幸せと寂しさの裏表 おまけ
微々裏?情事次の日の話。暈してますが裏匂わせ表現ありますので苦手な方はご注意を。
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(腰が痛いし、身体がダルいし、下半身に違和感が残ってるし、擦れて……)
「ナーナ顔色良くないぞ」
「体調悪い?」
「少し……」
心配してくれるのはスザクとアーニャ。
おとといの夜から今日の明け方まで、シュナイゼル殿下に離してもらえなかった。食事とお風呂以外はベットの中だったから。
「解決したんだな」
「いっ!!」
私の背中を軽く叩き小声で囁くのはジノ。
「(こ、腰に響くからやめて)」
「(腰?ああそう言うことか。よかったな)」
にっこりと眩しいジノの笑顔に、私は羞恥に頬を赤く染めながら頷いた。
「ふたりとも何を内緒話してるんだよ」
「怪しい。新婚早々、ジノと不倫してる?」
スザクとアーニャが疑いの目を私たちに向けてきた。
「アーニャそれ違うから」
不倫って飛躍し過ぎ。
「……」
「ナーナがこのところ調子が良くなさそうだったから話しを聞いたんだよ。で、その事が解決したみたいだから良かったなってさ」
ジノが完結にふたりに説明してくれる。さすがに詳しい内容までは話さないけどね。
「まあ何にせよめでたしめでたしだな」
またジノがに笑いながら私の背中をバシッと叩く。
「くうぅっ!!」
今度のはきた。私は腰を押さえ痛さに呻いてしまった。
「ナーナ本当に大丈夫?」
「……っ、腰が痛いだけだから」
「!!」
姿勢をただしている時には見えなかったが、少し屈んだ姿勢で腰をさするナーナの襟から覗く鎖骨付近の赤い痕。
腰が痛いと言う言葉でそれを連想してしまいスザクは顔を赤くする。
「ナーナ?その、あまり屈まない方がいいよ」
「え?」
スザクが顔を赤らめて私に向かって自分の首筋を指している。
「……痕が……」
「!!」
彼が何を言わんとしているのかを理解して、もう顔から火が出るくらい恥ずかしかった。
一応自室に帰ってから確認はしたのだけど、まさか屈むと見えるとは思わない。
「まったくシュナイゼル殿下?見せつけないで下さいよ」
ジノの声でハッと気づく。
「そんなつもりはなかったのだけどね」
「……っ」
いつの間にか私の隣にシュナイゼル殿下が立っていたことに。
「シュナイゼル殿下とナーナ、ずっと一緒にいた?」
それまで話しに加わっていなかったアーニャが口を開く。
「おとといから今朝まで私の部屋で一緒に過ごしていたよ」
「で、殿下!?」
穏やかに笑むシュナイゼル殿下。
ジノとスザクとアーニャはどう答えて言いか分からないようで、その場が微妙な雰囲気に包まれた。
「おや?何を皆黙るんだい。私とナーナは」「もう良いですからシュナイゼル殿下!!」
私は慌ててシュナイゼル殿下を止めた。何を言われるか分かったもんじゃない。

この微妙な空気を読んで欲しい……。

「揃いも揃って廊下のど真ん中でどうしたんだい?」
私たちに向かって歩いて来たのはマーリン。
シュナイゼル殿下とマーリン。ふたりの姿にとてつもなく嫌な予感しかない。
「ナーナどうしたんだ。体調が悪いのか?顔色が優れないみたいだな」
マーリンは私の顔を見て何があったか察したみたい。
「おいシュナイゼル?気持ちは分かるが加減ってヤツをしてくれないと」
「マ、マーリン?」
ジノもスザクもアーニャもいて、そしてここは総督府の廊下。誰が聞いているのいるのか分からないのに、マーリンが何を言い出すのかはらはしてしまう。
「私の大切なナーナを壊すようなことがあれば、分かっているよな?」
「君の気持ちは良く分かるつもりだ。でもナーナは私の妻だからね」
「その言い方はお前の所有物だと聞こえるぞ」
「それは穿った君の見方だ。でも今回はこれでも自重したんだよ」
「えっ!?」
思わず声を上げてしまった。
あれで自重されたの!?
じゃあ殿下が本気になったら……。
身体からスーッと血の気が引くのを感じた。
「おやナーナ?顔色が良くないね」
頬に触れるシュナイゼル殿下の指。ただそれだけのことなのに、彼の指のその冷たさにゾクリと悪寒が走る。
「ちょっと待った」
私の様子からヤバさを感じ取ったマーリンが、シュナイゼル殿下と私を引き離してくれた。

シュナイゼル殿下とマーリンの会話。内容もそうだけどジノたちはマーリンのシュナイゼル殿下に対する態度に驚いている。
皆ふたりが会話するのを初めて聞くからなのだろうと思うけど。
「(マーリンさんって、いつもあんな感じなの?)」
「(シュナイゼル殿下にあんな口がきけるのって凄いな)」
「(殿下、押され気味?)」
「(あんな感じでズバズバ言うよ。マーリンには身分とか関係ないみたいで、殿下とは旧知の仲だって言ってた)」
相手が皇族でもラウンズでも、身分に関係なく言いたいことはズバッと言うのがマーリンだ。
「(でも、ナーナはふたりにとても愛されているのが良く分かるよ)」
「(ある意味、姑VS婿だな)」
「(それ言えてる)」

