ヒロアカ 爆豪勝己

 2月14日。聖バレンタイン。一年に一度女子から想いを伝えていい日なんて言われているけれど、今や本命チョコより友チョコの方が重要視されていた。とはいえ、一年に一度のバレンタイン。それはやっぱり伝統にのっかりたいと思うものなんじゃないかな。それはうちも同じで。
 爆豪勝己。雄英高校ヒーロー科1年A組で、うちの好きな人でもあった。入学式で爆豪に一目惚れしたうちは、その日以降爆豪のことを密かに想い続けてきた。一年間で色んなことがあったけれど、やっぱりうちの爆豪への気持ちは変わることなく今に至る。そして爆豪勝己は、物凄い人に対してあたりが強いのに、そのルックスからか、異様に女子からの人気が高く、きっと爆豪に本命チョコを渡しに来る子が多いんじゃないかって思っている。

「やだなー」

 明日から合宿が始まる。バレンタインを目前にしてうちは寮のキッチンで爆豪に渡すチョコを作っていた。

「鈴木?何してんだよ、んなところで」

 振り返ると切島がペッドボトル片手に風呂上がりなのか、タオルを首にかけてこちらへ歩み寄って来た。やっば、爆豪にバレたら…なんて思ううちの思いとは裏腹に、キッチンのチョコを見てふわりと笑った。

「爆豪にあげんだ?へぇ、手作りかー。伝わるといいな」

 え?拍子抜け。思いっきりからかわれると思っていたせいか、うちは苦笑いで切島を見上げる。

「あの、笑わないの?」
「はー?なんで?だって鈴木が爆豪を好きなことは見てりゃ分かるし、俺からすれば爆豪も満更でもねぇんじゃねぇか?」

 爆豪と比較的仲が良い切島にそう言われると、少なからず自信になる。切島から見てそう思える爆豪ってどんなんだろ?ちょっと、いやかなり嬉しいじゃんそれ!なんて浮かれていたうちは、痛い目にあうことになるなんて。

 合宿所について荷物を置く。とりあえず移動でかなり疲れた。というかこんな山奥で合宿だなんてさすが雄英。今日の夜は飯盒炊爨で、生徒たちがカレーを作ることになっていた。ちなみに河原にテントを張って一晩泊まる方式らしく、テント班と買い出し班に別れて作業して、買い出し班が戻り次第みんなで料理にとりかかる。雄英らしくない、まるで普通の高校生みたいで、クラスのみんなもテンションがあがっていた。

「爆豪、テント班?」
「あぁ。お前は?」
「うちも、テント!一緒に組み立ててもいい?」
「好きにしろ。つか日菜お前…いや何でもねェよ」
「え?なに?」

 不満気にうちの頭をポコンと殴ると爆豪はそのままくるりと背を向けてテントの方へと歩いて行ってしまう。ジロリと頭の上から足の先まで一瞥されたんだけど何だったの?無言の爆豪の後を追いかけてテントを組み立てる。

「あれおかしいな、難しい」

 杭を打ち込まなきゃなんだけど、足場が悪くてなかなか打ち込めないでいると、急に日陰になったから顔を上げれば爆豪が面倒そうな顔で「かせよ」うちの手から取り上げると簡単に杭を打ち込む。

「テメェ、買い出し班にしとけばよかったんじゃねぇか」

 そう言われてもうちは爆豪と一緒がよかったんだもん!なんて喉まで出かかった言葉を呑み込む。さすがにこんなにアッサリと告白したいわけじゃない。せっかくチョコを作ってきたのだからそれを渡して想いを伝えたい!そう思っている。

「いやうちも結構できる子だから!ほら爆豪あっちの杭も打っちゃお」
「あ?俺に指図すんじゃねェ、バーカ」

 ポコンと爆豪の手が頭に触れるから昨日の切島の満更じゃねぇって言葉が脳内に浮かぶ。うちと爆豪ってば、結構いい感じじゃない?なんて自然と緩む頬にニヤけてしまうのを必死で隠していた。



