「バレンタイン、どうしよう…。」
2月14日を翌日に控えた今日、仕事も終わりかけたトワイライト。どこまで買えばいいのか迷うなぁ。
喫煙スペースで煙草を吸っていたら涙目のマイコがバタンと入ってきた。
「ゆき乃さん、どうしよう!」
ぷ。思ったこと全部口に出ちゃうマイコはある意味素直で可愛い。樹と同じRAMPAGEの慎と壱馬を二股かけているマイコは縋るように私の腕を掴んだんだ。
「どーしたの?」
「明日、慎くんと壱馬くん、二人に誘われた!どどどどーしよう。二人ともチョコ期待してるって言うの!ゆき乃さんも両方渡すの?」
両方って言葉に苦笑いしつつ首を傾げた。直人からは相変わらず連絡はなし。樹はきっとダメと言っても家に押しかけてきそう。
「どーだろ。適当。でもチョコ欲しいから買いに行こうかな。マイコも行く?」
「あ、行きます!待って仕事片付けてくる!」
くるりと反転してすぐに出て行くマイコを見送って喫煙室から出ると、自販機の前にRAMPAGE御一行様の姿。
「プロテインも自販に入れる?」
後から声をかけると笑顔で振り返ったのは樹。そんな樹をポカッて軽く叩くのは北ちゃん。その後小さく「反応しすぎ!」唯一樹の気持ちを知っている北ちゃんは私と樹を見ても動揺一つしない地味に大人びた性格だと思う。
「ゆき乃さんもう帰るんですか?」
「うん。マイコと一緒にチョコ買いに行く。」
「え、オレら貰える?」
「マイコさん?」
それぞれ反応しているのが可笑しくて。言っちゃったからには16人にもあげないとダメじゃないかー。
「それって本命ですか?」
わざとらしく樹が聞けないことを北ちゃんが私に向かって聞くから、ニコッと笑って「義理に決まってるでしょう。」ピクリと樹の眉毛が動いたんだ。さも残念そうな顔で。これだから若い子は困る。