バレンタイン アフターストーリー(風間仁)


【仁編 後日談】

2月14日。
昨日仁に手伝ってもらったバレンタインのチョコレートを、私は皆に配っている。

ニーナさん、ラースさん、エディさん達と仁がお世話になっている(迷惑かけてるとも言う)人達に渡した。

「手作りなんて何年ぶりだろう」

と涙目で喜ぶラースさん。

(仁がラッピングまでしたのは内緒にしておこう)

「腹壊さないよな?」

料理下手を知っているエディさんの痛い一言。

(大丈夫です。それは仁が帰って来てから作ったので)

「あら私にも?嬉しいわ」

にっこりと笑うニーナさんに抱きしめられました。

(む、胸に顔が!弾力凄い!!)

…………

……

…

かくして全員に配り終えたのだけど、私が仁にチョコレートを渡してないと気付いたニーナさんに小声で尋ねられた。

「仁には渡さないの?」

「えーと……」

昨日実は用意したチョコレートを“ナニ”で使いましたとはいえません。

私の答えを期待しているのか、そこにいる皆の視線が痛い。

返答に困った私を見て仁が助け舟を出そうと口を開く。

「ニーナ心配は無用だ。俺は昨日の夜にチョコを使……」

「仁っ!!」

私は慌てて彼の口を手の平で塞いだ。

「(仁のバカッ!!何を言うつもりなのよ)」

「(いや俺は……)」

頬を赤く染めている私と仁の様子から、ニーナさんやラースさん達は何かを察したらしい。

「朝っぱらから、ご・馳・走・さ・ま」

意味深な笑みを残してニーナさんは部屋を出て行く。ラースさん達もそれに続いた。心なしか彼らの顔は赤かった。

部屋に残された私達。

「今更恥ずかしがることもないだろう?」

仁は自身の口元にある私の手を取る。

「だって…」

咄嗟にとってしまった自分の行動が恥ずかしくて、仁の顔が見れなかった。

「そんな所も可愛いんだがな」

「じ……」

それから私は仁に抱き寄せられ、続く言葉は唇にのみ込まれた。


この日頭首決済を待つ役員たちは、長い間待たされやきもきしていたのは、


―――また別の話。



不知夜月