ワートリ 犬飼澄晴
意識が飛びそうになるぐらい激しく抱かれた事ってある?…なんて誰かに聞かれたら、間違いなく私はイエスと答えるだろう。迷うことなく胸を張ってイエスと――――。◇◆◇
「や、待って、待って、犬飼くん、おかしいおかしい、なんかおかしいことになってる。落ち着こうよ一旦、はい深呼吸して、ね、ね、お願いだから!」
私を組み伏せているこの人、犬飼澄晴。
我らがボーダー隊員B級1位の二宮隊のガンナー。その実力はマスター級で高い銃撃技術で二宮隊のバランサーという役目を受け持っている。まぁそんな人相手に個人戦を挑んだ私も私なんだけど、今日こそ勝てると思っていた気持ちはいとも簡単に崩れて、あっという間にスコンと負けてしまった。
その見返りとして犬飼くんとデートをする羽目になった私。犬飼くんは見た目通りチャラくて、正直苦手なタイプだ。顔を合わせれば好きだのなんだの言いよってくる時点でもう終わってる。こんな男に本気になったらバカを見るだけだって思う。
「ハールちゃん、もう観念しなよ」
ぺろりと私の頬を舐める犬飼くんの瞳が細く緩まった。妖艶な表情で私を見下ろす犬飼くんに、どうしたものか、胸がドクンとときめいた。このままだと確実に犬飼くんの誘惑に負けてしまう。
でも…犬飼くんの舌裁きというか、舌遣いというか…とにかくこいつ、チューうまい!!それだけでうっとりしちゃうような世界観があって、ちゅうっと唇を吸われるだけで身体がビクンと反応してしまう。
あぁこんなことならもっと真面目にボーダー頑張っておくべきだったと今更後悔しても時既に遅し。さすがのB級1位ともなれば、B級中位のこちらの敵う相手ではない。それを分かっていて犬飼くんは私を個人戦に誘ったのかもしれないけれど。
それは遡ること二日前。まんまと犬飼くんの口車に乗せられた私は、意気揚々と個人戦に挑んだ。勿論勝つ気満々で。勝って言ってやろうと思っていたんだ、もう付き纏うな!って。でも結果は惨敗。普通、多少なりとも好意がある相手にさ、本気出す?まぁ手抜きされて勝ってもそれは嬉しくないけど。そんな訳で、負けた私は犬飼くんとデートをすることになり、今日という日をゲンナリしながら過ごしていたのだけれど、途中で急に雨が降ってきて。傘を持っていなかったから二人共ずぶ濡れ。濡れちゃったから傘を買っても意味ないしって事で、たまたま私の家の近くまで来ていたからとりあえず雨宿りをと、部屋に通したんだ。
「ごめんね、これで拭いて」
洗面所から持ってきたバスタオルを犬飼くんの肩にかけてあげると、その場でギュッと抱きしめられた。いきなり何っ!?って思ったより分厚い胸板を手で押すと、そんなのお構いなしって感じでベッドの上に私を押し倒した。完全に犬飼くんを見上げている状態の私に「ハルちゃん好きだよ…」いつもの告白が届く。何度も聞いたその言葉に私は呆れた顔で彼のふわふわの黄金色の髪に右手一発チョップを落とす。ゴスッて鈍い音がするも、いつもみたいに笑うんじゃなくて、真剣な瞳のまま続けた。
「ハルちゃん俺、本気でハルちゃんが好きだよ。いつも言ってるけど、冗談でハルちゃんに伝えたことなんて一度もないから」
「…――え」
あまりに真剣な顔だったから何も言い返せなくて。ほんのり胸がトクンと音を立てた瞬間、犬飼くんの手が私の頬にやんわりと優しく触れた。雨でずぶ濡れで、梅雨前で夜でも気温が高くなってきたとはいえ、今日は少し寒かった。それなのに触れた犬飼くんの手は温かくて、なんでかいつもの冗談に取ることができなかった。
「ほん、と?」
「ほんと。証拠みせようか」
「…うん」
「じゃあ目閉じて…」
くるくると私の髪の毛先を器用に丸めていた犬飼くんの言葉に騙されたかのように私は目を閉じた。もしかしたら…と思っていたけれど、本当に私の唇を塞いでくる犬飼くんに、心臓が爆発しそうになって、冒頭の台詞に至ったわけだ。
