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「セトカさん! ちょうどいいところへ!」
まるでポケモンのように彼は私の前へ飛び出してきた。叫びそうになった悲鳴を寸前で飲み込んだが、身体はそうはいかなかった。重心をぐらりと揺らし、倒れそうになった私を彼は「おっと」と手を引いて支える。転ばなくてよかった、と安堵するのも束の間に、私は頭上にある笑みを睨みつけた。
「ウォロくん、危ないでしょ」
「いやぁ、失敬。本当にいいタイミングでしたので、つい」
「私だけならまだしも、誰かにぶつかったりしたら……。ちょうど人も多い時間帯なんだし」
実際、私たちの周りにはイチョウ商会の仲間たちが多く集まっていた。その日の売り上げ報告のために本部へ集まるせいで混み合っている。すっかり陽も落ちたこの時間帯が、一番。そのまま帰寮するから余計に。よっぽどの事が無い限り、人間は夜に出歩かない。それだけヒスイ地方は広く、恐ろしい場所だから。
ウォロくんの手を借り、体勢を戻す。さて、なんのタイミングよいのか聞き出さないと。
「ああ、そのことなんですけど。セトカさん、今、財布持っています?」
「個人の、だよね? 売り上げじゃなくて」
「当たり前じゃないですか。さすがに横領だなんて、ジブンは怖くてできませんよ」
おやおや、もしかしてセトカさんは常習犯だったり? などとウォロくんはからかってくる。「助けてあげないよ」と冷たく言い放っても肩を竦めるばかりだ。
「そんなことを言って、セトカさんはなんだかんだ助けてくれますよ。わかっています。それにジブンはセトカさんの後輩ですし」
ウォロくんはいつもそうだ。そうやってするりと心の隙間に入り込むのが上手い。彼がイチョウ商会へやってきたときから、ずっと。
若干ではあるが私の方が先輩だ。だから先輩として振る舞っていたけれど、歳が近いこととウォロくんの纏う雰囲気のせいか、いつの間にかこんな気安い仲になっていた。たまにこうして「後輩」であることを強調してくるあたり、一応私がここでは「先輩」であることを忘れてはいないようだけれど。
「じゃあ、後輩のウォロくん? 財布の有無を私に訊いた理由を教えてくれる?」
「ええ、すぐにでも。とはいえ、お恥ずかしい話でして」
困ったように眉を下げ、彼は話し始めた。
曰く、今日はめずらしくコトブキムラで昼食を取ったという。しかし、支払いの際に財布を忘れていたことに気づき、急遽売り上げ金から賄った――
「一番いけないやつじゃん! 他人に横領云々言えないでしょ!」
「しーっ、ですよ! いいんです、この報告で収支がトントンならバレません。ジブンとセトカさんが黙っていればいいんです」
暗に共犯になれと言われているな、これは。確かに報告をせず自室に戻ることは難しい。つまり財布を取って来られないということになる。だから、ひとまず私の財布から立て替えた昼食代を補ってほしいのだろう。
「セトカさん。ジブンを助けると思って」
お願いします、とウォロくんはこそりと囁いた。内緒話をするように、困った声と表情で。
実際のところ、これはギンナンさんに報告したほうがいい内容であることは間違いない。間違いない、のだけれど。
「……いくら?」
つくづく私は甘い。いや、弱いのだ。ウォロくんに。
彼は当初からなんでもそつなくこなす性格だった。特筆して優秀ではないけれど、及第点より少し上あたりの成績でなんでもやってのけてしまう。商会に馴染むのも早くて「手のかからない新人だな」とギンナンさんも感心していた。
そんな彼が唯一、私にはこうして頼ってくる。「先輩」だからかもしれないし、それこそ歳が近いからかもしれない――いや、舐められているだけだったりして――とにかく、彼が頼ってくること自体に悪い気はしていない。仕方ないなぁ、と先輩ぶれるのはこういう機会でしかないから。
