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往復書簡二通目


拝啓 シュヴァリエ・エルベール様
 
 ちょっと聞いてよ。メメロが逃げ出したんだって。散々追いかけ回してたら、なんかメメロに似た魔物も出てきててんやわんや。でも久しぶりかも、授業時間にあんなふうに賑やかになる校内は。
 そんなことじゃないよね。アイゼン、でしょ。もちろん僕も行ったよ。一人で飛び回って救護に回った。ふとした時にあのピンク髪見つけたけど、人間とは思えない力と体の動きね。故郷だったらしいし、動きやすかったのかな。
 蒼いのと、アルについては問題ないみたい。主に避難誘導に走ってたから、怪我もしてないよ。聞いてるか。
 人が死んだね。そういえばアンタもアイゼンにいたの? 死んでなきゃいいけど。冗談よ。
 討伐依頼はできるだけ行きたいと思ってるけど目の前で死んでいく命を見るのはいつだって辛いな。だから僕は、あの子の死に目に会わなくてよかったって思ってる。不謹慎? なんとでも言って。僕は自分勝手だから。
 とりあえずアンタの安否確認と、アンタの子供の安否報告がしたかっただけだからもう終わるわ。またね。
 
 p.s.今回の討伐依頼で生徒の死亡者は一人もいなかったみたい。当たり前にしたいけど、いつもこの報告を聞くと安堵する。
 
敬具 茉紘

メメロ大脱走、ヘルハウンド、ハウンド討伐の頃。

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