「爆豪くん、これ受け取って!」

 何を見ているんだろうか、うちは。
 バレンタインデー当日。目の前で爆豪にチョコを渡している女子。さすがの爆豪もいつもみたいな冷たさはなく、「誰だテメェ、知らねぇ奴からのもん食えねぇだろ。いらねェ」…いや激しく冷たくあしらっていた。いつも通りの爆豪に安心したものの、いざ自分が渡した時も同じように突っ返されてしまったらどうしよう?という恐怖がうちの中に生まれてしまう。
 ほんの一瞬爆豪と目が合って、思わずくるりと背を向けて顔を伏せた。そのまま走ってこの場から逃げるようにホテルの部屋に戻った。自分の鞄の中に入っている爆豪宛のチョコレート。めちゃくちゃ愛情込めて作った爆豪宛のチョコレート。どうしよう…渡すタイミング逃しちゃってるよ、うち。
 せっかくのバレンタイン、爆豪に渡して想いを告げようって思っているけれど、日付が変わると引っ切り無しに爆豪は色んな所へ呼び出されてはチョコを渡す女子へ対応している。受け取ったって噂はまだない。今のところ全員返してるって。でも爆豪の部屋の前には手作りっぽい紙袋だったり、ハート型の箱だったりが沢山置いてあって…

「いい御身分じゃねぇかぁ、かっちゃん!」

 切島や上鳴にそんな事を言われている。さすがにそこに置いておく事もできず、面倒そうにそれを手にする爆豪。中には無理やり爆豪に渡して走って逃げる子もいたとか。
 二日目の夜、ホテルでの夕食も終わりお風呂の時間までまだ少し余裕があった。うちは大きく深呼吸すると同室のお茶子ちゃんに「行ってくる!」そう告げる。

「日菜ちゃん行くんやね!頑張って!!」

 ギュッとお茶子ちゃんがうちの手を握りしめてくれて、勇気を貰った気分だった。爆豪達もまだお風呂まで時間があるはずだとうちはチョコを片手に爆豪の部屋まで行く。ちょうどガチャッとドアが開いて、爆豪が出てきた。勿論爆豪に渡すつもりでここまで来たんだけど、ちょっと予想外の展開に慌てて逃げ出そうとするも、「なにしてんだ、日菜」運がいいのか悪いのか、爆豪に捕まってしまった。
 ドアに凭れて腕を組んでいる爆豪がうちの手に持っている袋に視線を移す。

「ンで、日菜の持ってるそれはなんだ?」

 やっぱりな質問に、緊張でゴクリと生唾を飲み込んだ。内心背中に冷や汗状態でうちはハハハと苦笑いを零す。

「いやこれはうちの!自分の、」
「ほー。この手紙も自分のか?」

 スルリと袋の中にあった爆豪宛の手紙を取られて今度は脂汗すら出てきそう。流石に誤魔化しがきかないと観念してうちは袋を爆豪に差し出した。

「違う。爆豪に渡そうと思って。…受け取って貰えると嬉しい…」

 沈黙が怖い。爆豪が何を考えてるのか分からないから怖くて顔をあげらんない。でも、スッと手が軽くなった。見上げた先、爆豪が袋を手にしていて。

「受け取ってやる。仕方ねぇからなァ。腹壊したら責任取れよ」

 一言多いよ。なんて思ったけど、爆豪が受け取ってくれたことが何より嬉しくて、うちはスキップしながらお茶子ちゃんの待つ部屋に戻るのであった。

 そんな幸せなバレンタインデーから一ヶ月後。今日はホワイトデーだった。バレンタインデーに女の子が好きな男の子にチョコを渡して告白する。ホワイトデーは男の子から女の子にお返しをして告白の返事をする…そんな習わしがある。
 唯一爆豪が手渡しチョコを受け取ったって噂が流れたけれど、一体誰のチョコを受け取ったのかまでは流れていなく、噂の的が自分でありながら、どこか真実味を帯びていなかった。
 ボケーッと窓の外を眺めていると、教室内で上鳴がペコちゃんキャンディーを配布していた。

