惹かれ合うふたり(ラース.A)
―惹かれ合うふたり―
【ラース編】
カーテンの隙間から差し込む柔らかい光が眩しくて目を覚ました。
「起きたのか?」
頭上から響くテノールの声。
「おはよう……ラース」
「おはよう」
青い瞳が優しく私を見つめていた。
昨日叔父であるラースと私は結ばれた。
それは15歳の夏。ある事件で母親が行方不明になり、母の遺言で私たち兄妹は父方の祖父の元で生活するようになった。
その頃のラースは特務付になったばかりの、私たち兄妹の、新米のボディーガード兼家庭教師だった。
そして彼は私の初恋の人となる。
だから彼が叔父だと分かった時はショックで泣いた。
けれども変わる事なくラースは私の傍らにいてくれた。
「どうした?」
「……夢みたいで怖い」
叔父と姪。
叶わない恋だと諦めていた私を、ラースは優しく受け入れてくれた。
「俺達は世間では許されない関係だ」
すっと腕が伸びてきてラースは私を抱きしめる。
鍛えぬかれた逞しい身体に胸がドキドキしてしまう。
「だが何があっても俺が君を守る。ずっと一緒だ」
「ラース……」
「愛している」
「私も愛しています」
重なる唇。何度も何度も互いの存在を刻み込むように口づけを交わした。
叔父と姪。
男と女。
―――この愛が罪ならば、ふたりどこまでも罪を背負い生きてゆく。
神にすら背いたこれがふたりの愛。