さよならが聞こえたのはいつだったのでしょうか?

みんなみんな、私を置いていく。

『じゃーな、冬美。二度と来ねぇよ』
『なんで姉ちゃんが笑ってられるのかわかんない。俺は無理だよ、じゃあね姉ちゃん』


母はいつのまにかいなかった。兄は高校を卒業したと思ったらさっさと手続きしていなくなったし、一つ下の弟もそう。

いつのまにか、この家には三人だけになってた。私たちは、ろくにんかぞくだったはずなのにね。



「大丈夫、お姉ちゃんがいるからね」


多分わかっていないんだろう傷だらけの体を抱き締めた。

本当に、救われていたのは。