【side えみ】
「ゆき乃さんと美月にバレた?先に言った?」
「岩ちゃん来る前に言った。」
「健二郎さんには?」
「言えないよ、それ!意地悪!」
「はは、ごめんごめん。わざと困らせた、」
「え?」
「困ったえみの顔が急に見たくなったんだ。」
…健ちゃんはこういう甘い台詞は言わない。
いつもわりとギャグに持っていくから。
それはきっと健ちゃんなりの照れ隠しなんだって分かってる。
だからそんなおふざけも心地が良かった。
でも…――――「ごめん、限界。こっちきて、」ベッドの上、岩ちゃんに組み伏せられて励ましいキス。
このキスがたまらなく刺激的で癖になる。
わるいことしてるって分かってる。
さすがに馬鹿だな…って。
でも岩ちゃんを前にすると全部のセーブができなくなる。
どうしようもなく岩ちゃんが欲しくなるんだ。
愛してるのは健ちゃんだけなのに。
目を閉じて健ちゃんを思い浮かべるなんて事はできないから、ただずっと岩ちゃんを見上げている私。
始まってしまったこの関係を終わりにする気はさらさらないのに、それでも愛してるのは健ちゃんだけ。
矛盾しているのも分かってるけど、健ちゃん以外との未来は描けない。
そんな大切な存在なのに、どうして今、私はこうしてベッドの上、産まれたての姿で岩ちゃんと肌を重ね合わせているんだろうか。
「えみさん、俺に集中してよ、」
息荒々しく私の中に埋まった岩ちゃんは、私の両足を引っ張って自分の太腿に乗せるとそのまま覆いかぶさって腰を打ち付けた。
奥まで入ってそれがたまらなく気持ちいい。
「剛典ッ…」
やっぱり岩ちゃんのセックスは壊れそう。