ムベさんのイモモチ定食の値段ぴったりを、ウォロくんは口にした。荷物から財布を取り出して、彼へ渡す。
「おつりなし、ちょうどだからね」
「ありがとうございます。いやぁ、頼りになる先輩だなぁ」
「調子いいことばっかり言って。というか、ちゃんとあとで返してね!」
「わかっていますって!」
「本当……?」
「疑うんですか? ひどいなぁ。――そうだ、なら担保にこれを差し上げます」
上着のポケットら出てきたのは小さなガラス片だった。角の取れた小片であるそれは淡い灰色をして、しっとりとしたやわらかさを含んでいる。どこか氷の欠片のようにも見えた。きれい、と思わず声がもれる。
「はじまりの浜で見つけまして。思わず拾ってしまいました。詳しい方に聞くところ、シーグラスと呼ばれるそうです」
「シーグラス」
「ええ。海を旅してきて、こういった形になるらしく」
ではこれは遠いどこかの土地からやってきたのだろうか。私たちみたいに。
月明かりを灯したシーグラスに見惚れているとウォロくんは「お気に召したようでよかったです」と私の手を取り、掌へそれを落とした。
「なら、差し上げます。それ。セトカさんに。いつもご迷惑をかけているお詫びに。担保、と先ほどは言いましたが撤回します。」
「でも、これだって売り物になるんじゃないの?」
珍しいものは商品になる。だからこれもギンナンさんに報告をしなければいけない。勝手に私がもらってはいけないのではないだろうか。ウォロくんはゆるりと首を横に振る。「残念ながら商品価値はなさそうです」と添えながら。
「はじまりの浜ではよくあるものらしくて。子供たちのおもちゃになっているようです」
「それなのに拾ったの?」
「……ええ。セトカさん、お好きそうだなと思ったので」
つまりこの件については最初から私に頼る予定だったわけで。交渉材料の一つとしてこのシーグラスを用意していたことになる。それに思うところがないわけじゃないけれど、シーグラスは綺麗だし、わざわざウォロくんがくれたことは素直に嬉しい。
「……ありがと」
「どういたしまして」
握りしめたシーグラスからは冷ややかな感触が伝わってきた。溶けない氷のような――ぬくもりを全く移さないそれを、私は優しく懐へしまう。いくら長い年月を旅してきたといえ、ガラス片には違いない。なにかの拍子で欠けてしまうことは避けたかった。
「おーい、二人だけの世界を作っているのもいいけどさ。報告あるなら、早くしてね」
遠くからギンナンさんの困ったような声が向けられる。はたと気づけば周りの仲間たちはすっかりいなくなっていた。みんな報告を終えてしまっていたようだ。残されているのは私たちだけ。
「なに話しこんでいたの」
呆れたようなギンナンさんからの問いに「ちょっと世界の創造について議論していました」とウォロくんは答える。先ほど「二人だけの世界」と言われたからだろう。下手な誤魔化し方よりはずっといいけれど、もうちょっとなにか無かったのかな。かといって私もいい言い訳は思いつかないので、黙っていることにした。
「ま、なんでもいいけどね。二人とも今日の収支報告を頼むよ」
「ではセトカさんからどうぞ。ジブンが引き止めてしまったので、早く休みたいでしょうし」
ウォロくんに背中を押され、仕方なしにギンナンさんの前へ出る。とはいえ、毎日やっていることに変わりない。つつがなく報告を終え、報告済みの判を貰う。
「はい。おつかれさま」
「ありがとうございます。ギンナンさんもおつかれさまです」
