とある落ちこぼれの話

もう少しで三年生に進学する今日この頃

私は学校側からあるプリントを渡された

3-E移動の通達

我が椚ヶ丘中学校にはエンドのE組と呼ばれるクラスがある

学校の落ちこぼれがたどり着く場所

周りから聞こえるヒソヒソ声

次々と友達だった子が離れていく

それでも私は気にしなかった

理由なんてわかりきっている

あの人はなんと言うだろうか

やっぱり怒るだろうか

それとも呆れるだろうか

学校で一番最悪なところに落とされたのに内心どこかそわそわと待ち遠しかった

早く報告したい

早く反応がみたい

早く、早く・・・


「すまないが仕事に行かないといけない、しばらく戻れないだろうがいいな?」


顔をみせてすぐに渡したプリントは目を通しはするがすぐにテーブルに置かれた

いつもの場所に生活費がしまってあるとだけ言って、いってきますも無しに玄関から出ていくスーツ姿に小さくいってらっしゃいを言うが耳に届いただろうか


「今日もひとりだよ、お母さん」


10年前に病気で死んだお母さんの写真の前でポツリと呟く

どんなにお利口になっても、どんなに馬鹿になってもあの人は

お父さんは私をみることはないのかな

ふと、窓の外を見上げた時


月が爆発したのがみえた

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