「俺お前らのこと全員好きだから、受け取ってくれぇ!!」
「俺のブドウも特別にお前らにやるよ!」

 峰田も一緒になってグレープを投げてくるから可笑しくてみんなで笑っていた。
 爆豪にバレンタインチョコを渡した女子達は、爆豪からお返しがくるのを今か、今かと待っているせいで、学校中がなんだかソワソワしているようだった。けれど当の爆豪はというと…相変わらず机の上に脚を投げ出して頭の後ろで腕を組んで偉そうにしているだけだ。チラリと爆豪のスクールバッグに視線を向けても、その中にお返しが入っているようには到底思えない。まぁ爆豪が一人一人お返しを配って歩いている姿なんてそれこそ想像すらできないけれど。=うちも貰えないって事実に分かっていても内心凹む。そんなうちを、お茶子ちゃんは心配そうに見てくれるから、無理矢理にでもうちは頬を緩ませて笑っていた。
 一日の授業が終わり帰りのホームルームも終わった。うちらは寮に戻ったり、自主練したりでみんなバラバラだ。この時間になっても爆豪はやっぱり誰にもお返しをしていなくて。例えそこにうち自身が含まれていても、他の誰かにだけ渡されていないならもうそれでもいいや…なんて思えた。

「日菜、やる」

 ポトっと机に落ちたラッピングされた袋。見上げた先、爆豪がうちを見下ろしていて「腹壊したら責任取ってやるから言えよ」…バレンタインの時と同じような言葉が飛んできた。その頬は微かに緩まっていて…

「え、うちに?」
「あ?ったりめぇだろォ。俺様がわざわざ選んでやったんだから味わって食えよなァ」

 ポスって頭に乗っかる爆豪の手に、トクンと胸がときめいた。まさかのお返しにテンションがあがる。教室から出ていく爆豪の後ろ姿に、うちはガタンと椅子をずらして立ち上がると「ありがと、かっちゃん!」そう叫んだ。
 だって嬉しくて。いつもは爆豪って呼ぶけど、今はかっちゃんって呼んでも許されると思ったし、なによりうちがそう呼びたかったから。すると爆豪は振り返って「おー」なんて答えてくれた。
 教室のドアを開けて爆豪が出て行った瞬間、お茶子ちゃんやら梅雨ちゃんやらミナがうちの所までかけよってくる。

「日菜ぁ!!!」

 みんなに揉みくちゃにされながらも、一緒に喜んでくれる友達が傍にいることが、最高に嬉しいんだ。
 それから寮に戻って自分の部屋で爆豪に貰ったそれを開けた。可愛い瓶の中にはキャンディとクッキーが数個入っている。勿論メッセージカードも何もないけれど、爆豪がこれを一人で選んでいる姿を想像するだけでなんかもうお腹いっぱいだ。それでも飴玉を一つ口に入れれば、ヨーグルトの味がしてめちゃくちゃ美味しかった。今まで食べてきた飴の中で一番美味しいと思えたんだ。
 だからその気持ちを一言爆豪に伝えたくてうちは、夜な夜な爆豪の部屋のドアをノックした。早寝の爆豪だからもしかしたらもう寝ちゃってる?なんて思うけどすぐにがチャリとドアが開く。

「どーした?」
「あの、さっきはありがと。飴めちゃくちゃ美味しくて、一言お礼が言いたくて…」
「まぁ入れよ」

 手首を掴まれてうちは爆豪の部屋の中に入った。
というか、部屋入るの初めてだし。黒と白で統一されているシンプルな部屋だったけれど、それが爆豪らしく思えた。

「お、お邪魔します」

 緊張していて声が震えそうになるのを必死で誤魔化した。黒いベットカバーのかけられたベッドの上に爆豪が座ったからうちも隣に座った。

「クッキーもすごく美味しかったよ。ラッピングも可愛かったし、すごく嬉しい」
「そうかよ」
「それでね。一つ聞きたいんだけど、」
「ンだよ」
「お返し貰ったのって、うちだ」
「日菜だけだ。日菜以外には返してねぇ。元々いらねぇし」

 うちの言葉に被せるように気持ちを伝えてくれる爆豪。夢みたいな展開に自分の心拍数が激しく上昇していくのがわかった。

「ほんとに?」
「嘘ついてもしゃーねェだろ、ンなこと。つか分かれよ、俺は最初からずっと日菜しか見てねェ、日菜しか興味ねェ…」

 ドサッとベッドの上に押し倒された。天井との間に入り込む爆豪は、初めて見るような妖艶な顔付きで、トクトクと胸が激しく音を立てている。この先にどんな展開が待ち望んでいるのか容易に分かった。ど、どうしよう…

