誕生日
目を覚ますと白い天井が目に入った。
「起きたか?」
聞き慣れたテノールの声に視線を動かすとバージルが私を見つめていた。彼に手伝ってもらいながら、ゆっくりと身体を起こす。
「どうだ具合は?」
「うん…だいぶ良いかな」
「そうか」
昨日から体調を崩して寝込んでしまい今日の予定は全てキャンセルになってしまった。
一年以上前から計画してくれていたの
に…。
「どうした?」
私の様子にバージルが心配そうに覗き込んでいた。
「せっかく用意してくれた予定が全部キャンセルになっちゃって、ごめんなさい」
申し訳なさそうに私はバージルから視線をそらした。
「馬鹿だお前は」
「え……」
バージルはそう言うと私を抱きしめた。
「お前が今俺の側にいる事が大切だ。予定など関係ない」
「バージル」
そっと私の頬を両掌ではさむ。
バージルの青い瞳には私の姿が。
私の黒い瞳には彼の姿が。
互いの姿が映っていた。
「Happy birthday to my dear and Thank you for the birth…」
バージルの言葉に私は涙が溢れ出して止まらなかった。
生まれたことに、貴方に出会えたことに感謝して……
------
お誕生日の皆様、おめでとうございます!素敵な一年になりますように