頭を下げ、自室の戻ろうと振り返る。にこにこ顔のウォロくんにも「お先に」と一言。その言葉に「ちゃんとお金返してね」と「バレないようにね」の意味を含ませれば、聡い彼はちゃんと受け取ったらしく「ええ」と含みのある声を返してきた。さすがウォロくんである。その当たりの察しの良さはばっちりというわけだ。
二人に見送られ、建てられた自分用の天幕へ入る。主のいない部屋は寒くて、暗い。まずは荷物を下ろして明かりを灯すと、じんわりとした温度が伝わってくる。上着を脱いで身軽になるころに、ようやく人心地がついた。するとドッと疲れが襲ってきた。
敷きっぱなしの布団に寝転ぶと一瞬にして睡魔がやってくる。汗も流していないし、なんなら食事だって取らないといけないのに。ああ、そうだ。それよりも――
「んっと……」
布団から這い出して、床に置いたばかりの荷物の中からモンスターボールを取りだす。見る度に思うけれど、こんな小さな器にポケモンが入ってしまうなんて不思議だ。これがかがくのちから≠ニいうものなのだろうか。
宙に放るとその勢いで中からミミロップが飛び出してくる。ミミロップは半分寝かけている私へきょとんとした瞳を向けた。ぺたんと座って、小首を傾げる。その愛らしい仕草に思わず笑みをこぼすが、私は先ほどからずっと眠たくてたまらない。うとうとしたままに机の上にある籠を指して、言う。
「中にきのみが入っているから、食べてね。私はちょっと寝る……」
ばたんと布団へ倒れ込む。もぞもぞと毛布を掛けて寝る姿勢を取ると、ミミロップはハッとなにかを気づいたように鳴きだした。残念ながら私はこの子の言葉を理解できるわけではない。あと、単純に眠い。申し訳無く思いながらも適当に返事をして瞼を閉じる。何も考える間も無く、私は眠りに落ちていった。
***
自然と目が覚めた。深く眠っていたのか、頭はすっきりとしていて思考もはっきりとしている。身を起こすと、辺りはまだ暗かった。点けた火はミミロップが消してくれたのだろう。その近くで丸くなる姿がぼんやりと見える。きのみも食べてくれていたようで、皮や種が散らばっていた。
「……ごめんね」
寝る直前の己を思い返すと、ミミロップへ随分と失礼な態度を取ってしまっていた。きっとこの子は私のことを心配してくれていたのに。今まで使っていた毛布を今度はミミロップに掛ける。
起こさないように準備を整え、そっと天幕を出た。ヒスイの夜は寒い。まだまだ夜明けは遠いみたいだ。身体が震えた理由は冷気のせいか、うっすらと聞こえるポケモンの鳴き声のせいか。自分でもわからない。早くお風呂に入ってきてしまおう。
私たちイチョウ商会にはこのヒスイ地方で活動するための拠点――もとい集落がある。といっても、コンゴウ団やシンジュ団ほどの規模もない。商人たちが住む天幕と、本部。商品を育てる畑に食堂。そして他の集落には珍しい常設の浴場がある。
商人は清潔感が大事、とのことから用意されているため、一日一回の入浴が義務となっている。それに人間の汗のにおいは、鼻のいいポケモンが敏感に察知してしまう。ヒスイ地方を歩き回る私たち商人にとっては、その僅かな差で生死をわけることも多い。そのため貴重な水ではあるが、浴場はいつでも入れるようにと二十四時間開放されている。一応、料金を払えば商会外の人も利用はできるけれど――ここまできてわざわざお風呂に入る人は少ない。
そんな商会の義務を終えて浴場を出る。ゆっくりお湯に浸かってきたけれど、まだ夜空には星が瞬いていた。ヒスイの空は綺麗だ。昼も夜も。くっきりと星も雲も見える。「空気が澄んでいるからね」とギンナンさんが言っていたっけ。満月より少し欠けた月は昼間の太陽を映しているかのように、私を照らす。まるで自分の時間はこれからだと言わんばかりに。
ふわりと風が吹く。お風呂で温まったとはいえ、さすがにこれ以上は冷えてしまう。天幕へ戻ろうと足を進める私の視界に、ふいに動くモノが入った。