「爆豪うち、初めてで…」
「さっきみてぇに名前で呼べよ、日菜」
「え?かっちゃん?」
「それがいい。日菜…安心しろ、俺に全部預けろ。良くしてやっから」
「ん。かっちゃん、好き」

 そんなうちの言葉を皮切りに、この部屋の空気が一瞬でピンク色に変わった。かっちゃんの唇がゆっくりとうちの唇に触れる。初めてのキスにどうすればいいのか分からずギュッと目を瞑るうちに、プッてかっちゃんの吐息が頬にかかった。薄っすらと目を開けると「キス一つで力入れすぎだ。舌、絡ませろ、俺のに…」そんなこと言われても…ちゅるりとかっちゃんの舌がうちの口内を隅々まで舐めてくる。ゆっくりとうちも舌を動かせば「もっとだ」なんて言われる。もうこうなったらどうにでもなれ!そう思ってうちはかっちゃんの舌をちゅるりと舐め取ると、はぁっ…とかっちゃんの吐息が溢れた。それを聞いてなぜだか下半身がキュンとした気がして。

「かっちゃん」
「煽ってんなよ、馬鹿がァ」

 首筋に舌を下ろしたかっちゃんは、そのままうちの鎖骨をペロペロと舐めていく。左手で服の上から胸を揉んでいて…それもちょっと気持ちがいい。視線をかっちゃんに向けると不意に目が合って、どくんと胸が蠢いた。

「脱がせんぞ」

 熱い息を吐きながらかっちゃんがうちの服に手をかける。バンザイして脱がせられてブラ一枚つけてるだけの恥ずかしい格好にされ、胸元を手で隠しているとかっちゃんがじっと見つめてきてうちの腕にちゅっとキスを落とした。そのまま腕の隅々までキスを繰り返すかっちゃんは、うちが恥ずかしがらないようにしてくれているのか、ブラの上からもちゅ、ちゅ、とキスをしてくる。腕を外されてくるりと反転させられると、うちの背中にもかっちゃんの舌がちゅうっと落とされていく。

「あん、そんなとこぉっ」

 触れられるのも、キスされるのも初めてで、うちの口から漏れる息遣いも段々とあがってくる。ブラのホックをプチッと外されて、器用にうちの腕からブラを抜くとベッドの下にポイッと投げられた。

「かっちゃん、待って、恥ずかしい」
「俺しか見てねェよ、全部みせろ、ちゃんと全部」

 なんでかわかんないけど、コクリと頷いたうちは、そっと胸元から腕を解いた。当然ながら真っ直ぐにかっちゃんの視線が胸に降りてくる。ふわりと包み込むように手で揉むかっちゃんは優しくて…枕に頭をつけたうちを確認してから舌を伸ばしてうちの胸の周りを縁取るように舐めた。そのまま口に含むと急に身体に快感が走って、なんとも言えない気持ちになった。そのままかっちゃんはうちの胸を左右両方執拗に舐めていく。もう何がなんだか分からないのに、胸を舐めているかっちゃんがじっとうちのことを見つめてくるから頭がおかしくなりそう。

「んう、かっちゃん…」
「ハッ!気持ちいいんだろ」
「わかんないよ」
「確かめてやる」

 そう言うが、急にうちの短パンに手をかけた。かっちゃんは、脚をまたさっきの背中みたいにキスで埋めていく。

「お前合宿ん時も、パンツ見えそうなの履いてやがったよな。俺の前以外では脚出し禁止な」
「へっ?え?何言って、んあっ!!」

 ムニュっと短パンの隙間から下着に触れるかっちゃんにまた声が出てしまう。脱がすぞって耳元で言われてかっちゃんの手がうちの腰に添えられて、瞬く間に短パンもベッドの下に落とされた。超絶恥ずかしいうちの胸を舌でれろれろと舐めながら、かっちゃんの手がスルスルと脚の間をぬって、下着の中に入り込んだ。もうどこを触られてるのかもわからなくて、下着に指を入れ込んだかっちゃんは、胸の尖端を甘噛みしながら指をうちの子宮に突っ込んだんだ。初めての感覚に、うっと声を漏らすと大きく息を吐き出したかっちゃんが指を奥まで入れてきてくちゅりと水音が部屋の中に響いた。

