【side 美月】
「で、どうしろと?」
えみさんに社会勉強と言われ、ゆき乃さんには存在をスルーされ、この天パの少年とラブホに入ったはいいが。
「美月さんシャワー一緒に入ってもいい?」
きゃんきゃん尻尾振ってるの?てか、耳ついてそう。
え?どーすりゃいいの?何が正解!?
とりあえず澤本くんのとこで何話したのか思い出そう!
【若くて年下の可愛いオスと交わりたいなぁ。落ちてないかなぁ…】
【若い子はいいよ!なんかね、全然違う!やり方。】
【できれば美顔のイケメンがいいなぁ。コロコロしたい手の平の上で…。】
ダメだ、下ネタしか出てこない。
でもえみさんもゆき乃さんもGOサイン出てたからいくべき?
それともこんな行きずりは無し!?
「ぷ、百面相。ねぇ美月さん、髪…綺麗だね。」
目の前、あたしの髪をサラりと指ですく慧人くん。
それがあまりに綺麗で思わずゴクリと生唾を飲み込みたくなったなんて。
「夏輝くんのとこで飲んでるの、密かに見てたんだぁ僕。美月さん可愛いなぁって。ダメ元で追いかけて来てよかった。」
「…見てたの?」
「そう。堀夏くんと一緒に。」
「…気づかなかった。」
「うん。えみさんと岩ちゃんの話に夢中だったから。僕ら結構頻繁にあの店顔出てるのに、美月さん全然気づかないんだもん。」
「知らない、そんなの、」
「もう覚えたでしょ?」
一歩近づく慧人くんは年下癖に色気を存分に撒いていて、その緩るパーマにそっと触れると吃驚するくらい力強く抱きしめられた。
バクバク心臓が音を立てている。
ヤバい、オトコに抱きしめられるのなんていつぶり!?
なんて思ったのは一瞬で、「こっち見て、」若くて可愛くて美顔で年下のオスに捕らえられたあたしは瞬きすらできない。
見つめる瞳をゆっくりと近づけて、柔らかい唇が迷いなく重なったんだ。