刀剣乱舞 大倶利伽羅

「第一部隊戻りました」

 鶴丸のそんな声と一緒に俺達は本丸へと戻った。時間遡行軍との戦いで傷を負ったせいで本丸に戻るなり薬研の所へと連れて行かれる。

「ハハッ、大倶利伽羅ともあろう方が随分派手にやられてるな」

 嫌味っぽくそう言われてチッと舌打ちが漏れた。ただ鶴丸を助けようとしただけだと言えばそれで済むのかもしれねぇが、そもそも俺はこいつらとここで馴れ合うつもりはねぇ。

「話したくないならいい。ただ一応大倶利伽羅にも伝えておこう。由良が高熱で倒れた。俺の見解だと過労からくる発熱…だと思――」

 バタンと俺は薬研の部屋を出て由良の部屋へと移動する。馴れ合うつもりないと言ったが、由良だけは特別だ。ここに来て一線引いてる俺にも由良は根気強く話しかけてくれた。
 この俺が、生まれてはじめて心を許した女だから、こんな事になってるならさっさと戦いを切り上げて帰るべきだった。

「入るぞ」

 イエスの返事を待つことなく俺は由良の部屋の引戸を開けた。敷かれた布団の上で真っ赤な顔で苦しそうに呼吸をしている。

「オイ大丈夫か」

 そっと手を伸ばして由良の首元に触れると燃えるような熱さで、薄っすらと目を開けた由良は、俺を俺と認識しているのかすらも分からねぇ。虚ろな目で「お帰りなさい」と、小さく笑った。
 傍で膝をついて俺は冷たさのなくなったただ乗っているだけのタオルを額から取って、近くにあった桶の水に浸す。

「温りぃじゃねぇかクソっ」

 ちょっと待ってろ!と、由良の髪をクシャリと撫でて水道で新しく冷たい水を桶に入れてくる。タオルを額に乗せてやると、由良の呼吸が少しだけ小さくなった。
 こんなになるまで限界まで我慢してぶっ倒れたんだと容易に想像がつく。一人で全部背負い込もうとするのは由良の悪い癖で、多少呆れながらも俺はそれが由良だと認めている。

「オイ、なんか食ったのか?薬は飲んだのか?」

 俺の問いかけに全部を否定するように首を横に振った。それから薄っすら目を開けた由良は、細い手をこちらに伸ばすと、掠れた声で言った。

「汗びっしょりで…着替がしたい…でも力が入らなくて…大倶利伽羅やってくれないかな?」

 着物の胸元を手で押さえて左右に動かしているが、今しがた由良自身が口にした通り、手に力が入っていないから着崩れてはいない。ちょうど首元を汗が滴り落ちて、思わず俺はゴクリと生唾を飲み込んだ。
 いや緊急事態だから極めて如何わしいことじゃねぇと自分に言い聞かせるように俺はチラリと視線を由良の胸元に移す。

「…分かった。俺がやってやる」

 俺が帰ってくるまで誰にも言えずに我慢していたんだと理解した。それと同時に自分以外の奴に頼まれなくてよかったと思えた。武道第一の刀剣男士達しかいねぇが、それでも俺のように由良にそれ以上の気持ちがねぇとは言い切れねぇ。

「ついでに身体も拭いてやろーか?」
「うん、お願いしたい…」
「仕方ねぇな、待ってろ」

 もう一度俺は由良の髪をクシャリと撫でて準備をするべく桶に水をくみに行く。由良の着替えもしっかり出して全部揃った所で部屋に戻った。

「ごめんねこんなこと頼んで」
「別にいい」

 他の奴に頼まれるよりよっぽど…なんて言葉はあえて言わねぇが。ふぅ〜と一つ息を吐き出した俺は掛け布団を這いで、由良の着物に手をかけた。胸元の帯を解くと由良が目を開けて俺を見つめる。その潤んだ瞳が妙に妖艶に見えて、なんとも言えねぇ気持ちになる。