「中キチィな、慣れるまでしばらく指突っ込んどくから気持ちよくなったら教えろ」
「ふえ!?」

 くちゅくちゅと指を中でかき混ぜるかっちゃんの身体は熱く火照っていて、胸への愛撫と子宮内への愛撫で頭の中が真っ白になってくる。

「日菜…」

 視線を向けるとかっちゃんが深く口づけた。存分に舌を絡ませてからちゅっとリップ音を鳴らして離れると、うちとの間に透明の糸が一瞬だけ見えた。
いつの間にかうちの下着はベッドの下に落とされていて、M字に開かれた脚の間にかっちゃんの顔が近づいて、抜かれた指の代わりに舌がじゅじゅっと入り込んだ。

「やっ、あんっ、待ってかっちゃっ、んっ、ふぅっ」

 声が止まらなくて、かっちゃんの舌が子宮内の壁をじゅるりと吸い上げる度にヒクヒクと脚が震える。時折視線をうちに向けると、うちがどんな反応をしているのかを確かめているようで、かっちゃんの伏し目がちな視線だとか、うちを見つめる強い視線だとか、そんなことにすら一々身体が熱くなっていくようだった。

「そろそろ限界だ」

 そんな言葉と共に、濡れた口元を手の甲で雑に拭くと、かっちゃんはどこからともなく避妊具を取り出し、自身に嵌めていった。え、あんなのうちに入る?無理じゃない?そう思うけど、ソレを掴んだままうちの脚を開かせるかっちゃんの姿がかっこよくて何も言えない。視線で「入れんぞ」って言われた気がしてうちはそっと目を閉じた。

「日菜、力抜け…力むと入らねェ」
「んう」

 言われた通り力を抜くと、かっちゃんがズイっと腰を掴んで奥まで入ってくる。すごい圧迫感と尿意に思わず首をぶんぶん振るけど、「クソっ、めちゃくちゃ気持ちいぜっ」そう言うかっちゃんの言葉にうちの身体の力が本当の意味で抜けた気がした。ダランと脱力したまま、かっちゃんがうちの上で律動を繰り返す。
 奥に当たる度に心地悪さよりも心地良さがかってしまいそうで、ぎゅっとかっちゃんの見た目より分厚い身体に腕を回して抱きつく。そんなうちの髪を優しく撫でてくれるかっちゃんは、うちに覆いかぶさって耳元ではぁはぁ呼吸を荒げていく。汗がポタンとうちの身体に落ちるも律動を止めないかっちゃん。

「やべェっ」

 そう漏らすとうちの手にかっちゃんが指を絡めた。そのままそこにもちゅって優しくキスをくれる。そんなかっちゃんをただかっこいいと、好きだと思って見つめるだけのうちは、身体がかっちゃんのをしっかりと受け入れていることに漸く気付いた。

「かっちゃんっ、きもちいっ」
「知ってらァ」
「なんかへん、頭おかしくなるっ、」
「イきそうなんだろ、いいぜイケよォ」

 俺もイキそうだってかっちゃんの声を聞きながらうちは子宮内をきゅううっと震わせてかっちゃんのを熱く締め付けた。

「馬鹿お前っ、クッ…――」

 ビクビクと肩を震わせて子宮からくる快感に身を委ねていたら、うちの上でかっちゃんが動きを止めた。タンっとうちの横に手をついて数秒止まった後、うちの横にダランと寝そべった。

「アチィっ。オイ日菜、身体痛くねぇか?」
「え?うん。大丈夫そう…」
「ならいい」

 まさかかっちゃんが情時後の身体を気遣ってくれるなんて思ってもみなかったけど、本来のかっちゃんはそれぐらい優しい人なんだってうちは知っている。

「かっちゃんは?気持ちよかった?」
「あぁ。…悪り、もう一回いいか?」

 え?それはちょっと…そう言いたいのに、結局うちはかっちゃんに甘い。だってそんなかっこいい顔で言うかっちゃんが狡いと思う。これが惚れた弱みというのならば、そうなんだって思う。
――【完】