「あれ、ウォロくん?」
「……おや、セトカさん」
別れたときの格好のままのウォロくんがいる。どこかへ行っていたのだろうか。彼は外からまた戻ってきたように見えた。
「外、出ていたの?」
「ええ。トゲピーがなかなか寝つかなくて。ちょっと散歩へ」
困ったようにウォロくんは眉を下げる。彼の腕の中へ視線を向けると、すやすや眠るトゲピーのまぶたの端には、うっすらと涙を浮かんでいた。
トゲピーの泣いている姿はよく知っている。そして「参りましたねぇ」とあやしているウォロくんの姿も。そういえばミミロップが進化する前、ミミロルだった頃もちょっとしたことで泣いていたっけ。小さなポケモンは子供――というより赤ちゃんかも――に似ているのかもしれない。進化してからは全くそんなこと起きなくなってしまったけれど。
「セトカさんはどうしてこんな夜更けに?」
昔を思い出していた私へ逆に問いが降ってくる。しかしすぐに「ああ」と納得した声が響いた。
「お風呂、入っていたんですか」
ウォロくんの指が私の耳元へのびる。きゅっと髪先をつまみ、残ったままの雫を払った。ごく自然に行われた行為に驚いて、思わず顔を上げる。
絡み合ったウォロくんの瞳は、彼にもらったシーグラスのように濡れた光を灯していた。今まで見たことがない表情に息が詰まる。夜の音が遠くへ消えていった。彼のくちびるの動きがとても遅く感じた。
「早く乾かさないと。風邪ひきますよ」
「……大丈夫だよ。これぐらい」
「そういうこと言っていると、あっと言う間に寝込んでしまうんですからね! ああ、ほら! 現にすっかり身体が冷えているじゃないですか!」
やれやれとウォロくんは首を振る。いつもどおりの彼が戻ってきた。なんだかひどく安心して、そういう君はどうなのよ、と言ってやりたくなった。ぐっと我慢したけれど。
「とはいえ、あと少しジブンにお付き合いください。お金もお返ししたいので」
ウォロくんはにっこりと見慣れた笑みを浮かべた。こちらの意見を聞く気は無いようで、どんどん自分の天幕へと向かっていく。どうやら私はおとなしく後ろを着いていくしかないみたいだ。
眠ってしまったトゲピーに気遣いながら、足音を殺して歩く。ウォロくんとの間に会話はない。けれど、そこに気まずさはない。遠くから聞こえるポケモンの声だけが私たちを結んでいた。
イチョウ商会の集落はそんなに広くはない。すぐに彼の天幕へ着いた。「ちゃんと待っていてくださいね」と言い残して、腕の中のトゲピーと共に彼は中へ入っていく。釘を刺さなくとも、お金のこともあるし待っているというのに。それにここで帰ったら、明日何を言われるかわかったものじゃない。意外とねちっこいのだ、ウォロくんは。あの笑顔で詰め寄られるのは避けて通りたいところ。
ひやりとした空気も慣れてしまえば心地いい。つまり、睡魔が顔を見せ始める。ウォロくん、まだかな。中からはガサゴソと何かを探しているような音が聞こえるあたり、まだかかりそうだ。……奥の方に財布をしまっているのは、ちょっと考えた方がいい。
待っている間、少しだけなら寝てもいいかな。とろりとした眠さのままに、まぶたを閉じる。途端に足元から感覚がふわふわと無くなってきた。力が抜ける。身体が倒れ、目を覚ます。そしてまた自然とまぶたが落ちる。繰り返しを何度したことだろう。
「セトカさん」
「……ウォロくん?」
ようやく出てきたウォロくんに声をかけられ、目を開けた。頭を振って意識を戻す。いまだに乾ききれていないままの髪が冷えて、少し背筋が粟立った。
「そんなに眠いところすみません。ああ、身体も。芯から冷えてしまっていますね」
「大丈夫。今、目が覚めたから」
「そうですか? でも手早くすませましょうか」