「解くぞ帯」
「うん」

 スルスルと帯を退かすと汗で湿った布の下、由良の色白の肌が顔を見せた。俺は水で濡らしたタオルを絞るとそれを由良の身体にゆっくりと這わせた。

「気持ちいい」

 さっきよりまた少し呼吸が落ち着く。帯で相当締め付けていたんだと思うと、やっぱり早く帰ってくればよかったと後悔の念が生まれた。

「ンッ、大倶利伽羅」

 そんな事を思っていた俺に届いた由良の声に視線を向けると、ちょうど俺の手が由良の胸に触れていて、お前そんな声出すんじゃねぇよ!なんて怒鳴りつけたいのを抑えた。

「あんたさ、何感じてんの?もしかして俺がいなくて寂しかった?」

 視線の先、由良がコクリと頷いたのを俺は見逃さなかった。は?本気で言ってんのかよ…。ゆらゆらと揺らせながら俺の方に伸びた手が手首を掴むなり自分の胸の上に改めて置いていく。いいよでも、抱いてでもねぇ、声無き由良の声に俺はチッと舌打ちをすると、由良の頬に手を添えてそのまま熱い唇を塞いだ。発熱のせいで由良の口内は尋常じゃねぇぐらい熱い。あんまり舌動かせるのも可哀想だと思い、舌を抜き去ると由良が恥ずかしそうに笑う。それだけでどうにかなっちまいそうになるのを堪えて俺は由良の着物を丁寧に極力優しく解いていく。

「寒くねぇか」
「平気。大倶利伽羅も脱いで」
「あぁ」

 自分の着物を全て脱ぎ捨てて、同じ生まれたての姿の由良を抱きしめるとやっぱりどこもかしこも熱く、俺の触れる箇所全てに敏感に反応する由良は掠れた声をあげて小さく鳴いてる。
 ピンと上を向いている胸の尖端を舌で転がすと汗のせいか少し塩気を含んでいて、それを全部拭うように由良の身体に舌を這わせていく。震える脚を両サイドに開かせて熱く光るそこにも舌を這わすと、トロリと中から透明の液が溢れてきた。手前の突起を指で弄るとビクンと由良の身体が大きく揺れた。口に手を当てて声がもれねぇようにしている由良をもっと鳴かせてやりたくなる。舌を中に入れてジュジュっと液を吸い上げると「ハアアアアッ!」ギュッとシーツを握りしめた。
 執拗に突起を指で捏ねくり回しながら舌で子宮内の壁を吸い上げるのを数回繰り返すと、はううっと身体を揺らせた由良が昇天した。

「悪い限界だ。少しだけ我慢してくれ」
「ん」

 そのまま俺はそそり勃つ自身を由良の中にゆっくりと挿入した。長引くと由良の身体がキツイだろうと思うが、それでも律動を止めることはなかなかできなく、身体が辛いのに汗をかきながら由良は俺の背中に腕を回してしがみついている。唇の代わりに耳を口に含んで甘噛みすると由良の吐息が熱く漏れた。それでも由良の尻を揉みながら律動を繰り返すと俺の絶頂も近づいてきて、下の由良を見ると頬を紅く染めて「アンっ、大倶利伽羅ッ」同じく絶頂が近いことが分かった。俺は由良の唇をこじ開けて舌を入れ込み口内を舐め回す。籠もった声をあげながらも由良がビクンと、尻を浮かせた。途端に締まりつける子宮内。俺の呼吸がドクンと音を立てた瞬間、どくどくとした白液を由良の中に押し出した。
 全部出し切ってからバタンと、由良の隣に倒れ込む。完全に汗だくの俺と由良。余韻に浸っていたいけどさすがに高熱の由良をほおっておくわけにはいかねぇ。俺は急いで着物を着ると濡れた冷たいタオルで由良の身体を隅々まで拭いてやった。




「大倶利伽羅が風邪?なぜそんなことに?」
「寝ずに看病してくれただけなんだけど、ほんとに!薬、調合してくれないかな…」

 引き戸の向こう側、薬研の疑わしい声に由良の言い訳が飛び交っている。まぁあんだけ密になれば、風邪も伝染るだろうな。ゴクリと唾を飲み込めば喉が痛くて顔を顰めたんだ。
 しばらくして薬研の薬を手にした由良が俺の部屋に戻ってくる。今度は由良に俺の身体を拭かせようとニヤリと緩む口元を静かに隠した。

―――【完】