大事にしたくてA



善逸の部屋に入るとおもむろに机の引き出しから0.02ミリと書かれたシルバーボックスを取り出した。
あからさまに見せる人も珍しいけどそれが嘘のない善逸らしくてちょっと可愛い。


「えっと、いくよ?大丈夫?」


そう言う善逸の方がどちらかというと震えているのがまた可愛くて、それでも私はまたコクリと一つ頷いた。

ベッドの上に押し倒されて善逸が私の顔の横に手を着く。見上げた先、天井との間にいる善逸は頬が紅く高揚しているのが分かる。
健康なる高校男児であろう善逸。男より遥かに女が好きな善逸。弱くて泣き虫な善逸。
でも、好き。そんな所も全てを愛しく思えるのは、これから先も全然ただ一人であって欲しい。

「善逸、好き。」
「やだ俺、泣きそう!!ゆき乃ちゃん、あのこれ脱がせてもいい?」

一生懸命リードしてくれる善逸の手が震えていて、男なのに緊張してるの?なんて思った私に、「心臓が口から飛び出しそう、」白目向きそうな善逸にギュッと下から抱きついた。

「え、ゆき乃ちゃん?」
「聞こえるでしょ?私の音。私も緊張してる。でもずっと待ってたの、善逸とこうやって愛を確かめ合えること。」

トクン、トクンだった音が、ドドドドドドッ…と激しく脈打つ。
感情の音なんて聞こえなくても分かる、善逸の心の中なんて。
ぶわって、目にいっぱい涙を溜めて、それでも泣くもんか!って我慢している善逸がどうしようもなく好きで好きで私まで泣きそうになった。

「ぉぉおおおおお俺、大事でゆき乃ちゃんのこと。めちゃくちゃ大事にしたくて。本当はすげぇヤりたかったんだけど、俺初めてだし、もし嫌われちゃったらどうしよう?って考えたらなんにもできなくて。絶対絶対ゆき乃ちゃんしかいないの、俺には。だから…シてもいい?俺、ゆき乃ちゃんの未来も全部俺に預けてくれると嬉しいって思ってて。めちゃくちゃ大好きだよ、ゆき乃ちゃん。」

口下手なんかじゃないのに、恋愛下手なのかもしれない善逸の言葉にふわりと微笑んで「ちゃんと善逸の彼女にして。」そう言うと照れくさそうに笑って唇を寄せた。

軽く触れたそれはすぐに離れてまたくっつく。
ちゅ、って軽く音を立てて重なる唇に胸がトクトク音を立てる。若干の物足りなさを覚えたと思ったら、ニュルリと遠慮がちに入り込む善逸の柔らかい舌に心臓がキュっと掴まれたようだった。

「ンっ、」

小さくもれた声に善逸の腕が私の制服のボタンを一つ一つ外していく。
紺色のニットの下、白のブラウスの前がはだけると善逸が大きく目を見開いてニットを優しく脱がせてくれた。

「か、可愛いブラだね。ゆき乃ちゃんぽくて。でもこれ、外すよ?」

今だに緊張している善逸の震える手。それでもしっかりと先に進んでいく善逸に身を任せる。
ブラを外した善逸はポロリと涙を流して「き、綺麗だよ、ゆき乃ちゃん。」優しく胸に触れた。

「うおっ、や、柔らけえええ、やべぇ俺。マジやべぇ!!!!」

ちょっと興奮気味にそう言うとチラリと視線を向けて「な、舐めても?」小さく聞くからコクっと頷く。
自分で聞いたくせに恥ずかしそうに真っ赤になるも、舌を伸ばして胸の突起にチュッと吸い付くと、スイッチが入ったのか、そのまま反対側の胸を揉みながら舌での愛撫が激しくなった。
途端に身体を走る快感に自然と腰が浮く。
それを分かってか、善逸の手もゆっくりと太腿を通って、チェックのスカートの中、下着の上からソコに触れた。

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