※監督視点



今日は待ちに待ったバレンタインデー!
今年こそ、絶対佐久間くんに渡す!!そう心に決めて私は校門を潜り抜けた

教室では女子同士が友チョコやら、義理チョコやらで盛り上がっているけど私にはそんなもの到底興味はない。
愛しの佐久間君にいかにスムーズ且つ想いを込めて渡せるか考えなくては…

私の悩みごとは増えるばかりで、一向に佐久間くんに渡せるタイミングなんて見出せないままHRの時間がきてしまった

1時間目も始ろうとしていた矢先のことだった
前の席の佐久間君がくるりと此方を向いてこう言い放ったのだ

「監督さんは…バレンタイン、誰かにあげた、の?」

「ううん、まだ。渡すタイミングが見つからなくて…」

少し恥ずかしそうに聞かれるものだから私の緊張もとんでもなかったけれどどうにかこのタイミングで佐久間君に渡すことができれば…!

「あの、佐久間くん。これ、昨日頑張って作ったんだ、良かったら食べてくれないかな?」

「…俺?え、俺にくれるの?監督さん…」

きちんと佐久間君に気持ちも伝えたかったけど、今ではない気がして…
とりあえず、渡すというミッションは成功したからほっとした気持ちと肯定の意味を込めて佐久間君に微笑み返し頷いた

「ありがとう!凄く嬉しいよ!
ホワイトデーのお返し、楽しみにしててね」