酒と女と、男女心


家に帰った娘は、散々夫に叱られた。見ている彼の方が恐縮し、然し庇う事はしなかった。庇おうものなら、彼迄非難される。結局悪いのは、強要した夫でも無く甘やかす父親でも無く、元帥夫人としての誇りを持たない娘とされた。
此れが、女の生きる道なのだ。
何と不幸な話だろうと彼は思い、矢張り自分は、男子として生きる方が良いのだと、男の顔を薄くさせた。
其れでも、感覚だけは、薄らぐ事は無く、熱い熱い男の舌が這った首筋には、元帥釦があった。




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