大事にしたくてB



「えっ、待って、ゆき乃ちゃん、あの、」

パクパク金魚みたいに口を動かす善逸が言おうとしていることはなんとなく分かる。
だって私のそこは、自分でも分かるくらいじわりとしているに違いない。

「…濡れてる。」
「言わないでよ、恥ずかしい。」
「わ、ごめん!なんか感動っていうか、ミラクルっていうか、だって俺の愛撫、気持ちよかったってことでしょ?」

物凄い期待の目で見てくる善逸の頬を掴む。

「リアルタイムで気持ちいいの。」
「ふはっ!!最高だ!!!」

さっきまでのオロオロした善逸がまた少し脱皮したのか、指をソコに入れ込んだ。
水音が善逸の部屋に響き渡っていて、自分でもどうにかなっちゃいそうなくらい快感が押し寄せてくる。
指を中でかき混ぜながら、胸の突起を舌で転がす善逸の金色の髪をそっと撫でると、鎖骨の辺りを少し強めに吸いつかれて。

「俺だけのゆき乃ちゃんって印、付けちゃった!ねぇ後で俺にも付けてよ??ゆき乃ちゃんだけの俺って印!」

嬉しそうに笑う善逸に私まで嬉しくなって頷くと、スッと身体を起こしてスラックスを脱ぎ捨てた。同時にワイシャツも脱ぐと、剣道部で鍛えた見事な腹筋が顔を出した。
寝転がっている私に背を向けたままの善逸。
ゴムを装着している善逸の背中に触れるとビクッと震えてこちらを振り返る。

「もう、煽らないの!」

そう言って笑いながら私の身体に乗っかってきてそのまま腕を拘束されてキスが降りてきた。
舌で口内を舐めとられて半開きの口から垂れそうな涎を善逸がジュルリと吸い上げた。
ペロリと舌を舐める善逸がめちゃくちゃエロくてカッコよくて、トクンとまた胸が大きく高鳴った。

「それじゃあ、挿れるよ。」
「ン、」
「力、抜いてね。」
「うん。」

自分のを手で持ちながら軽く先端を子宮の入口に宛てがう善逸はちょっと可愛い。
下から見上げる善逸はちょっと可愛い。
今から善逸と一つになれると思うと自然と胸が熱くなった。

ヌルりとした壁を擦って最奥へと挿れこんだ善逸が大きく息を吐いて私を見つめる。
頬に手を添えてニッコリ微笑むと小さく言った。

「やっと繋がれた。ゆき乃ちゃんと一つになれた。俺幸せ過ぎて死にそう。このまま時が止まっても構わないよ。」

きっとね、ロマンティックな事を言ってるのかもしれない。汗ばんだ善逸の背中に回していた腕でキュッと抱きつくと「や、柔らかいいい。」って呻く。

「善逸、好き。」

気持ちを伝えるのに、好きって言葉以外に何があるだろうか?って考えたの。ドラマや映画みたいに愛してるとかってまだ高校生の私たちには違うものかとも思う。そしたらこの好きって二文字がとてつもなく私の善逸への想いにマッチしていて、それを何度となく伝えたくなったんだ。

「俺のが好きだよおおおおおお!!」
「ふふ、嬉しい。」
「…愛してるよ。」

え?
ぱちくり瞬きをする私のコメカミにちゅって小さなキスを落とした善逸は、ゆっくりと腰を動かして律動を始める。

ずるいなぁ、不意打ちとか。
愛してるなんて早い…って思ってた私が子供みたいじゃない。

「私のが愛してる、善逸の事。」

ちょっと悔しいからそう言ったら、途端に眼球まん丸く見開いて「ちょっと、待ってよおおおおっ、ンアッ、クッ…」…フルフルとお尻を震わせて止まった善逸。

「善逸?」
「イッた。実は挿いった瞬間から気持ち良すぎてイキそうだったの俺!でもでも早漏な俺なんてきっとゆき乃ちゃん望んでないでしょ?だから頑張ったのよ、これでも俺。でもさぁ、でもさぁ、今のは反則!!そんな嬉しい事言われたら無理でしょ!そりゃイクでしょ、もううう!!!」

あ、ありゃりゃ。
スッと私の中から取り出すちょっと萎んだ善逸のソレにブハッて吹き出した。

「おっかしいなぁ、俺がバッチリ決めるつもりだったのに、なんかダサくない?俺、カッコ悪くない?ねえ、ゆき乃ちゃん、俺のこと、嫌いになったりしないよね??」

涙ポロポロ流しながら私の胸に顔を埋める善逸にクスリと笑う。
どんな善逸でも嫌いになんてなれる訳ないんだよ。
心底善逸の事が好きで愛してるんだもの。

「ならないよっ。」
「よかったあああ!じゃあさ、じゃあさ、もう一回シてもいい?」

目をランランとさせて私に抱きつく善逸に、分かりきった答えを届けた。




-fin-

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