入学式
翌日。忍者アカデミー、入学式会場。
会場に着いた子どもたちは整列させられ、ミコトもまたその列に並んでいた。少し前にはシカダイの姿がある。中忍の先生たちや火影、相談役、前火影も揃う中、金髪の姿はなかった。
点呼が始まり、うずまきボルトの名前が呼ばれたが、返事は勿論ない。
初日から遅刻か、とミコトはぼんやりと空を眺める。目に入るのは、火影岩だ。七代目の隣には、ミコトの父の顔が並ぶ。
「……本物の方がかっこいいよね」
そう呟いたときだった。遠くの方から音が聞こえる。
「車輪の音?」
音の正体に気づき、レールのある場所を振り返ると、雷車が空を飛ぶところだった。
「危ない!!」
ミコトが無意識のうちに出した声に反応したのは、大人と幼馴染たちだった。遅れて子どもたちが列を崩し、雷車が落ちるであろう地点から遠ざかる。シカダイはミコトの方に来た。
雷車はそのまま火影岩に突っ込んでいく。岩が崩れる音がして、ミコトは右手で口を覆い、左手を翳して目を凝らす。視界が晴れていくにつれ、雷車がどこに突っ込んだのかが分かった。七代目火影の火影岩である。
「あー……」
酷い壊れ方に声が漏れる。自分の顔岩を壊されたナルトは、唖然としていた。
壊れている雷車から這い出てきた人物を見たシカダイは盛大に溜息を吐き、その様子にミコトが肩を叩く。自分たちと同じ年頃の少年。それも金髪。導き出される人物は、一人しかいなかった。
「うずまきボルト、参上だってばさ!」
高らかに宣言したボルトに生徒たちはざわつく。ナルトの顔は困惑が見て取れるほどだ。
「あいつ、なんて泥の塗り方だ……」
「シカダイ、頑張れ。私、シカマルパパとうちのパパのお手伝いしてくるね」
「……めんどくせーが、俺も行く」
混乱の広がるグラウンドで、いち早く我に返ったシカマルとカカシが非難の指揮を執っているのを見て、二人はシカマルに駆け寄り、固まっている生徒たちを誘導して、先生たちについて行かせた。最後に残った自分たちも移動しようとしたところでミコトは火影岩を振り返る。ボルトは三代目火影の孫である猿飛木の葉丸に掴まっていて、ナルトも立ち直ったようだった。波乱の学生生活になりそうだ、とミコトとシカダイは溜息を吐いた。