走る。逃げるのに特化しているのか、全力で走っているのに追いつけなかった。苛立ちが募る。燃やしたはずの肩や顔の一部はすでに再生を遂げていた。滅多斬りにしないといけないのだろうか? それとも全部焦がせばなんとかなる? 百年以上もここにいるのに僕の知らない個体がいるなんて聞いてない。
僕とそれの間の距離は一向に縮まらない。速度が変わっていないせいだ。これじゃあ、僕の方の体力が尽きる。どこかで縮めなくては。
太ももからクナイを一本、右手で取り出す。すぐにそれを浮かばせて座標指定、飛ばす。目標は足だ。右足のアキレス腱あたりに突き刺さったクナイは、それを減速させた。
痛みは感じているのだろう。ギュイ、ギュイ、と涙目になりながら倒れたそれに向けて跳躍する。体は再生した。じゃあ頭を潰せば? 動きを封じるように馬乗りになる。ギュエ、と鳴いた。炎を短刀に付与して真上から突き刺す。見開いた目が少しグロテスクだ。突き刺さった短刀をそのままスライドして頭を真っ二つにした。ジタバタしていた体もゆっくり力を失っていく。
「……まじでなんなの」
焼け焦げた傷口からほのかにいい匂いがしている。これも美味しい食材になるのだろうか? 見た目が可愛くなさすぎて持っていくのにはいささか気がひけるが、まぁなんとかなるかもしれない。これもメメロと一緒に持って行こう。
「あ」
そういえば焼け焦げたメメロをそのままにしていた。さっさと持って帰ろう。絶命したそれを浮遊魔法で浮かせて横に並ばせる。人を運んでいるようで気分が悪い。少し離れたところで燻っている数匹のメメロも浮かばせた。
後から聞いた話だが、あのメメロのような人型の魔物はゴリメメロモドキというらしい。メメロに擬態する魔物だというが、なんとも不憫だ。
メメロ討伐02
友情出演:ゴリメメモドキ