赤い炎に包まれた何はメカニャースに攻撃をした。
「あの時の…」
「あれはメガバシャーモだニャ!」
メガバシャーモと呼ばれたポケモンに同じような格好のマントを着た男の人が木の枝に降り立つ。火炎放射の技の指示をするとメガバシャーモは攻撃をメカニャースに放った。
それは今まで見たどの火炎放射よりも赤く強力なものだった。その熱でメカのボディは真っ黒焦げになり、内部が丸見えになった。
「ピカチュウ今だ!エレキボール!」
「ハリマロン、今ならミサイルばりが効きます!」
2匹はメカニャースの内部に攻撃をした。キューっという音と共に丸い動力源らしきものが赤く光る。
そして数秒後、爆発してロケット団は飛ばされてしまった。
「二度と来るなー!」
「やったな!」
ロケット団が飛ばされて場にいた皆が安堵する。そして、メガバシャーモの方を見ると、こちらを見て頷きどこかへ飛び去ってしまった。
「ハリマロンもピカチュウも大活躍でしたね!さあ、ハリマロン。大仕事をしたあとはこれでしょ?大好きなマカロン」
シトロンはマカロンが入ったバスケットをハリマロンの前に出して蓋を開いた。嬉しそうにマカロンを手に持って食べようとするが、その手が止まった。
ハリマロンはマカロンを1つずつ皆に配り始めたのだ。そして私の所にグリーンのマカロンを渡しに来たハリマロンの頭をそっと撫でた。
『いいの?なら、1つ貰うね。ハリマロン大活躍だったね。助けてくれてありがとう』
さっきシトロンの手を刺したように棘に力は入れられずに、ニコニコとしたハリマロンは私の手にすり寄ってきた。
「ハリマロンの分がなくなってしまいますよ?」
冗談でシトロンがそう言うとハリマロンは慌ててバスケットに駆け寄った。
『これで一件落着ってことでいいのかな』
「ええ、みんな無事で良かったわ」
「とりあえず研究所へ戻ろうか」
研究所まで戻る途中、ソフィさんが車で迎えに来てくれた。おかげで日が沈む前までには帰って来ることができた。
研究所に戻ると、サトシとセレナ、ユリーカは博士の庭から避難したポケモンを何匹かを触らせてもらっていた。それを私とシトロンは遠目で眺める。
「ほんとに無事で良かったです。最初ユリーカとナマエがいなくなった時はかなり焦りましたよ。あははは…」
『サトシとシトロンくんが助けに来てくれて本当に安心したよ』
「いえいえ、とんでもないです」
照れ臭そうにポリポリと頬を書くシトロンの手をぎゅと握って、目を見つめる。ちょっとでも意識してくれるかな、なんて淡い気持ちを込めて。
『ほんとにありがとう』
私はそう言うと手を離した。流石に自分でしてて恥ずかしくなって頬に熱が集まる。大胆過ぎたかもしれない。
『じ、じゃあ私は出発の時間までポケモンのスケッチしてくるねっ』
恥ずかしさでシトロンの顔が見れない私は、そう言ってサトシたちの所に合流した。
ノートとペンは一応持って来たけど、なんだか集中できなくて白紙のページを開きながらずっとキャタピーを見つめた。
「あれっ、ナマエ?顔あかいよ?ロケット団に捕まったから風邪でも引いちゃった?」
『えっ、いや、体は元気だよ?顔、そんな赤いかな…』
「ユリーカ、これはたぶん風邪じゃないわ!ねえ、ナマエ。私、ずっとナマエに聞きたいことあったの」
ずずい、と私の方によって来たユリーカとセレナにたじたじになる。
『え、えっーと…。わ、私、トイレに言ってくるね!うん、じゃあ!』
なんだか居たたまれなくてその場から逃げてしまった。
それにセレナはもう気付いてるような気がするから、時間の問題かもしれない。
私はこのとき、シトロンが顔をオクタンよりも赤くさせて固まっていた事をまだ知らなかった。
*
そうこうしているうちにすっかり夕方になってしまった。ショウヨウシティへ向かう目的もあるため、私たちはミアレシティを出ることにした。
「今日は本当にありがとう。サトシくんたちのお陰で助かったよ」
「いえ、でも…。また、研究所壊れちゃいましたね」
「大丈夫。今度君たちが来る頃には直しておくよ」
また来ます、とサトシが言うと博士は笑顔で手を振った。
『じゃあ、博士。パパが何か連絡しても私は元気だって伝えといてください』
「もちろんさ。素敵なお友達ができたことも報告しないとね」
そうウインクした博士に苦笑いする。お友達のあたりはあまり言わなくてもいいんだけど。
そして私たちは研究所を出ようとした時、
「ねえ、お兄ちゃん。さっきからあの子がこっち見てるよ」
茂みからひょこっと顔を出したハリマロンがじっとこちらを見つめていた。
「…ハリマロン!今日は色々ありがとうね。また会いましょう」
シトロンはハリマロンにお礼をすると、何かを伝えたいようでハリマロンは大きな声で鳴いた。
「シトロンくん!ハリマロンは君と旅をしたがっているみたいだ。君といいサトシくんといい、不思議な子たちだ」
「お兄ちゃん!あたしもハリマロンと旅したい!ね、ね、ね?」
「プラターヌ博士。ハリマロンを連れて行ってもいいんでしょうか?」
「もちろんだよ。ハリマロンがそう望んでいるからね。これがハリマロンのモンスターボールだよ。ほら」
博士はポケットからボールを取り出すとシトロンへ渡した。
「これからよろしくお願いします。ハリマロン」
シトロンがハリマロンにそう言うと、ハリマロンは嬉しそうに鳴いてボールの中へ入った。
「それじゃあ、また!プラターヌ博士」
「行ってきまーす!」
「冒険ー冒険ー」
「それでは!」
『博士、またミアレに来たらよりますね!』
こうして私達はショウヨウシティへ向かうために研究所を後にした。
to be continued…