ヒマワリ7


生放送を終えたEXILEメンバー御一行と共に、大樹と世界も戻ってくる。


「なっちゃん大丈夫でしたか?」


心配なのはやっぱり夏喜だったみたいで。私は「うん。」って頷く。視線の先の夏喜は、安らかに眠いっている翔太を見てまた止まらぬ涙を流している。だけどさっきの一件で、心の中にあった闇はほんの少し晴れているようにも思えた。


「うん、あのね。勇征が…、」


私は先ほどの出来事をこと細かく2人に話した。ちょっとだけ吃驚した顔を見せる2人に小さく微笑む。


「とりあえずは大丈夫そうだよ。私の出る幕なかったけど。」
「いや、俺達に必要です。これからもよろしくお願いします。」


丁寧に頭を下げる2人に私も小さく頭を下げた。


いくつになっても大事な人の死は悲しく辛いものだ。死を迎えた時にその人が生前どう生きていたのかが分かるような気もする。

翔太は本当に沢山の人に愛されていたんだと改めて思う。その眩しいくらいの笑顔でこの先の人生も生き続けてほしいという願いは残念ながら叶わぬものとなった。だけれど、その想いを、遺志を継ぐものがここには沢山いるんだと。翔太が見たかった景色、やりたかったこと、叶えたかった夢…全てを受けとめて、翔太の魂と一緒に歩いていけるこの8人を、私はこれから先もずっと見続けるんだろうって…。

人は決して一人では生きてはいけない。一人で越えられない壁は、みんなで崩せばいい。一人でいられない夜は、みんなで過ごせばいい。一人で抱えきれない闇は、みんなで壊せばいい。そうやって支え合って生きていくんだと。

目には見えなくても、形には残らなくても、翔太はこれからもずっとこの子達と一緒に、生き続けるんだって…


翌日、FANTASTICSのたった舞台の上、ピンク色の空が広がっていて、そこに翔太もいるんだって思えた。
立派にパフォーマンスを終えたみんなは、そのまま移動の為にエレベーターに乗り込む。ふと私の隣、勇征がそっと手を握った。メンバーみんないるからちょっと後ろに隠したままギュっと握る手は温かくて大きい。そのままゆっくりと指を絡めるとゴクって唾を飲みこむ勇征。

だけど、エレベーターを降りた後、真っ赤になったのは私の方で。こんな風に手を握っただけであり得ないくらいに胸が脈打ったのは…――――他の誰でもない、八木勇征だけだ。



NEXT...





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