手厳しい まずは字あまり字たらず腰折れを
愛すことから始めましょうか

脳という柩《ひつぎ》にぽぽぽいっとな
言葉を放り込んで秋の夜《よ》

呑み込んだ言葉を一番伝えたいのに
消えてしまった I miss ×××

場違いに浮かび上がる、不意に口を吐く
違うのどうして君じゃないのに

生きるにはなんと資格がいるらしい
優しさとどうやら真逆らしいそれは

もういいか 諦めてしまえばいいのに
君の瞳が消えてくれない

消えていく君もわたしも暗闇に
忘れられない科白《ことば》を下さい

“死ぬこと以外かすり傷”って言葉は
そろそろ諺《ことわざ》になって良くない?

鮎のように毒のない味になりたい
別に食べられたくはないけど

叱られてばかりの日常であり
偶《たま》に誰かの夢に逃げたい

唐突に投げ込まれました
中二病の設定わたしはテケテケだって

人間《ひと》らしくなりましたかと訊きたくて
何もかも置いて来た海に

懐かしい本の表紙を撫でる時
走馬灯らしい幻を見る

真っ白な灰になるまで焼き尽くせ
恋の仕方は君が教えた

寂しさを歌ってももう意味がない
底の浅さを知ってしまった

あと丁度5年後に会えるという君に
今日という日を生かされている

歌が絶え紅葉《もみじば》が散り膠《にべ》もなく
飽き尽くしてももう少し秋

他人よりも長い時間をさまよって
わたしはわたしにようやく成《な》った

*†*:..。..。..:*†*:..。..。..:*†*:..。..。..:*†*

やったねとチ・ヨ・コ・レ・イ・トで
振り向けば みんなもういない冬の幻

幸福の王子の本を閉じまして
優しい冬の足音を聞く

寂しいと言わせてみたい幼さで
太陽も月も雲がくれする

生きるのに飽いたかこの酔いだけが甘い
酒月の底流れ着きたる

偽善者と言われても別に構わない
優先順位はもう動かせない

雪の降らぬ寒さを少し馬鹿にして
手袋忘れた朝の後悔

魔法瓶みたいにもらったあたたかさ
大事に持ち歩けたらいいのに

縁側の君に言われたのが最初
雨宿りしていきませんか、と

格好をつけることさえ赦されず
スルメイカ焼く君の傍《そば》にて

迷い蛾のようなこの身だフラフラと
灯かりにつられて何処へでも行く

じゃらじゃらと夜毎飲むこの錠剤が
ゼロになる日を願ってみるか

生きているそれならば良しそれだけで
ん廻しのようなバカ騒ぎしよう

「藍色のボタンを2つ買って来て」
わたしのこの目と取り換えてみたい

側溝の網毎に飲んで吐いた後
そんなにこの世は楽しいですか

欠けていく月が美しすぎるから
あんまり君に見せたくないの

女の子らしい君の弾くアラベスク
今になりその切なさを知る

いつどこで 躓《つまづ》くかだけだ人生は
人より運が良くて悪くて

死ぬことも優しくなるかもしれません
来世、来世と夢を託せば

永遠に尽きることのない楽しみに
沈むこの身をどう恨むべき

口遊《くちずさ》み書いては捨ててまた捨てて
いつになれば詠み終えるのだろう

ありがとうと言いながらこの為体《ていたらく》
甘えてなのか疲れてなのか

心臓も肺も肝臓も膵臓も
全部あげるよ運が良ければ

若いうちならば使いでもあるだろう
徒《いたずら》に生きる今日を許して

笑わせたい、泣きたい
世の中は非情
まるでお手玉 遊ばれている

生きていたい、死にたい
世の中は無常
縄跳びの縄にひかかっただけ

昼下がり 廊下で算数《トランプ》をしていた
あの日差しをまだ覚えています

孤独とは人の傍らに根差すもの
時に人より物が愛しい

懐かしいものにばっかり生かされて
今を見る目が少し曇った

大切な人を守りたい一心で
自粛していた人々はどこへ?

