「それで、それで?」
ライチグレープフルーツをジュースみたいに飲むゆき乃さんの目がちょっと据わってきたのが分かった。
ゆき乃さんの視線の先、ちょっと照れ臭そうに笑うのはゆき乃さんと同期のえみさん。
ゆるふわパーマのゆき乃さんと変わって、サラサラショートのえみさんはあたし達三人の中でも断トツ、オトナ女子だった。
二人とも全然違うタイプだけれど、どちらもあたしにとっては憧れの存在。
この二人についていけば間違いないって思えるそんな素敵な存在だった。
彼氏持ちのえみさんは、絶賛彼氏のじろ(健二郎)さんと同棲中。
なんだけど、飲み始めて早二時間。等々えみさんが吐いたのは、胃の中身…ではなく、浮気が発覚したとの事。
じろさん許せない!こんないい女がいて浮気するなんて!!
思いっきり引っぱたいてやろーと思ったあたしに飛び込んだ言葉それは…―――――「岩ちゃんとホテルいっちゃったの。」…はて?聞き間違いか?
だってえみさんはじろさんとラブラブで…
脳内を酒なのか疑問なのかがグルグル回っている。
隣のゆき乃さんは据わっていた目をランランと輝かせてえみさんを煽っている。
てことはあれか?聞き間違いじゃなかったってことか?
「それでって、ゆき乃。」
苦笑いしながらも煙草に火をつけたえみさんは、煙がこっちにこないように器用に口を曲げて横に吐き出した。
「まぁ、よかった。」
「マジかァ!!!すげーえみ!いいなぁ岩ちゃん。わたしも食したいわぁ!ね、どーだった?相性!健ちゃんより岩ちゃん?てか岩ちゃんめっちゃがっつきそうだよねぇ!」
普通の友達なら浮気を喜ばないと思うけど、なんて思いながらもえみさんが傷つかないならいいか!なんてあたしまで思っている。