瀬名泉と卒業




※あんず視点



桜舞う、私立夢ノ咲学院ー。
今日私の大好きな人も此処を"卒業"する


「卒業しても、あんたのこと面倒みてやるって言ってんの。だから、あんたには第二ボタンもネクタイもあげないよ。これ、大事に持っときなよねぇ…」

ぶっきらぼうに渡された小袋の中身は家の鍵らしきもので、私は頭がうまく回らないし先輩の眉間のシワは増えるし…え、どういう状況?

「え?え?先輩、どう言う………」

「ぜ〜んぶ言わなきゃわかんないわけぇ?相変わらず馬鹿だねぇ、それあげるからいつでも俺に逢いにきなよ。わかったなら返事しな〜」


先輩に渡された鍵と先輩の顔を交互に見つめながら私はその日最初の笑顔を見せた。

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