好きに溺れて、窒息



※attention
このお話はケイトの元寮長説を見て着想を得たものです。
直接的な表現はないですが、それとなくケイトが元寮長だった事などほのめかしてます。
苦手な方は閲覧をお控えください




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「ケイト先輩とリドル寮長って何かあったんですか?」
「…なんでそう思うんだ?」

トレイ先輩が少しだけ目を泳がせた。やっぱり何かあったんだ、と私の中で確信する。

「ケイト先輩は何も言わないんですけど、私がリドル寮長と話してる時だけなんか変っていうか。トレイ先輩、やっぱり何か知ってるんですよね?」
「あーー、それは、まあ本人に聞いたほうがいいと思うぞ。俺の口から言うよりもケイト自身からな。」

そう含みのある言い方をしたトレイ先輩はそそくさと談話室から出ていってしまった。なんか私だけ知らないみたいで凄く嫌だ。
少しむくれながら紅茶を飲んでいるとリドル寮長が入れ替わりで談話室に入ってきた。

「おや、ナマエもティータイムかい?」
「リドル寮長!そうなんです。ちょうどさっきトレイ先輩とケーキ焼いたんで、よかったらお茶請けにいかがですか?」
「ありがとう。うん、ケーキのいい香りだ。隣、失礼するよ。」

ナマエの隣に座った寮長はティーカップに紅茶を注ぎ、砂糖を入れる。私はその所作が綺麗でついつい見つめてしまう。さすがは寮長だ。

「最近どうだい?寮には慣れたかい?」
「はい。他の先輩方も優しいですし、友達もできました。」
「ふふ、それは良かった。それより、口元にクリームが付いているよ」

そう言うと寮長がナマエの口についてたクリームを取った。16歳になって口にクリームを付けてた事に恥ずかしくなる。
数秒、二人の間に沈黙ができた時ケイト先輩が談話室に入ってきた。
また、だ。私が寮長と話しているとケイト先輩は変なタイミングで入ってくるのだ。

「ナマエちゃんとリドルくんじゃん!なになにティータイム?オレも混ぜてよ〜」

ケイト先輩はいつもの様に話し始める。一方の寮長は寮長で気にせず紅茶を飲みつつ、ケイト先輩と談笑していた。
だけどこの空間で、私はケイト先輩から漂う空気が心なしか重く感じた。いつもとは違う何か重い感情。
和気あいあいと3人で話していたが、しばらくすると寮長は用があるからと談話室を出ていってた。

「はぁ〜。ナマエちゃん…」

寮長が談話室から出ていくと、ケイト先輩は私の肩に頭を預けてぐりぐりをおでこを擦りつけてきた。さっきの重い雰囲気もどこかに消えてしまっている。
ケイト先輩はいくら私が話しかけても何も答えずにずっとそのままの体勢でいる。流石に誰が来るか分からない談話室でこのままは恥ずかしい。

「ケイト先輩。私の部屋、来ますか?」
「…いく」

こくりと頷きそう言ったケイト先輩はガバッと顔を上げた。いきなりの事でビクッと肩が揺れる。無言で立ち上がると、私の手を掴んで指を絡め恋人繋ぎにして談話室の外へ連れ出した。
ケイト先輩は私の寮室へ行く途中もずっと何も言わず無言なので少し不安になる。
部屋に入るとぐっと引っ張られベッドに2人で流れ込む。

「きゃ、ケイトせんぱっ、」

ぎゅうぎゅうと私を腕の中に収めたケイト先輩は依然何も言わないまま。私も大きな背中に腕を回して抱きしめ返した。

「ケイト先輩。言ってくれないと、私分かんないです」
「んーん。ナマエが好きすぎてオレがおかしくなりそうなだけ」

そういって抱きしめてた腕を離して私をベッドへ組み敷いた。唇が触れるか触れないかの距離まで顔を寄せられる。

「ねえ、ナマエはオレのこと好き?」
「はい。すきで…ッ」

言い終わる前に唇が重なった。するっと服の裾から手が侵入する。これはもう逃げられない。私は諦めてケイト先輩に身を任せた。
あーあ、今日も何も聞けなかった。





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