手のひらに縋《すが》ってくる君
こんなにも可愛い命といつかお別れ

灰色のインクがあなたらしいよと
確かにわたしの本音のような

いい人にも悪い人にもなりきれず
腐っていくのは祈りにも似た

驚いた世知辛いこの世の中に
鮫を助ける人もいるのか

暗い狭い檻だけ知っていれば良かった
世界も空の青さも知らず

明るいと赤いはちょっと似てますね
夕焼け小焼けで明日も晴れる

「名乗るほどの者ではないです、さようなら」
然《そ》うして世界を歩けたのなら

手のひらに乗せただけすっと消えていく
雪は何にも期待しないで

優しさの形はそれぞれなんだって
雪の結晶みたいだねって

この静寂すらも愛おしい
君からの贈り物には違いないから

しゃぼん玉みたいな人を見つけたと
その日の日記に書き残してる

重ねても分かり合えない寂しさが
わたしをわたしたらしめている

ぽっかりと胸に開く穴は気のせいで
君がいないからじゃないから

眠れない夜がこうして歌になる
胸の音だけが恋を知ってる

泣きやまない君の泣き声を聞きながら
わたしはようやく息をしている

誕生日だけは空気になりたいな
「おめでとう」から逃げ回りたい

毎年のことです春が来る前に
詩の中でただ一度だけ死のう

冬になら殺されていい木枯らしよ
寒さよもっと斬りつけて来い

触れなければ良かった
溶けてしまうのに
落とす涙と呪う指先

溶けたのは涙
初めて知りました
人の温度とそのあたたかさ

雪よ降れと願い続けて今朝の日本
流石に何も言えなくなった

誰も彼も愛したことがありますと
言えるその身が羨ましくて

誰も彼も愛したことはありません
嘆く言葉ももうなくなった

頬杖で眺めるくらいが丁度いい
触れてはいけない恋の泡沫《うたかた》

今ここで消えて構わない
あの辺の空を流れる雲になりたい

花言葉なんて知らないがあの山茶花《さざんか》は
「私はここにいます」と咲いてた

またいつか「初めまして」から始めましょう
山葡萄 宇宙《そら》を閉じ込めた色

報われぬどう祈ろうと気まぐれな
法《のり》の灯《ともしび》月の満ち欠け

ままならぬ 泣いて笑って怒って泣いて
万華鏡みたいたった百年

短すぎる人生の意味が分かるまで
生きて、死んでを繰り返したい

誰でもいい誰かの心に残りたい
俯かせるのは浅ましさかな

君を批評する気はさらさらありません
だからわたしも放っておいて

「想う」など使えませんこの心では
「思う」すら程遠いかもしれない

嘘吐きの汚名は着ましょう謹《つつし》んで
人生楽しいほうが良いもの

擦り切れて先に心が壊れても
天国には、ああ行けそうもない

着飾ったツリーなんかより
一面の雪の白さをただ眺めたい

ハロウィンにしまい忘れた死神が
ツリーの隣で微笑んでいる

真夜中のこたつを一人占拠する
わたしの城だと言い張ってみる

「嫌われれば、お終い」たったそれだけの
出会いを今日も繰り返してる

早足で影絵のように通り過ぎる
華やいだ街の一部になれやしないで

奪い合えば「足りない」ならば
分け合ってみても 残念「ちょっと足りない」

棘がある、といっても十二月の朝は
柊《ひいらぎ》ほどの人間嫌い

あと幾つ眠ればお正月だっけ?
ここから日付が分からなくなる

何処かから聞こえてくる下手なオカリナが
今ではジブリを吹き鳴らしてる

嬉しくて笑ってしまった
ふともらす一人言にふと君が応えて

取り返しのつかない自分の愚かさも笑え
笑えば強くなるから

詩に文にどこまで滲み出るものか
こんな世の中で笑って欲しい

難しく考えることで生きている
フリをしている青二才です

*†*:..。..。..:*†*:..。..。..:*†*:..。..。..:*†*

朝早く起きても雪の消えた後で
ああああ 畜生また来年か

結末の分からぬ約束その上の
優しさ甘えていいんでしょうか

ただ知人というだけの関係性
味方でもないグレースケール

降り止んでくれるといいなと願います
優しい君には重すぎる雨

ありがとう声の懐かしさに惹かれ
目を開くと散る夢物語

夢なんて見られる人は一握り
だからあなたは頑張ればいい

袋麺の作り方すら知らないで
生きてきました四半世紀を

ため息の重さに人は目を伏せる
“生きていく”ことの本当の意味

諦めた後に見上げた空でした
今更虹のかかる水無月

世界中不幸せな人はいないかと
目を凝らしてる救われたくて

世界中幸せな人はいないかと
目を凝らしてる救われたくて

神様はいないと人は言うけれど
今生きている君が笑った

駆け足で去る年月に目もくれず
あなたはあなたのままでいてくれ

疲れたという宛先もないままに
崩れて眠る午後十一時

ご破算で願いましては
人生のリセットボタンは何処にある

理解などされないだろうそれでいい
ひとりぼっちのこの幸福は

花も絶え紫の野のその端に
寝転がるとき世界を見るか

