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「向けてないだろ?」
私に覆い被さったまま花沢はにっこりと笑う。いや向けてるでしょ、と言いかけたが両手に絡んだベルトがより力を増して締め付けてくる。先ほどまで花沢の腰に巻かれていたベルトが今は私の両手首を拘束している。私の腿に跨がる花沢のなんと、機嫌の良さそうな事。
「たまには違う事してみたくてさ」
「ふうん」
「何だよ、乗り気じゃない?」
「乗り気じゃないもなにも、今まだ夕方ってわかってる花沢さん?」
暗くもなければ夕飯も済ませてないし勿論お風呂にも入ってないし何より制服のままである。帰宅して早々に押し倒されたのだ。一体どの辺りから興奮してたんだろう。そういうのを隠すのが上手い男である。
「今日は何曜日?」
「金曜日」
「明日は?」
「……休み」
「セックスするの何日ぶり?」
「……五日かな」
「七日だろ。いい?君が頻繁にはしたくないみたいだから我慢してるんだよ僕は。今日は金曜日なんだ。つまりセックスできるって事だろ。そして我慢してる分、僕の好きにさせてもらえるはずだ」
「なにその暴論。待ってせめてお風呂」
「あとで一緒に入るから今はいい」
良くないでしょ!開きかけた私の口に花沢が噛み付いてきた。本当にこのままする気だ。唇に意外と鋭い花沢の犬歯が当たって押し付けてくる強さに負けて唇の力を緩めると舌が入ってきた。私の体温よりいくらか熱く感じる。ああ、本当に我慢してくれてたんだなぁ。私よりも手入れされているであろう柔らかくて少し湿った唇からは想像できないくらい舌遣いは荒々しい。もう何度も重ねてきたそれは私のツボを心得ているようで、上顎を擽られて一瞬力が緩んでしまい、それを見計らった花沢の膝が私の両脚を割ってぐいっと腿を持ち上げるようにシーツを蹴る。待って、これ下着見えてるのでは。あ。
「ンン!ぷはっ、ちょっ、と!」
花沢が私の脚の間に自身の腰を擦り付けてくる。品がないその行為にはしたなくも下腹部がきゅんとしてしまった事を気付かれたくなくて睨み上げると花沢が舌舐めずりした。
「身体は正直、ってやつ?」
「……ばか!!!」
「ふーん、じゃあいじめちゃおっか?」
「え?えっ!?はあ!?ホック外れた!」
「超能力で」
「器用か!え、ま、待って」
ブラウスの中で勝手に外れたブラがひとりでに動く。一体何を、と思っていると裾からそろりとひとりでにブラが出ていき、花沢の手に収まった。
「どういう超能力の使い方してるの!」
「上下同じやつだ」
「見えてるじゃん!!」
「見えてるよ」
脚を閉じようとしても力業で開かれる。影山の影響で筋トレを始め、今やバキバキの筋肉の前では細やかすぎる抵抗だったらしい。意図が掴めずに花沢を見上げると笑みを深くして私のブラウスに手を伸ばし、指でそこを撫でた。
「っう」
「あ、なんかあれだ。ふにふにしてる……お。いいこだね。固くなってきた」
人差し指ですりすりと胸の頂を布越しに撫でられて当たり前にツンと小さくブラウスを押し上げる。
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