甘く抱いて離さないでD



11月29日。
実弥の生まれた大事な日。

先日、マスターから貰い受けた鍵をバッグに忍ばせて私は不死川邸で玄弥くんや弟、妹さんと一緒に実弥のお誕生日をお祝いした。
みんなが寝静まった後、実弥のお母さんは急患が入って仕方なく職場へと行ってしまった。

「ゆき乃、ちょっとこっち来い。」

洗い物を終えて私の手作りおはぎもたらふく食べた実弥がちょっと眠そうな顔で手招きしている。
ソファーの上で大股開いて座っていた実弥の横にちょこんと座るとすぐに肩に腕を回させてそのまま顔を寄せる。覗き込むような仕草で頬に触れた実弥が迷うことなく唇を重ねる。

「ンッ、実弥っ、」

小さく声を漏らすと実弥がそっと唇を離して両頬を大きな手で包み込んだ。そのまま少し赤い顔でコツンとおデコをくっつけると、吐息のかかる至近距離で甘く囁いたんだ。

「風呂、一緒にはいろうぜ。」






実弥に背を向けて湯船に一緒に浸かっている。ギュッと後ろから私を抱きしめる実弥にすっぽりと全身包み込まれている私はそれだけで逆上せそうで。時折実弥がチュって小さなキスを肩や耳に落とすからこんな時だけれど、子宮が熱くなっているのが分かった。
チャポンと湯煎を手で救ってはツーっと下に落とす。

「今日はありがとな、ゆき乃。」
「え?」
「…自分が生まれてきた事になんの意味もねぇと思って今まできたけど、お前の前では俺も生きる意味があんだなァって思えんだァ。」

珍しく嬉しそうな声色に私まで嬉しくなる。

「そんなの、当たり前だよ。実弥がいなきゃ私生きてなんていけないよ!実弥を愛することが、私の生きる意味だって思ってる。」

そこまで言ってくるりと向きを変えた私は正面から実弥にギュッと抱きついた。

「離さないで、私の事。」
「離さねぇよ。」
「私も離さないから、実弥の事。」
「あァ、絶対ぇ離すんじゃねぇぞ?」
「…好き。大好き。…ーー愛してる。」
「たく、我慢きかなくなんだろ。こんな狭いとこで、煽ってんなァ、馬鹿がァ。」

そう言って笑った実弥は、ここがお風呂場で狭くて、深夜で家族みんな寝てるけど声が出せないって分かっていながら、私に容赦なく触れてくる。
ポチャンて水音に混ざって実弥の指が私の子宮の奥に届くと身体が浮くような快感が走って思わず口から声が漏れる。
高速で中を掻き混ぜる実弥の指と、胸の突起を舌で転がす実弥の唇が私の脳を痺れさせる。

「ンッ、ハァッ、」

手で口元を押さえていても漏れてしまう吐息に実弥は気にすることなく私の身体を愛撫していく。
チロチロと胸の突起を舌で転がしてチュウッと吸いつかれてキュンと子宮の中が圧迫される。同時に実弥の指がまた奥の壁を擦って中が引きつけを起こした。
ガクガクと腰を揺らす私を見た実弥が「イッたか?」小さく聞いた。

「ン。気持ちいい。もっとして、もっと、もっと、」

私を湯船の縁に座らせた実弥は、その足を開くとそこに顔を埋めて舌を入れ込んだ。
イッたばかりの子宮にまた新たな快感が入混ざってなんともいえぬ感覚が身体中を突き抜ける。
ズズって中の蜜を吸い上げる実弥の柔らかい髪をやんわりと撫でると実弥がキュッと指をとって自分のと絡めた。
ほんのちょっとの刺激でもすぐにでも達してしまいそうな自分に耐えつつ上から見下ろす実弥も可愛いなんて思った。

「なんか甘めぇな、ここ。」

ちゅうってまた実弥が蜜を吸い上げると、奥が締まってまた子宮の中が圧迫してイッてしまった。
肩で大きく呼吸を繰り返す私の所まで立ち上がった実弥はそのまま舌で唇を縁取ると、ちゅっと甘いキスを何度となく繰り返す。
心地いいリップ音と、甘ったるい実弥の吐息に身体の力が抜けていく。

「実弥、」
「うおっ!!大丈夫か、ゆき乃!!悪い、調子にのりすぎた。」

ギュッと私を横抱きした実弥は完全に逆上せた私をお風呂場からタオルをかけて実弥の部屋へと運んでくれた。
そのまま眠ってしまった私は、翌朝実弥に鍵を渡すはめになる。
でもきっとその前にまた抱かれるんだって思うと、今のうちに眠っておかなきゃって自然本能が芽生えていたのかもしれない、なんてーー。


-fin-

←TOP