「もう、本当になんなの!?」
ギュイギュイと気味の悪い鳴き声をあげながら、無駄にガタイのいい体を揺らして逃げる得体の知れない青い物体を追いかけていた。こちらもまた、無駄に走るのが早い。
メメロ討伐に来ていたはずだった。商業棟から逃げ出したメメロを数匹捕まえて持って帰ればそれでいいはずだった。なんで……こんなことに?
*
メメロ。この学園に長いこといれば必ずその肉は食したことがあるであろうメジャーな魔物だ。肉はいろんな料理に応用可能。味も最高で、商業棟のレストランやフードコートに並ばない日はないくらいだ。
有名で人気ゆえ、その個体は大量に保管されている。今回はそれが逃げ出したらしいのだ。そりゃ、生きている限り死にたくないと思うのは当然のことだろう。学園をあげて捜索するほどか、と思ったが実際その量は想像できないほどなのかもしれない。
メメロは壁や通路、風景に擬態する。そのせいで見つけにくいことこの上ないが、生徒が多く歩き回る校舎内ではさらに見つけにくくなっていた。
同じように考えた生徒たちだろう、校舎を出てすぐのところもやはり人が多い。一応、クナイと短刀を携えて捜索してはいるが、メメロの戦闘力はないに等しいし問題ないだろう。
「……ん?」
目の端に何やらメメロのような姿を捉えて振り返った。生徒たちの死角だったのだろうか、割と目立つところにそれはいた。中央のメメロは周囲に集まった数匹のメメロよりも少しばかり大きい。メメロの中にもボスとかそういう格があるのだろうか。
まぁいい。さっさと集めちゃおう。生死は問わないというのなら、殺してしまって問題ないだろう。鬼火を出現させる。こちらにはまだ気づいていないメメロの集団に向けて、それなりの大きさの火の球を上から落とした。
−−−GYUIIIIIIIIIIIIIII
周辺のメメロは燃えた。そこまではいい。一瞬で死んだし、むしろ肉の焼けたいい匂いが漂った。ただ、それは簡単にはいかなかった。ボコッという音とともにそれが土の中から出現する。頭部はメメロそっくりなはずだが、体は同色の人間の体のようだった。
呆気にとられているうちにそれは無駄にガタイのいい体を振り回してくるっとUターンし、綺麗なランニングフォームで走り始めていた。
「え!? ちょ、まっなに!?」
わけのわからないまま体は自然とそれを追いかける。そもそもそれがなんなのかわからないが、そのままにしておいてはいけないということだけはわかる。
メメロ討伐01
友情出演:ゴリメメモドキ