04-02

 ―SIDE:怜―


 綾崎くんの食べたいものから明日の朝食の材料を揃えたら、思っていた以上の荷物になった。
 まぁ、昨日よりマシだけどね。

「綾崎くん、持ってくれてありがとう」
「……いや」

 この二日で、綾崎くんは照れるとそっぽを向くのだと知った。
 そんな綾崎くんが、なんだかかわいく見えて小さく笑った。

「えっと……あとは洗濯物とお風呂掃除……かな? すぐ終わらせるね」
「風呂掃除は俺がする」

 ……綾崎くんが、手伝ってくれる? え、今日は本当にどうしたの?

 驚いて目を丸くした時、玄関から呼び鈴が聞こえた。
 急いで玄関に行くと……。

「怜! 無事か!?」
「へ? ……紅羽!?」

 ドアが開いて紅羽が入ってきた。

 えっ、何で紅羽がうちに!?

「邪魔するぞ」
「……立花くん?」

 今度は立花千迅が入ってきた。
 もう何が何だか……混乱して目が回りそうだ。

 勝手にうちに上がった立花くんはリビングに行き、紅羽も上がって私の手を引っ張ってリビングに入った。

「面白いことになってるな? 翼」

 リビングにいる綾崎くんは、立花くんの薄ら笑いを見て口元を引き攣らせていた。

「同居なんて聞いてないよ、怜」

 にっこりと笑っているけど、目が笑っていない紅羽。

 な、なんだかこの二人……。


「「今すぐ隠していることを吐け」」


 息ぴったりすぎて怖い……!!



 ――かくかくしかじか。


 向かい合うようにソファーに座って、私から言えることは全部話した。
 正面にいる紅羽と、その隣にいる立花くんは、黙って聞いてくれた。

 話し終えると、紅羽が出してくれた麦茶を飲む。

「……つまり、翼は両親の計画につき合わされ、若桜は協力しているということか」
「協力って言うか……無理強いはしないよ。そんなことしたら、お互いストレス溜まるし」

 ストレスは大敵なんだから。怒ることもあまりしたくないし。

「それに聞かされたのは当日……つまり昨日だから、断ることもできなかったし。まぁでも、綾崎くんが限界になったら、ちゃんと帰すから安心して」

 本当に唐突だった。私でも反応に困るほど。
 だけど、綾崎くんを第一に考えている。お客様だし、私の生活に巻き込んじゃったし。
 優先順位はちゃんと決まっているから大丈夫だと思うんだけど……。

「怜、巻き込まれて平気なのか?」
「え? ……逆に私の生活に巻き込んじゃっているのに?」

 紅羽の一言に疑問を持って返す。
 小首を傾げた私に、紅羽はつらそうに眦を下げた。

「……綾崎、ちょっと来て」

 ソファーから立ち上がった紅羽がリビングから出ていく。
 綾崎くんは少し嫌そうだったけど、紅羽の真剣な空気に逆らえずについて行く。

 紅羽、どうしたのかな? 綾崎くんに変なこと言わないといいんだけど……。


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