ふわふわと掴みきれない日常の
降り積もる意味後になり知る

歌ばかり歌っています宛のない
言葉を心に閉じ込めて尚

星明かり夜の散歩の連れはなし
空を見上げりゃそれもいいかな

言えなくて後悔ばかり繰り返し
4月4日のそんな生き方

追い縋る影は花筏伸ばす手に
決して届きはしないと言うに

死の影も月の影ほど薄くなり
真昼の夢は喰われずに済む

寄せて引く波に囚われ見失う
そんな決意を笑わないでね

「あと少し」だと言われると惜しいのです
どんなに辛い日々だとしても

和の文字に映し出される
戦争の影にそうっと息吹きかける

諦めることに慣れすぎておりました
爪の立て方教えて欲しい

感謝などしてもしきれない縁があり
この先ずっと胸に居座る

覚悟しているつもりでもまだ足りない
見過ごした春の桜のように

言葉にはしなくていいのよなんていう
甘えで後悔したくはないな

ルルリララ歌を歌えば昔ほど
恨みはないの ただ溢れ出す

真実を言い当てたことはないという
吟遊詩人の白々しさよ

伝えたい気持ちに貴賤がありますか?
この言葉でいいその言葉でいい

キレイゴトなんて要らない手錠でいい
繋ぎ止めてよこの魂を

死ぬことに死ぬこと以上の価値はない
そう思えたら幸せなのに

言えないありがとうがあります
今日も届けと祈って寝ます

いつだって夕焼けの色が優しくて
時を止めたいこのままずっと

暗い夜心残した君が代が終わる
「終わる」か、それでいいのか

“ 命を飼う ” 断つと同じに罪深い
それでも君に触れてみたくて

溶け合って消えていく過去、今、未来
むせび泣くほど美しい絵画《え》だ

誰にでも頬笑む花だチューリップ
花にすら妬く君の孤独は

理屈など脇に置けたら幸せだ
そう思いつつ後生抱える

助けてと絞り出す声さえ潰し
震えて吐き出す呼吸一つを

勇気とはたった一言言えること
たった一言受け入れること

耳に痛い言葉が薬になりますか?
下手すれば致死と知っているのに

引きずって生きていくのも馬鹿らしい
あの時ああすりゃ良かったなんて

恨みから生まれたものにも胸を張れ
“ 善悪正邪 ” は自分で決めろ

助けてと叫ぶ権利なら捨てた
厚顔無恥さは持ち合わせがない

また明日約束をし忘れていた儚さに
ため息重く夜がまた来る

共感もされずあっさりピンされた
答えが自分自身のような

しがみつく価値があること見せてくれ
こんなに暗いこの世の中に

誰かさんの夢に心を傷めてる
それでも見つめていたい眩しさ

笑ったりするんだこんなわたしでも
見くびらないでね不幸だなんて

正論の響くことのない場所にいて
違う光を探しています

難しい言葉で伝わらないことを
自分自身の言葉に託せ

「あと少し」繰り返される励ましに
フワ、と騙され今を生きてる

歌に酔い文章に酔い君に酔い
死ぬべき時にさっと死ねれば

きっとまだわたしは大丈夫だと思う
他人《ひと》の涙がまだ美しい

ベランダに蓮華草の花一輪
紫《し》の色優しく春の陽に揺れ

息をする生きていくのにこれ以上
必要なことがあるのでしょうか

夢もなく一人で老いて死ぬことの
強さにどうして憧れるのに

理由もなく綺麗だからと付けられた
君の名前が忘れられない

背後から手を掴まれる泣きそうな
「諦めるな」はいつも過去から

永遠を言葉遊びとするならば
あなたと一緒にここで死にたい

褒められる生き方はきっとしていません
それでもわたしは口笛を吹く

勢いの喧嘩を止めてくれたのは
昼間の街に響く歌声

現実を見つめたいのに踏み外す
空と海との境はどこか

瞬きの間に君は掻き消えて
「好きだ」も言えないほどの静寂

涙さえそっと見て見ぬフリをする
懐深い宵の月かな

たった一人の為に歌えたら幸せです
ああ あなたは今どこにいますか

鮮やかな詩を書きたいのに
灰色の文字列ばかりが心を埋める

この精神この声と顔で生きていく
カムフラージュに口紅を引く

楽しみは平日の昼日中《ひるひなか》から寝てるとき
君と一緒に酒を飲むとき

「身体じゃなく心が見えたらいいのにね」
世間知らずの君のため息

平和的ではないこんな虚無感を
喩えられるなら蜘蛛でありたい

社交辞令ぽんと地べたに置きました
今までありがとう世間体優しさ、そして道徳

日常によく似た夢の続きかな
無くしたものばかり並んだ

悲しさの余韻もないの断捨離を
するように人を切ることに慣れ

忘れたい忘れたくないもう三年
経ちますあなたとサヨナラをして

キレイゴト嫌いな君はいつも言う
「祈るだけならタダだからね」と

過去のない人になりたくて故郷《くに》も捨てたのに
未だに過去に支えられてる

下手くそな歌を死ぬまで歌おうか
少しも上達しないと笑って



ここまでお付き合い、ありがとうございます。
 


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