My cats
「……臭い。」
「御免…、シャワー行って来る…」
キースが煙草嫌いなのは知って居る、シャギィを良く思ってないのも知って居る。
「はん、俺よりシャギィか。」
「マットの事でね…」
「マット、か。…子供には勝てんなぁ。」
加えて子供嫌いなのも。
シャギィ以上の阿保は、ワタクシ、ハロルド・ベイリーで御座居ます。
キースよりシャギィの相手、其の理由がマット、御丁寧に俺はシャギィからマーキングされた。キースの嫌いな煙草の匂いを。
「其の服は捨てろ、今直ぐ、だ。袋に詰めろ。もっと云うならシャギィ自体を詰めろ。」
荒く本を閉じ、俺を睨み付ける目に困った顔をして見せた。
「一度に云わないでね、ハニー。」
優しく云うと、キースは唇突き出し外方向いた。
「うん…」
「直ぐ戻るからね、其れ迄寝ちゃ駄目だよ。」
「うん…」
思い出して来た。俺も本能で、此のキースには、鳥が本能で求愛ダンスをする様に、ライオンが下手に出る様に、優しい口調に為るのを。
俺はさっき迄其れは、キースの機嫌を一層損ねない為の“防衛”だと思って居た。
其れが、違った。
「判った、ね…?」
伸ばした腕、手の甲で頬を撫でると「うん」と頷いた。
マーキングとは、良く云ったもの。シャギィのマーキングは刺激に為ったかも知れない。
洗い流して、俺の匂いにし様。
君の主人は一体誰か、キース、其の身体にマーキングしてあげる。
俺のマーキングは、ラベンダーの匂いがする。キースの機嫌が悪いと俺の機嫌も悪く為る、けれど二人で機嫌悪く為ってたら世話無いから、俺は大好きなラベンダーの匂いを全身に纏う。キースの父親がベルガモットをそうする様に、俺はラベンダーを纏う。
だからキースには、ラベンダーの匂いが堪らなく好き。発情期に絶対知る匂い。
「キース…」
「ヘンリー、ヘンリー…愛してる…」
首に絡み付く腕に、俺の髪が絡まる。一寸外して、顔に付けた。此の匂いが一体誰の物か、其の目に教えた。
「指…噛まないで…、ぞくぞくする…」
「気持良いだろ?良く判るよ、凄いもん。発情期様々だよ、本当…」
「え…?」
発情期は、其れが終わるとあっさり何事も無かった様に引く。ぱたんぱたんと、尾を揺らす。
欲求は、常に同じ事の繰り返し。
眠く為ったら寝れば良い。発情したら匂いを辿れば良い。
其れって詰まり、空腹みたい。目の前に大好物があるのに見てるだけ、キースで無くとも拷問だ。
「キース。」
「ん?」
「御免ね、放ったらかして。御腹一杯に為った?」
ぐるぐるぐるぐる。
腹の音では無く喉の音、盛大に鳴ったみたいだ。
「寝る。」
「うん、御休みキース。」
次の発情期迄、ゆっくり御休み、俺の可愛い猫。
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