観念しろと言われ、また犬飼くんからのキスにやっぱり身体は正直に反応してしまう。別にキスとか初めてじゃないし、セックスだってしたことあるけど、キスだけでこんなにも胸の奥がポウッと熱くなるのは初めてで、見上げた先の犬飼くんと目が合うと「好きだよ」そう丁寧に言われ、満更でもない気がしてきたなんて。
あぁどうしよう、このまま止めてほしくない。そんな事言ったら絶対止めないよね。でも、ダランとしていた腕をそそっと犬飼くんの背中に回せば、ちゅっとリップ音をさせてほんのり距離を作る。
「ハルちゃん?」
「う、なによ」
「いや。すげー可愛いなーと思って。安心して、こんなところで止めたりしないから」
ポコンとデコピンをする犬飼くんは余裕たっぷりの笑顔で。そんな犬飼くんを下から睨みつける私の顔は真っ赤に違いない。脚をバタバタして抵抗したいぐらいの気持ちはあるけれど、残念なことに止めない宣言されて嬉しいと思えてしまう。
「別に私は、」
「いや、書いてあるって、ハルちゃんの顔に」
プニって頬を摘んだ犬飼くんは、私の耳元で甘く囁いたんだ。
「止めてほしくないってね」
悔しい!悔しい!悔しい!…けど、間違っていない。耳朶をカプリと甘噛みした犬飼くんはそのまま舌を耳穴に入れ込んでしゃぶる。それだけで私の身体は馬鹿みたいに気持ちが良くって、吐息が漏れた。音を遮断されて、鼓膜を刺激する犬飼くんの熱い吐息になんだかおかしくなりそう。
「犬飼くん」
小さく名前を呼ぶと、彼は不満気に私を見下ろす。ビードロみたいな瞳がブスッとしてほんのり唇を尖らせて言うんだ。
「澄晴」
「え?」
「こんな時ぐらい澄晴って呼んでよハル」
ぎゅんと胸を鷲掴みされた気分だった。たかが名前を呼ばれただけで胸が激しくときめいて、気づけば私はコクリと頷いていた。そんな私を見下ろした澄晴は、機嫌良く「いい子だねぇハルちゃん」なんて髪を撫でた。ここにきて急に澄晴が素敵に見えちゃう私。なんか色眼鏡でもかけられている?
「こーら、俺に集中して。まぁ俺のこと以外考えられなくしてあげるから」
視線を泳がせる私の服をポイポイと脱がせて下に落とす澄晴。気づけば私達は生まれたての姿で、クシュンと脱がされた事でくしゃみをした私を、澄晴はぎゅっと抱きしめたんだ。
あ、ヤバい、きゅんとしてる。どうしよう、止まんない…手を伸ばして澄晴の背中に回すと「ふふ、柔らかい」ぽよんと私の胸に触れた。そのままむにむにと胸を揉みしだく澄晴。その心地良さに目を閉じて身体を預けた。
「まずはハルちゃんを熱くさせてあげるね」
そんな言葉と共に澄晴の舌が私の首筋を通って胸の尖端を軽く甘噛みする。反対側の手でも同じようにもう片方の胸の尖端をぎゅんと摘まれて腰が浮く。チロチロと焦らすように周りを縁取る澄晴を睨むと、「起こった顔も可愛いよ」なんてウインクをされた。悔しいなぁ…そんな澄晴にきゅんとしている自分がいて、はぁっと天井を向いて息を吐き出すと澄晴の舌が尖端をちゅうううっと吸い上げた。
いきなりの快感にはうっとシーツを掴む。舌を転がしながら私の胸をちゅぱちゅぱと唾液塗れにさせてペロペロと舐める澄晴は厭らしい。でも身体の快感は止まらなくて、下を早く触って欲しいとすら思い始めていた。それでも気持ち良さは半端なくて喘ぐ私を余裕の表情で見下ろしながら、澄晴の手が漸く私の太腿の間を通ってそこに辿り着く。
ツプ…と入り口の花弁を掻き分けて中に指を挿れこむ。当然ながらトロトロに熱を帯びているそこ。恥ずかしさよりも心地良さのが勝ってしまっていて、「ちゃんと触って」そう言うと澄晴が嬉しそうに笑った。
「ハルちゃんからオネダリされちゃあ、やらないわけにはいかないよね」
