ケイト・ダイヤモンドの場合





「はい、ナマエちゃんこっち向いて?仕上げしてあげる〜」

ドレッサーの前で一通りメイクが終わった後、ケイトくんがそう言う。
向き合うと赤のアイライナーを持った彼がニコニコしながら立っていた。朝は苦手だからこうして手伝ってくれるのはありがたい。
だけど私のスートはクローバーだから赤じゃないんだけどな…。

「…ケイトくん、色違うよ?」
「んー、キミにはダイヤが似合うと思うんだけどなあ。」

ぽやぽやした頭で指摘すると、ケイトくんに器用に魔法で自分のスートを書きながらそう言われてしまった。
今日は一日ダイヤを頬につけて学校に行かなければならない。と言うことは、昨日ケイトくんの部屋に泊まったことがバレてしまうわけで。
そこまで考えた所で私は眠くて、思考を止めて目を閉じてされるがままになった。

「はい、できた!やっぱりこっちの方がかわいい。…ねぇ、もういっそダイヤにしちゃわない?」
「えー、なにそれプロポーズ?」
「え゛っ、いや、…。もう、なんでそういう事言うかなあ。」

今日一日、私はみんなから揶揄われるから仕返しとして少しだけ意地悪したら珍しく焦った様子のケイトくん。なんかそれが可愛くてニヤニヤしてしまう。

「ナマエちゃんとお揃いの方がオレのカノジョって感じがするから、ダイヤにして欲しかっただけ」

そう言うと私の両頬を包んでケイトくんの顔が近づいてくる。
ちゅっと可愛らしいリップ音がなり、本日2回目のキスをされた。

「…ファミリーネームはそのうち、ね?」







ケイト・ダイヤモンドの場合…

「お揃いの方がカノジョって感じするじゃん?」