灰の姿では何も出来ない

※死ネタで暗いです

死んでしまった。私の自慢のルカリオ。
私が産まれた時と同じく彼も(たまごではあったが)産まれた。一緒に育ってきた。アルバムを開けば私の横にはいつもリオルがいた。旅に出てからはいつもルカリオがそばにいた。

ずっと一緒にいれると信じていたのに。

普通に過ごしていたはずなのに、いきなりルカリオが血を吐いた。自慢の毛並みにべっとり真っ赤な血がはりついていた。急いでポケモンセンターへ連れていったけど手後れで。あれだけバトルが強かったルカリオは病気で逝ってしまったのだった。
そして私は、ルカリオの葬式以来部屋から出れないでいる。


「ルカリオ……」

小さなガラスの瓶に入れられた少量の灰。
これが、あのルカリオなの?なんて、信じられない気持ちになった。

触るとピクリと動く耳。バトルでは激烈なパンチを繰り出すけれど、私を抱き締めるときはその力を緩めてくれた腕。柔らかな胸元に耳を寄せればどくどく心臓が動く音がして。
呆れた顔も、笑った顔も何もかも、こんなちっぽけな灰になった。
それでも、ルカリオの死を認めたくなくて私はお墓に全く行っていない。


暖かい日差しを分厚いカーテンで遮断したこの部屋で。私は今日も泣いている。


頼れる相棒のルカリオがいるなら、何も問題無いわ!

過去の自分の発言が頭を巡る。

「もう、私の相棒いなくなっちゃったよお……」

涙が小瓶にこぼれ落ちる。いつも涙を拭ってくれる相棒は灰の姿で小瓶の中で眠っている。