そう言いながら、澄晴の指が2本同時に子宮内に挿いりこんだ。くちゅりと卑猥な水音が聞こえた次の瞬間、それを更に倍増させるよう、くちゅくちゅと指で中の壁を擦る澄晴。ほんのり開けた口からは、澄晴の熱い吐息が溢れていて…私は後ろに肘をついて体制を少しあげると、澄晴の首に腕をかけて自分に引き寄せた。そのまま熱く舌を絡める。じゅるじゅると唾液を絡ませながら唇をハムッと舐める。入り切らず垂れる唾液が口端から漏れてポタッとシーツに落ちた。それでもキスを止めないで、何度も何度も唇を重ね合わせる。
脳が痺れそうなキスをしながらも、澄晴の指は私の子宮をくちゅくちゅと掻き交ぜていく。時折爪で壁を擦ると、激しい快感が身体を突き抜けそうになる。
「ハルちゃんすごいぐしょぐしょ。ね、どうされたい?」
耳朶をカプリと噛んで直接鼓膜に語りかける澄晴に私は涙目で小さく答えた。
――舐めてと。
M字に脚を開かせて顔を寄せた澄晴がこちらに視線を向けながらも長い舌を伸ばしてじゅるりととろける愛液を吸い込んだ。堪らなく気持ちが良くて声が我慢できない。
「あんっ、あああっん、あうっ、ふうっ…んんっ…」
ぎゅっとシーツを握りしめて腰をゆらゆらと揺らせてしまう私の脚を腕でホールドしてそこに何度も舌を挿れこんで奥の壁を擦る。開いた脚が空中でふるふると震えていて、ふわふわの澄晴の黄金色の髪がほんのりと太腿を掠めて擽ったい。そっと髪に手を触れさせれば澄晴が私に視線を移して「なーに?」って笑うんだ。
「きもちい」
素直にそう伝えると、当然って顔をしながら澄晴はニヤリと口端を緩めて顔を出しているであろう突起をじゅっと吸い上げた。途端にビクビクと電気の走るような快感が身体を突き抜けて、はううっと肩を揺らせて仰け反ると私の脳内は真っ白になった。
手の甲で口元を拭った澄晴が私の方へとやってきて「一つになろうか」なんてロマンチックな言葉を言い放った。
外は嵐。窓を打ち付ける雨音がこの部屋のBGMと化している。あんなに寒かった身体ももう火照って熱を帯びている。ほかほかの身体で私を抱きしめた澄晴は、完全にそそり勃っている自身の根本を掴んで、迷うことなく私の中に挿いりこんだ。ず、ず、とゆっくりと私の呼吸に合わせて最奥まで到達するとコツっとオデコを重ねる。
どうしよう…幸せかも…なんて涙目で澄晴を見上げると同じように幸せそうな顔で微笑んでいる。
「澄晴…」
「うん?」
「好き」
「俺も好き。うーん俺のが好き!今はね。でも同じぐらいハルちゃんにも俺を愛して貰う自信はあるから覚悟しといて」
トクンと胸が脈打った。あぁこれが恋なんだと。私の運命の人は、犬飼澄晴だったんだと。頬を撫でる澄晴の手が耳にかかって優しいキスが降りてくる。そのままゆっくりと腰を動かす澄晴。最奥まで挿入してギリギリまで引き抜いてを繰り返す律動に、澄晴はぎゅっと私の肩に頭を擡げた。
「澄晴?大丈夫?」
「…ハルちゃんあのさ、」
「え、なに?」
「ちょっと一回抜いてもいいかな?」
「え?どうして?」
「や、そういう意味じゃなくて。ちょっとごめん、」
理解不能な澄晴の言葉に私はキョトンと彼を見上げると、接合部の水音を激しく鳴らせながらガンガン腰を打ち込む。ハッ、ハッ…と小刻みな呼吸をしながら澄晴は「クッ…」そう言うと動きを止めた。途端に子宮内に勢いよく放出された熱い液…。
「え、もうイったの?」
私が聞くと苦笑いで澄晴が顔をあげた。汗で髪が頬にかかっていてそれを指で退けてあげるとほんのりと紅く色づいてる澄晴の頬。
「想像以上にハルちゃんの中が気持ちよくて、我慢できなかったんだよ、もう」
子供みたいな澄晴に、いつも余裕綽々の澄晴なんてどこにもいなくて、それがめちゃくちゃ可愛いんだ。そんな事にも私は一々きゅんとしてしまって。射精してしょぼくれた澄晴を取り出したのを見て今度は私が澄晴の上に馬乗りになった。
「ちょ、ハルちゃん?」
「いいから」
