うちは忍者9

とても☆いきなり☆現パロ


ナルト達はカグヤとかいうラスボスと決着をつけて、この戦争はようやく終わりを迎えたらしい。横たわる頭領に柱間が話しに行って、いい感じに丸く収まったのを見届けて、私もフンワリと昇天した。最後に頭領の穏やかな顔が見れて良かった。もう思い残すことは何にも無いと言い切れる。後は行けるかどうか分からない天国でゆっくりするだけだ。

と思った瞬間だった。私は赤ん坊になってワンワン泣いていた。何を言ってるか分からないと思うが、私も分からない。混乱ここに極まれり、である。取り敢えずふにゃふにゃとして力の入らない手足をバタつかせてみた。「お母さん、元気な女の子ですよ」いつの間にか私をタオルで包んで抱いていた知らぬ女の人が言う。いやいや、お姉さん。何を言ってんですか。私は女の子なんて年では無いし、そもそもお母さんなんてとっくの昔に、「こんにちは、私の可愛い子」
あ、こんにちは、お母さん。

信じがたいことだが、私はどうやら転生したらしい。その事実に気付いたのは小学校低学年の頃であった。
それまでずっと、幻術か……と思っていたのだ。しかし、いつまで経ってもチャクラは練れないし、当然というべきか水の上を歩けない。小学校の水泳の授業で意地でも水上を歩いてやろうとして、先生の声を無視して盛大にプールに駆け込んだのは、今となっては良い思い出だ。大きな水飛沫を上げて、私の体はプールの底に沈んだ。
その時の感覚は今でも思い出せる。いうなれば、階段を上がっている時、もう一段あると思っていたのに実はもう最上段で、スカッと空振りして力の行き場がなくなり、うわっとなる。その時の感覚に似ている。言葉でなく心で理解して欲しい。
その後、ものすっごく先生に怒られた。反省しろ、と言われタオルを巻いてプールの端で見学することになり、非常に惨めな気分を味わうことになった。まぁ、それは別に良いとして、私はこの時に、この世界は現実で、私はチャクラも練れなくて、水の上も歩けないのだ、と何故か悟ったのである。



そんなこんなで、私はもう高校ニ年生だ。私の前世からの精神年齢を考えると、大人びてるとか、しっかり者だとか、そういった類の言葉を掛けられても可笑しくないのだが、どうしたことか。一度も言われた事がない。先生達からは早くも問題児のレッテルを貼られている。解せぬ。

「まあ、そりゃそうでしょ。授業中に堅焼きせんべい食べる馬鹿、他に居ないし」
「私の心を読むなよ、イズナ」
「声に出てたよ、バカ」
「いやいやまさか」

隣で私をバカ呼ばわりする男、イズナ。
私の心の中すら見通す優れた眼を持ったうちはの申し子は、相変わらず、かわいい顔して毒舌だった。何の因果か、一年から同じクラス、それどころか今は隣の席という何だかお約束な位置にいる奴。色々あって、今では毎日一緒に帰宅する仲だ。しかし勘違いしないでほしい。我々は、ただ仲良しこよししていると思ったら大間違いな、とってもシビアな仲なのだ。
私には、前世で私よりも早死だった彼を今世では長生きさせたい、という密かな野望がある。野望実現の第一歩として、毎日の下校の際は彼の身辺警護をしているのだ。名付けて「イズナくん一緒に帰りましょ作戦」だ。たまに、うっとおしいと言われるがメゲない。

話は変わるが、この学校に入学してからというもの、前世で縁あった奴らとのエンカウント率が半端ない。とは言っても、多くは身内である。イズナを皮切りに、芋づる式のような形でうちはの人たちと出会った。これは、喜ばしいことだ。
稀に、向こうが私を覚えていても、私はあまり覚えていない。そんなパターンがある。
この間も、街中を歩いてたら、後ろから眉無しちょび髭の怪しい男と顔中に包帯巻いたこれまた怪しい男に声を掛けられた。ヤバいやつらだと思って直ぐ逃げた。今思い返せばあの男たち、知り合いかもしれない。どことなく見覚えのあるちょび髭と包帯だった。あの時は不審者としか思えなかったけど。
これは、まだ良い。正直、絶対に会いたくない奴が、少なくとも一人、いるのだ。
おっと、あいつのことを考えると頭が痛くなる。考えるのはよそう。

「あ、そう言えば。今日だっけ、教育実習生が来るのって」

ぽつりとイズナが呟いた。
へえ、と適当な相槌を打ちながら、私は今度は頭が痛くならない別のことを考えていた。
今日はお勉強の日だ。即ち、今世においてはうちはの頭領でも何でもない我らがラスボス系男子マダラくんがウチに来る日だ。大学四年生で早くも就職決まってる(暇なのかもしれない)マダラくんは、よく私の勉強をみてくれる。いわば無償の家庭教師である。私がマダラ先生と呼ぶととても照れる。何故だ。問題が正解でも不正解でも、質のいい煎餅をくれる。神かよ。最近兄に対してちょっと反抗期疑惑の有るイズナくんは、誘っても参加してくれない。せんべ、……マダラ先生を独り占め出来るので、悪くはないけど。

「何一人でニヤついてんの? 怖いんだけど」
「ふ、愚かなる(マダラくんの)弟よ……。今晩は(お兄さんに)お世話になります」
「はあ? ……あ、せんせー来た」

ガララ、と先生が入ってきて、何とは無しに扉に注目した。すると、先生の後ろからとても見覚えのある銀髪、或いは白髪? が現れた。何にせよ、卑劣なまでに色素の薄い髪。おい。おいおい、嘘だろ。ああ神様、私がそんなにお嫌いか。鋭い赤い目がチラッと見えた瞬間、私は顔を伏せた。いま目が合った!伏せた拍子に頭を打った。痛い。隣でイズナがマジか……と声を漏らした。ついでに殺気も漏れている。顔を上げられない。
何故私は一番前の席なのだ。

「今日からこのクラスの数学を担当することになった千手扉間です。よろしくお願いします」

私の一番苦手な科目ですか、そうですか。
やけに視線を感じるのは、気の所為だと思いたい。

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