素敵な上司C



「ゆき乃、頼む、出ちまうッ、」


苦し紛れにそう言った実弥さんは、その後腰をぶるぶると震わせながら「ハァッ、」大きな声を上げると、口の中にドロリとした無味無臭のなんともいえない液体が放出された。
呼吸を繰り返しながらも枕元のティッシュを取って「出せェ」そう言ってくれるけれど、それを断ってゴクリと飲み込んだ。


「馬鹿がァ、可愛いことしてんな、まじで。」


実弥さんの馬鹿は、照れ隠しだって分かったから心地よい。
味のないソレは言っちゃえば不味い。
でもそれが自分の愛撫でイかせた実弥さんのものだと思うと、美味なんだとも思えるなんて。


「ふふ、飲みました!全部!」
「お前、そんな事して分かってんだろなァ?」
「なにが?」
「俺の番だっつーの。」


今の今まで息切れしていたはずの実弥さんはもう元気で、私をちょっと強引に押し倒して組み敷く。
胸を弄りながらも蕩けそうなキスをして、全身に舌を絡ませるように身体のありとあらゆる場所にちゅとキスをふらせる。
クルリと身体を反転させた実弥さんは、私の背中に舌をツーっと這わせて、じゅじゅっと吸い上げられる。


「アアンッ、そこダメっ、」


背中なんて舐められた事ないよぉ、私!


「なんだァ、気持ちいいのか?」


ニヤリと微笑んだであろう実弥さんは、私を四つん這いにさせるとまさかの後ろからそこに舌を突っ込んでズルズルと吸い上げたんだ。
途端に身体中に快感が走って力が抜ける。
でもお尻を実弥さんが持ち上げているから突き出すような格好でめちゃくちゃ恥ずかしい。
それでも止めることなく後ろから子宮の中を舐める実弥さんは絶対にドエスだと思った。


「すげぇ音だなァ、」


指を出し入れすると響く水音にカァっと顔が熱くなる。
だけど次の瞬間、実弥さんが腰を立たせて後ろからそこに自身を宛がった。


「気持ちいいなら後ろから挿れてやらァ」


グッとお尻を持ってゆっくりと奥に奥にと挿れこんだ。
正常位じゃないからか、普段気持ちいいって思う場所がより多くて、快感が止まらない。
顔が見えないからバックなんて好きじゃないって思っていたけれど、この気持ち良さったらないっ!


「アンッ、イヤッ、アッアッ、」


声が我慢できなくて、口元を抑えると「いいからそのまま我慢すんなァ」って実弥さんがギリギリまで引き抜いて、出ちゃう寸前で奥まで突っ込んでくる。
それを何度も繰り返すから子宮の中がもう痙攣しそうで、「あ、イッちゃっ、」上り詰めるような快感が身体中を突き上げてきて、覆い被さるように実弥さんが背中に身体を埋めて胸をガッて掴まれてその快感が絶頂を迎えた。
あまりに一気に昇天して、呼吸をする事すら苦しい。
こんなに激しいセックスはした事がない。


「もう、ずるいですっ!!」
「あ?なにがだ?」
「実弥さん!カッコよくて仕事ができて、えっちもうまくて、ずるいっ!」


ゴロンと仰向けで寝っ転がる私の頭をクシャッと撫でると、ベッド脇に置いた煙草を咥えた。
カチッとジッポで火をつけて肺に煙を吸い込む仕草すらかっこよくて。


「あたりめぇだろ。だがな、全部お前のもんだ、ゆき乃。好きにしろよ、俺の身も心も。全部ゆき乃にくれてやらァ!」


目を細めて笑う実弥さんに抱きついて「じゃあもう一度抱いて?」そう言うと「仕方ねぇなァ、」満更じゃないって顔で煙草を潰した。




-fin-

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