友達以上


「百美はよーっす。」
「花巻じゃん、朝練おつー。」

疲れたわー、なんて言いつつさも当然のように私の前の席に座るこの男は花巻貴大である。あんたの席はあっちでしょうが。

今1番仲の良い異性は?と聞かれれば迷う事なく彼の名前が頭に浮かんでくる。
男女の友情は成り立たない、と聞いたことがあるがそれは私たちは例外なんじゃないだろうか。

「あ、こないだ出来たスイーツバイキング知ってる?」
「お!知ってる知ってる!駅の近くのとこだろ?」
「友達誘ったんだけど皆太るって言うからさ、今度どう?」
「んー、ちょい待って。」

スマホを確認している顔を見ていると、その視線に気づいたのか「何、カッコ良すぎて惚れた?」とふざけて聞いてきた。

「キャー、貴大クンすっごくカッコイイ〜!」
「ちょっとあかりサン?超棒読みじゃありません?あ、来週の日曜なら部活休みだけどどう?」
「ん、了解。11時に駅前集合で〜。」



時間というのはあまりにも早いもので、気がつけば日曜日の9時である。
タンスの中から取り出した服に急いで着替え、薄く化粧を施す。
腐っても女子高生、自分の見目は気になるものだ。

「やば、もう家出なきゃじゃん。」



待ち合わせ場所に行くと花巻は既に着いており、スマホを弄っていた。

「ごめん、待った?」
「めっちゃ待ったわ。」
「え、マジでごめん。」
「まあ嘘だけど。」

花巻の冗談にはイラッとしたが時間を確認すると集合の5分前だったので、謝る必要無かったな、と思った。



「やばい、待って、やばい。」
「めっちゃウマい。」

想像以上の味に私の舌はご満悦のようで、普段なら吐き気がする程の量を2人で食べていた。

「あ、百美クリームついてる。」
「え、嘘!どこ!?」
「違う違う、こっちだって!」

中々クリームを拭う事ができない私に場所を教えてくれるのだろう。
そう思ったが、花巻は自身の手で私の口周りについたクリームを拭った。

ぺろり

「ん、あま。」
「へ?あの、え、え......?」
「......ごちそうさま。」


満足気に笑うそいつの顔も、私の顔もまっかっか。

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