なみだドロップ


遊んでやっただけ、だそうだ。

ついさっき付き合っていた男の子―最も、相手は遊びだったようだが―にフられた。
ここ最近上手く行っていなかったしこの関係ももうすぐ終わるのかな、なんて考えてはいたのだ。

わたしはまだ彼のこと好きだったのに。


「何、また泣いてんの?」

「あ…松川くん」


松川くんは暇なときにわたしの話をいつも聞いてくれていた。
彼が他の女の子ばっかり見るだとか、この間のデートで何があっただとか、松川くんからしたら絶対に楽しくない話だと思う。

けれど彼はいつも、私の気が済むまで話を聞いてくれた後に決まって飴をくれるのだった。

「百美ちゃんてば、泣いたり笑ったり忙しそーね」

はい、あげる。と手渡されたのはイチゴ味の飴だった。

「…ありがとう」



「別れたんならさ、今フリーなわけでしょ?」

「そ、だけど」

いきなり何を言い出すのか。
くるりとこちらを向いた松川くんはくすりと笑って言った。

「俺だったら、百美の事泣かせたりしないケド?」

「は…?え?」

「なんで俺が毎回百美の話聞いてたと思う?」

それって、つまりはそういう事で、

「明日から、覚悟しといて」

ああ、こんなこと言われちゃあ出てくる涙も止まっちゃうじゃあないか。


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