チュートリアル

レイ
メメロ02



「随分と辺鄙なところまでやってまいりましたね、レイ」
「ああ。この辺りは生徒も少ないな」
 ノルンと別れてからはフラフラと森の奥へと歩を進めていた。やはり同様に道中ではたくさんの生徒がメメロと戯れていたが、ほとんどの獲物を取られていたため捕獲すらままならなかった。やはり人の少ないところに行けば行くほどはぐれメメロを捕まえられる可能性が高まるのだろう。
「レイ」
Dia della terra, Dia del cielo. Dare quel beneflcio天の神よ、地の神よ。我にその恩恵を与え給え
 間髪入れずに基本詠唱を唱える。セブが警告を発するのと茂みが動くのは同時だった。メメロを探して森の奥まで迷い込んでいるとはいえ、メメロ以外の魔物がいることも事実だ。警戒するに越したことはないだろう。
「……メメロのようです」
 メメロか、と思わず心の中で突っ込む。大型の魔物じゃなくてよかった、と少し心をなでおろした。
「レイ、一匹ではありません。囲まれています。怪我の危険性はほとんどありませんが、メメロは他の魔物の食料にもなる魔物ゆえ、他の魔物の接近にはお気を付けください」
「接近される前に捕まえればいいんだろう?」
 思わず口角が上がった。セブの言葉は続かない。ガサガサ、と音を立てて大小様々なメメロが茂みから現れた。明らかに囲まれている。だが、それがどうした?
Fioritura di fioriterra咲き乱れし土の花
 森ならば土が豊富にある。庭、と言っても過言ではないほどだ。殺さずとももちろん、捕獲できる。土を隆起させ、メメロを徐々に一箇所へ集めて行く。ボコボコと動く地面に驚いたのか至る所で分裂が始まっていた。
Gubbie della terra土の檻
 ある程度集まったところでその場の土から一つの檻を出現させる。今回は土の密度を濃くし、ほとんど隙間のない箱を作り上げた。ちょうどメメロたちが集まっていた部分を覆い尽くした檻はやがて静けさをもたらす。
「……ふぅ」
「鮮やかなお手つきでした。お疲れ様です、レイ」
「ありがとうセブ。これを運んだら今日の授業は終わりだな」
 無属性魔法を使い、メメロの入った特大の箱を持ち上げた。重さはほとんどが土の重さであろうそれはさして重くはない。
 来た道を振り返る。箱を自分の前に置き、そのままゆっくりと歩き出した。

2/2
prev  return  next