優しく抱き潰してC



「わー見て見て、めっちゃでっかいベッド!!これなら実弥の寝相が悪くても落ちないね。」
「悪くねェぞ。風呂ためる、一緒に入るかァ?」
「え?うん!入りたい!」

がっつきもせず私をベッドに座らせると自分は颯爽とお風呂を入れに行った。
高校生の時に当時の彼氏とラブホに入った事は何度かあった。だから初めてじゃない。実弥もきっと私以外の女と入った事があるんだって思うと、胸が張り裂けそうになるけど。自分を棚に上げて何を思っているんだろう?って。でもやっぱりイヤ。無理でもなんでも実弥の過去も未来も私だけの物にしたいなんて。
とことこバスルームに歩いていくと実弥がいて、その背中にギュッと抱きついた。

「なんだよ?」
「…好き。大好き…。」
「甘えてんのかァ?」
「うん。でも実弥も甘えていいよ。私が受け止める。」

私の前では何も我慢しなくていい。喜怒哀楽をもっと見せて欲しい。そうじゃなきゃ実弥と付き合っている意味が無い。
なんでも言い合える仲でありたい。

「そんなヤワじゃねぇよ。…ゆき乃、こっち向け。」

実弥のお腹に回していた腕を引っ張られるとそのまま頭の上で片手で掴まれて壁にトンと押し当てられた。
反対側の手で優しく頬を撫でる実弥に胸がキュンとする。

「好き。」

何度となく出てきてしまう実弥への愛に実弥が嬉しそうに微笑んだ。

「ほんっとお前は可愛いな、」
「え?」
「…俺もめっちゃくちゃ好きだ。」

愛を返して貰えると泣きたくなるんだって知った。
感情が一気に溢れて涙に変わって頬を伝う。ポロポロ涙を零す私を見て実弥がちょっとだけ眉毛を下げた。

「違うのこれは、嬉し涙…。嬉しいんだもん、実弥が好きって言ってくれて…嬉しくて胸があったかくて、心が震えてる。」

涙で濡れた頬に手を添えてそのまま顔を寄せる実弥の腰にやんわりと腕をかけた。
優しいキスがだんだんと深くなっていく。
実弥の呼吸に合わせて舌を絡ませるとグイッと腰に腕を回して抱き上げられる。
洗面台の上に乗せられてそのまま足に舌を這わせる実弥が妖艶すぎて頭がおかしくなりそう。
肩で大きく呼吸を繰り返す私のそこに実弥が躊躇なく指を押し入れた。


「なんだァこれはァ、」
「やっ、だって、」
「どうされたいか言ってみろよ。」

ちょっとだけ悪戯っ子みたいな顔でニヤリと口端を緩めた実弥を見下ろす格好で。肩に腕をかけてキスをねだるとちゃんと答えてくれる。

「ゆき乃、」
「んぅ、触って…」
「それだけでいいのかァ?」

笑っている実弥に「意地悪、」小さく言うと「苛めたくなっちまうんだよ、愛おしくて…」…心臓が持たないよ。

今日の実弥は甘すぎる。

私は自ら足を開いてそこに実弥の手を宛がって小さく言った。

「舐めて。」
「仕方ねぇなァ!」

嬉しそうっていうか、楽しそうに口角を上げてそこに顔を寄せた実弥が、一気に下着を剥ぎ取った。
そのまま迷うことなくそこに舌を入れ込む実弥の頭にやんわりと触れる。
ジュルジュル…って音を立てて奥まで吸い上げる実弥が時折息を吐き出すからそれが子宮付近にかかってこそばゆい。
堪えていても漏れてしまう甘い吐息に実弥の舌がより一層勢いを増す。

「アッ、ンアッ、実弥ィッ、やん、イキそッ、」

身体の芯まで熱くなって快感が押し寄せてくるのが分かる。執拗に攻める実弥の舌にあわせて、指で顔を出しているだろう突起を擦られて頭の中が真っ白になった。

「アアアアアッ!!!」

ビクビクビクって身体が震えて涙が零れた。肩で大きく呼吸を繰り返す私に、実弥がゆっくりと服を脱がせていく。

「いい眺めだなァ。」

全裸の私を見て満足気に笑う実弥のシャツも私がゆるゆると脱がせる。
ベルトを外してジーンズを足から抜くとCKのボクサーパンツが顔を出す。その中、モリッとしているソレに手を這わすとパンパンに硬くなっていて。

「なんだよォ、」

目を逸らす実弥にイシシシシ〜と笑ってCKパンツを脱がせた。
途端にぴょこんと顔を出した実弥のソレを指で掴むと「クッ、」小さく息を漏らす。

「めっちゃ元気!」
「ったりめぇだ。ゆき乃目の前にして勃たねェわけねぇだろ。」
「挿れたい?」
「そりゃなァ。」
「じゃあきて、」

実弥の手を引いてシャワールームに入って上からぬるま湯を垂らす。その下、壁に背をつけた私の片足を持ち上げて、そこに宛がった実弥は、次の瞬間勢いよく奥まで挿入してきた。

「クソッ、めちゃくちゃ気持ちいいぜェ。」

目を細めてそう言うとゆっくりと律動を始めた。
実弥の首に腕を掛けて捕まりながら動きを合わせる私に実弥の頬から汗が垂れ落ちた。
それがすごくセクシーでそれだけで泣きそうになるなんて。

「実弥ッ、」
「どした?」
「好き。大好き。」
「知ってらァ、」
「そこは俺も…じゃやないのぉ?」
「ッハ!ばーか、簡単に言うかァ!」
「ンッ、ずるいっ、私ばっか好きぃッ、」
「んなことねぇよ。安心しろォ。」

ググっと引き抜かれたソレを実弥が奥まで突き上げる。
言葉を発するのも億劫なくらい実弥が律動をを早めるからもう悲鳴状態でただしがみついている。

「先にイッてもいいか?」
「ンッ、いいよ、」

ダンと壁に手を着くと、私の足を持ち上げる腕に力を込める。実弥の首と腰に腕を回して下から突き上げる実弥を受け止める。
耳元でハァハァ呼吸を荒がせる実弥が愛おしくて、絶頂が近づいているのが分かる。

「ンッ、気持ちいいッ、」
「俺もッ、…ーーッ、」

お尻がプルプル震える実弥がギュウっと私を抱きしめた。
絶頂の後の実弥は妖艶で綺麗で、最高にカッコイイ。
絶対の絶対に、誰にも知られたくないよ、こんな実弥は。
実弥の温もりを感じながら、「一緒に住んだら毎日私を抱く?」冗談で聞いたの。
セックス目的の同棲なんかじゃないけれど、実弥に愛される事は嬉しいし、女だってしたい時は十二分にある。

「なんだァ?今から誘ってんのかァ?」
「違うもん、」
「なら覚悟しとけぇ!毎晩壊れるくれぇ、抱いてやるから。」

ポンって頭を優しく撫でる実弥は、今夜も私を抱き潰すかのように、微笑んだ。



-fin-

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