貸したお金の精算のため、立て替えた金額ぴったりを渡される。しかも「シーグラスは差し上げますからね。返していただいても、ジブンは持て余すので」と昼間と同じ言葉と共に。やはり返した方がいいかな、と思っていた私の心を見抜いているみたいだった。
「あと、こちらも」
「え?」
差し出されたのはやわからな白い布だった。よく見れば、端の方に赤と青で三角模様の刺繍が施されている。なんだかトゲピーに似ているような。私の向けた視線の意味を察し、ウォロくんは嬉しそうに声をあげた。
「さすがセトカさん! 気づくのが早いですねぇ!」
彼は自然な動きで私の首に布を巻く。軽くて手触りがいいそれをまじまじと見つめる。
「襟巻き?」
「ええ。別名、マフラーというそうですよ」
マフラー。初めて聞く単語だ。でもなんだかふわふわとして、あたたかな響きを感じる。その名の通り、保温性があるのだろう。たった一枚の布とはいえ、それがあるだけでなんとなく身体にぬくもりが宿る気がしてきた。
「どうしたの、これ」
「いただきまして。コトブキムラのシャロンさんから。なんでもトゲピーを見て、ひらめいた一品とのことで。お礼にと」
しかしウォロくんにとっては薄手すぎたとのこと。寒がりな彼はもう少し厚みのある防寒具を愛用しているらしい。
「箪笥の肥やしになるよりは、誰かに使っていただけたらとずっと思っていまして。いいタイミングでセトカさんへお渡しできました」
「受け取れないよ。こんないいもの。それにウォロくんからはシーグラスだってもらったばかりだし……。なによりこれは『あなたへ』って贈られたものでしょ?」
マフラーを返そうとする私の手を止め、ゆるやかに拒否される。戸惑う私へ、ウォロくんはさらに困らせることを言ってきた。
「シーグラスの精算は先ほど終えました。さっきも言ったようにジブンはコレを使う機会がないんですよ。そんな男の手元にあるより、セトカさんに使ってもらえる方がずっといい」
「でも」
「シャロンさんには『身体を冷やさぬよう、女性へ贈った』とお伝えすれば、きっと喜ばれるでしょうし」
……その事実は間違っていない。間違ってはいないけれど、何かが決定的に違う気がする! 確かにシャロンさんの性格なら、誰かへ譲ったことをとやかく言うことはないだろう。けれどそこまで詳細に伝える必要はないのでは!? なんとなく気恥ずかしさが身体を駆け巡り、声が詰まる。そんな私を追い立てるように彼は続けた。
「これでアナタに断られたら、ジブンの立つ瀬がありません」
ジブンの顔を立てると思ってもらってください、とウォロくんも譲らない。どちらかが折れないと、このまま夜明けを迎えてしまいそうだ。――仕方ない。ここは私が折れるとしますか。
「じゃあ、お言葉に甘える。その代わり、お金は返すよ。これでお互い様にして」
「わかりました。いい着地点だと思います」
渡されたお金は再び彼の元へ戻る。このマフラーはこれ以上の額がするに違いないけれど。布は貴重だから。
「ありがとう。すごく嬉しい。大切にするね」
「こちらこそ。シャロンさんも使っていただけて喜びますよ」
「シャロンさんにもお礼、言っておくよ。トゲピー柄ってかわいいね。ミミロップでもなにか作ってくれないかな」
「耳あてとかよさそうですね」
「あ、それいい。――っ」
一瞬、吹き抜けた風に身体を震わせた私をウォロくんが見逃すはずもなく。彼は私の肩を包むように布をかけなおした。じわりと、そこからぬくもりが広がっていく。なんだかんだ、この人は優しい。
「風邪、引かないようにしてくださいね」
「ウォロくんもね」
静かな会話が夜の闇に溶けていく。
朝日が昇るのは、まだまだかかりそうだった。
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