Introduction

高御堂家は、明治時代からの歴史を誇る「華族」の末裔の一族でございます。現在は第9代当主、高御堂 司の時代。家族制度的組織による同族支配のもと、経済部門のすべてにわたり多角的経営を行ない、高御堂重工や、高御堂化学工業、高御堂証券、高御堂ホテルなどの持株会社を数多経営されてこられました。その栄華は甚だしく、この国のすべてを掌握されていると言っても過言ではございません。
赤い絨毯が敷かれている広大なお屋敷。
キラキラなシャンデリア。食卓には専属のシェフが作られた、高級料理が毎日並びます。
誰もが憧れる豪華絢爛な日常。端正なお顔立ちをした御坊ちゃま方、かわいらしいお嬢さま方に恵まれ、今日も凪のような1日がはじまるのでしょうか。
──いいえ?この一族はどこか、おかしい。

高御堂家の晩餐会