やがて話し?を終えたのかマーリンがため息をつきながら私を見た。 そして白衣のポケットから白い錠剤を取り出す。
「ほらナーナ口を開けて」
「?」
言われた通りマーリンに向けて口を開けると、舌の上に白い錠剤をのせられた。
「噛まないで溶かすんだよ」
「……」
甘酸っぱい錠剤は瞬く間に口の中に広がり、溶けてしまった。
「マーリン?」
「そんな不安そうな顔をするな。大丈夫それは痛み止めだから。腰や身体が痛くて辛いんだろう?」
「……はい」
「速効性だ。すぐ楽になるよ」
その言葉通り数分後には、腰や身体の痛さが無くなったような気がした。
「じゃあな。また後で詳しく訊くから」
「あのマーリン?」
「ん?」
私はマーリンにこっそりと耳打ちする。
「(……なるほどな。分かった用意しておくよ)」
マーリンも小声で返事をしてくれた。困った奴だという表情をしていたけど。
それから白衣の裾を翻しマーリンは私たちと反対方向に歩いて行った。
「では私たちも行こうか」
「そうですね」
ジノとアーニャとスザクが歩き出し、私とシュナイゼル殿下がその後ろを歩く。
行き先は皆一緒だけど。
「やれやれ。マーリンの過保護ぶりには参るね」
「……そうですか?」
シュナイゼル殿下もそうとう過保護だと思うのだけど、本人には言えない。
「で、マーリンとの内緒話はどんな内容かな?」
「それを言ったら内緒話じゃなくなりますよ。強いて言うなら、乙女の秘密です」
シュナイゼル殿下も関係あることだけど、こればかりは恥ずかしくて口に出来ない。
「(……ところで身体の具合は?)」
不意にシュナイゼル殿下の声が抑えられた。
「(と、とりあえずマーリンの薬で何となく楽になりましたけど)」
腰や身体の痛みは治まったけど、擦れてヒリヒリと痛い。
「(そうか。ならば今日も、)」
「(だ、ダメです!しばらくそれはダメです!しばらく無理です!!)」
「(そんなにダメと言われても……、一体どうしたんだい?)」
どうしてと言われても今の私の身体は、元を正せばシュナイゼル殿下に原因がある訳で。
「………」
どう答えようか迷っていたらマーリンの声が聞こえた。
「ほんとデリカシーがないなシュナイゼルさんは」
「おや、マーリンいつの間に?」
「!!」
音もなく私たちの後ろに立っていたマーリン。私はとても驚いたけど、シュナイゼル殿下は全く驚いていないみたい。
「今さっき戻って来たところさ。忘れ物を取りにね?」
「忘れ物?」
「ああ、そうさ」
そう言ってマーリンは私の手を取る。
「少しばかりナーナを借りるよ」
「マ、マーリン!?」
「良いから来る」
有無を言わさないマーリンの迫力に大人しく従うしかなかった。
シュナイゼル殿下もジノたちも呆気にとられているようで、ただただ私たちを見送るしかなかった。

「さて、これが頼まれた軟膏だ」
「ありがとうございます」
マーリンに連れて行かれたのは私の部屋。
「……答えにくい事を訊ねるが、どうやって塗るんだ?」
「えーと、鏡を使えば何とかなるかと」
「あいつに頼むのはダメなのか?そもそも原因はあいつだろう?」
「……っ」
確かにそうとも言えるけど、そんなこと恥ずかし過ぎて嫌だ。
「失礼するよ」
「あ、」
ノックと共に部屋に入ってきたのはシュナイゼル殿下。どうやら私はドアの鍵をかけ忘れていたみたいだ。
「ちょうどよかったよシュナイゼル」
ニヤリと笑ったマーリンはシュナイゼル殿下に耳打ちをする。それはもう嫌な、最悪な結果になることが目に見えていた。
「それじゃ後はよろしく」
マーリンは楽しそうに笑いながら部屋を出て行く。
「辛い思いをさせてすまない。私が責任をもって手当をするから」
カチャリと部屋の鍵が閉まる機械音がやけに響いた。
「じ、自分で出来ます!」
「夫婦なんだから遠慮しなくて良いよ」
「そう言うことじゃなくて!」
「ではどういうことだい?」
ジリジリと壁際へ追い込まれて行き、もう逃げ場はない。
「……恥ずかしいのです」
「何を恥ずかしがることがあるんだ。私はナーナの全てを知っている。それこそ頭のてっぺんから足の先まで」
(はあっ、)
もう何を言っても無駄になりそうで、私は心の中でため息をついた。
「……ならばナーナ?自分で脱ぐか。それとも私に脱がされるか。どちらがお好みかな?」
誰もが魅了されるシュナイゼル殿下の笑み。だけど今は有無を言わせない圧力をその笑みの下に感じるのは気のせいじゃない。
「返事は?」
「自分で……ます」
もう観念するしかなかった。

「手をどけてくれないかな?出来ればもっと足を開いてもらえると……」
「……っ、」
「擦れて赤くなっている。これでは無理だね」
軟膏の冷たさと、シュナイゼル殿下の指の感触にビクッと身体が反応してしまう。何と言う格好をしているのかと羞恥も相まって、ぎゅっと目を瞑りとにかく早く終わることだけを祈った。
そうしてシュナイゼル殿下の手当てと言う名の、それはまるで罰ゲームのような羞恥プレイは続く。
唯一ほっとしたのは、シュナイゼル殿下がヘンな気を起こさなかったことだけ。


---アトガキ---
情事のその後を明るく。シュナイゼル殿下が良く分からないキャラになってしまいました。ナニをしていたのかはご想像にお任せします。
2019.02.25

不知夜月