▼ 04-02
―SIDE:怜―
綾崎くんの食べたいものから明日の朝食の材料を揃えたら、思っていた以上の荷物になった。
まぁ、昨日よりマシだけどね。
「綾崎くん、持ってくれてありがとう」
「……いや」
この二日で、綾崎くんは照れるとそっぽを向くのだと知った。
そんな綾崎くんが、なんだかかわいく見えて小さく笑った。
「えっと……あとは洗濯物とお風呂掃除……かな? すぐ終わらせるね」
「風呂掃除は俺がする」
……綾崎くんが、手伝ってくれる? え、今日は本当にどうしたの?
驚いて目を丸くした時、玄関から呼び鈴が聞こえた。
急いで玄関に行くと……。
「怜! 無事か!?」
「へ? ……紅羽!?」
ドアが開いて紅羽が入ってきた。
えっ、何で紅羽がうちに!?
「邪魔するぞ」
「……立花くん?」
今度は立花千迅が入ってきた。
もう何が何だか……混乱して目が回りそうだ。
勝手にうちに上がった立花くんはリビングに行き、紅羽も上がって私の手を引っ張ってリビングに入った。
「面白いことになってるな? 翼」
リビングにいる綾崎くんは、立花くんの薄ら笑いを見て口元を引き攣らせていた。
「同居なんて聞いてないよ、怜」
にっこりと笑っているけど、目が笑っていない紅羽。
な、なんだかこの二人……。
「「今すぐ隠していることを吐け」」
息ぴったりすぎて怖い……!!
――かくかくしかじか。
向かい合うようにソファーに座って、私から言えることは全部話した。
正面にいる紅羽と、その隣にいる立花くんは、黙って聞いてくれた。
話し終えると、紅羽が出してくれた麦茶を飲む。
「……つまり、翼は両親の計画につき合わされ、若桜は協力しているということか」
「協力って言うか……無理強いはしないよ。そんなことしたら、お互いストレス溜まるし」
ストレスは大敵なんだから。怒ることもあまりしたくないし。
「それに聞かされたのは当日……つまり昨日だから、断ることもできなかったし。まぁでも、綾崎くんが限界になったら、ちゃんと帰すから安心して」
本当に唐突だった。私でも反応に困るほど。
だけど、綾崎くんを第一に考えている。お客様だし、私の生活に巻き込んじゃったし。
優先順位はちゃんと決まっているから大丈夫だと思うんだけど……。
「怜、巻き込まれて平気なのか?」
「え? ……逆に私の生活に巻き込んじゃっているのに?」
紅羽の一言に疑問を持って返す。
小首を傾げた私に、紅羽はつらそうに眦を下げた。
「……綾崎、ちょっと来て」
ソファーから立ち上がった紅羽がリビングから出ていく。
綾崎くんは少し嫌そうだったけど、紅羽の真剣な空気に逆らえずについて行く。
紅羽、どうしたのかな? 綾崎くんに変なこと言わないといいんだけど……。
prev / next
2/4