TRY TO KILL ME


「何で、在の時云わなかったんだ?」

「………何がだ?」

「アルバートが、自ら進んで、捕虜になった、って。」

「……………云った所で…」

「でも、ヘンリーには、アルバートの愛を、伝えられたんじゃないのか?」

「俺が知ってれば、問題無いさ。」

「やあだよ、此奴。弟に迄嫉妬してるよ。」

「嫉妬、かもな。俺が死んでも、ヘンリー、泣いてくれるだろうか。」

「……………ノーコメントで。」

「………」

「御前が泣いて如何すんだよ。」



俺は良いです。
俺が死ぬより、キース兄さんが死ぬ程が、ハロルドには辛い。
屹度、笑顔が消える。
俺に、其れを取り戻す術は判らない。
けど、兄さんなら、出来るでしょう?
だから俺は、貴方を守ります。俺の大事な奴の、大事な人だから。其の為に、海軍に入った。
愛してるよヘンリー、最高の弟だろう?
一生俺を愛してろ。



「御休み、アルバート。」

「ゆっくり寝ろよ。」

「起床は四時だからな。忘れるな。」




*prev|2/2|next#
T-ss