もちあつとみにふみが敦とふみと共に住みだして数日が経った頃、机の上でもちあつとみにふみが敦に遊んでもらっているのを眺めながらポツリとふみが呟いた。
「そろそろ、此奴らのきちんとした寝床を作ってやらんとな」
「寝床ですか?」
ふみの言葉に敦が遊ぶ手を止め、不思議そうに首を傾げるともちあつとみにふみも敦を真似する様に首を傾げた。
「いつまでもハンカチに包まって机の上で眠るのは可哀想だ。共に暮らすのであればきちんとした寝床を用意してやらねば…シルバニ●ファミリーの家でも買うか」
何処がキラキラと目を輝かせながら言うふみに敦はキュンとなった胸を押さえながら「ふみさんが凄い目を輝かせている…‼︎可愛い‼︎」と机に顔を伏せるとみにふみともちあつは気持ち悪い…と言わんばかりの冷ややかな視線を敦に向けた。
「シル●ニアファミリーでも良いが、り●ちゃんハウスでも良いな」
そう言うふみにもちあつとみにふみは、まるで要らないと言うように「うーうー」「ちーちー」と鳴くと首を横にふるふると振った。
「要らないのか?では、貴様らの寝床は、如何すれば…」
ふみが困った様に眉を寄せるとみにふみは、もちあつに「ちーちーっ‼︎ちー‼︎」と何かを言うともちあつは、それに答える様に「うー‼︎」と鳴き、みにふみを背中に乗せるとぱたぱたと歩き始めた。
「?おい、何処行くんだよ」
「ちびーず、いきなり如何したのだ?」
突然の二匹の行動に敦とふみはお互いに顔を見合わせながら首を傾げるともちあつは、みにふみを背中に乗せたまま、ぴょーんっと机から飛び降り、台所の方へと走って行った。
敦とふみも二匹の後を追い、台所へ行くと とある戸棚の前で二匹は立ち止まり、みにふみともちあつは戸棚に向かってぴょんぴょんとジャンプを始めた。
「彼奴ら何してるんですかね?」
「…多分…戸棚の二段目を開けたいのだろう」
「え?何でですか?」
「二段目の戸棚の中には私の買い溜めした菓子が入っている」
戸棚の中身を答えたふみに敦は「成る程!」と納得すると更に首を傾げた。
「寝床の話をしてたのに何ででしょう?」
「さぁな。私には理解出来ぬ」
そう言いながら二人が二匹を見ていると飛び跳ねるみにふみをもちあつが一生懸命持ち上げた事により戸棚の扉に手が届いたみにふみは、よいしょっと言う様に戸棚の扉を開けるとよじ登り、お菓子がある二段目の戸棚の中へと入り、ごそごそと何かを物色し始めた。
数十秒後、戸棚の中からぽいっと何かが放り出され、それを見た敦とふみは目をきょとんとさせた。
「え…?チョコ●イ?」
敦がそう言うとまたしても戸棚からぽいっぽいっと放り出された。
「たけ●この里にき●この山…」
次々と戸棚から放り出される箱に入ったお菓子をもちあつがジッと見ては「うー」と言いながらペシッと横に避けていく姿に敦は「なんか、工場の仕分け作業みたいですね」と言うとふみも横でコクコクと頷いた。
箱のお菓子も九箱目に差し掛かった時、もちあつは戸棚から放り出されたお菓子を見て「うー‼︎うーうー‼︎」と鳴き始め、其れが聞こえたのか戸棚の中に居たみにふみは、ひょこっと顔を出すともちあつを見て「ちー‼︎」と鳴いた。
そんな二匹に敦とふみは顔を見合わせ、再び首を傾げたのであった。
「どうやら、パ●の実の箱を寝床にする事に決めたみたいですね」
目の前で箱から出したパ●の実を食べるみにふみとパ●の実の箱にせっせと今まで自分達が包まって寝ていたハンカチを口に咥えながら運ぶもちあつを見て敦は微笑んだ。
「パ●の実の箱じゃなくてもっと良い物を買ってやると言っているのに…」
はぁ…っとふみは溜息を吐くともぐもぐとパ●の実を食べるみにふみの頭をぐりぐりと撫でた。
こうして、寝床を手に入れたもちあつとみにふみは部屋の隅に置かれたパ●の実の箱の中で毎晩すやすやと眠りにつくのであった。
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