに外に出したら可哀想だ…飼っては駄目か…?」
「オッケーです、飼いましょう‼︎」
こうして、もちあつに続き敦に「ふみさん似の小人さんなので名前は、みにふみさんにしましょう‼︎」と小人は名付けられ敦とふみともちあつと共に住む事になったのであった。
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