ちゅっとキスで言葉を止めて舌を絡ませる。そのまま手は澄晴の胸の突起を弄っていて、ぐりぐりと尖端を捏ねると「はぁっ」天井を見上げる澄晴。唇をペロペロと舐めていると舌をべーっと出してきたからそれをまた絡め取る。そのまま首筋を通って胸の突起を口に含む。舌でコロコロと転がせたり甘噛みしたりして澄晴にも気持ちよくなってほしいと私は腹筋にも舌を絡ませた。ちゅ、ちゅ、とキスをしながら、少し角度をあげてきた澄晴のそれを手で掴む。少し後ろにズレて屈み込むようにして咥えると澄晴がまた天井を向いて「ああああ―――」って気持ち良さげな声を漏らす。下の袋を指で揉みながらも裏筋をツーっと舌先で舐めあげる。その後奥まで呑み込むように咥えて舌で唾液を絡ませながらちゅうちゅうと吸い上げるとあっという間に膨張して硬さを増した。
「はい復活〜!今度は俺の番だよ」
私を抱き上げると伸ばした脚の上にゆっくりと座らせる。ラッコ座りで挿入されて下からガンガン突き上げられる。澄晴に合わせて私も腰を動かす。さっきとは違う快感に胸の尖端がピンっと尖っていて、それをすかさず澄晴がれろれろと舌を伸ばして舐めあげる。
「はあんっ、ううっ、んっ、あんっ、あうっ…ふうっ…」
なんとも言えない声が漏れて止まらない。ちゅうっと突起を口に含んで舌を絡ませる澄晴は、熱い吐息を吐きながら「やらしい身体だなぁハルちゃん」なんて言われた。だからぎゅっと澄晴の頭を抱えて顔を胸の谷間に埋めさせた。
「なによぉ」
「うそうそ、俺褒めたんだって。気持ちいいけどさ、パイずりも」
「むぅ〜」
「ハハ、クソ可愛いってその顔、ほら俺にキスして」
むうっと唇を尖らせる澄晴の舌をペロリと舐めてちゅうっと吸い上げると気持ち良さげに微笑んだ。キスをしながら澄晴の耳朶に指をコショっと差し込むと「悪い子だなぁハルは。でも嫌いじゃないよ、君のそーゆーとこ」後頭部を手で押さえて私を降ろした澄晴は、律動を速めた。腰をぐりぐりと回すように出し入れすれば私の性感帯ともいえる壁を擦られて快感がこみ上げる。
「はあっ、はあっ、ハルちゃん、こっち見てっ」
「んっ、澄晴っ、好きっ…ふうっ…」
「俺も好きっ」
ぎゅっと澄晴が身体を倒して私の肩に顎を乗せて更に律動を速めると、もう我慢できなくて「ああああああああっんんんっ」ぎゅううっと澄晴の首に腕を回して彼に抱きついて絶頂を迎える。
「めっちゃ締まるじゃん!クッ…」
ガクンと澄晴が私の上に体重を乗せるとまた子宮内に熱い白濁した液を放出させた。どくどくと子宮の中に流れるそれを受け止めると今度はそれを抜くことなく私を持ち上げてベッドの上でまたキスを交わす。
「このまま復活するまでキスしてよー」
澄晴のそんな誘惑と共に舌をまたベッて出すからそれを舐めようと私も舌を出すとスッと何故か舌を引っ込められた。
「は?なんで?」
見るとニンマリ悪い顔で笑っている澄晴。
「そんなに俺とキスしたい?」
「な!澄晴がしてって言ったんでしょう」
「ごめん、ごめん、次はちゃんとするからもう一回、ほら、ね?」
ベッと舌を出す澄晴を睨みつけながら顔を近づけると、澄晴が私の後頭部に手を添えた。あ、キスされる!そう思った私はスッと舌を引っ込めた。するとほんのり目を細めた澄晴が私の顎からオデコまでをベロンと舐め上げた。
「悪かったって、機嫌直してハルちゃん」
「許さない。ちゃんとキスしてくれないと」
「りょーかい」
ニッと笑った澄晴が今度こそ私の唇を塞いだ。あぁヤバい、焦らされた分堪らなく気持ちいい。上顎から下顎まで3周して歯列をチロチロと舌で擦られて垂れた涎をじゅるりと吸い上げられる。
「んっふうっきもちいっ」
感じすぎてる私の身体。胸の尖端が軽く澄晴の肌と触れ合ってほんのり擦れると「はあああんっ」ビクビクと子宮が震えた。
「あれ、もしかしてイッちゃった?」
脱力したように澄晴に寄りかかる。倒れ込む私の髪を優しく撫でてくれる澄晴の胸の突起をペロっと舐めると、うっ…って声を漏らした。このやろーって顔で笑っている。
「もうもうもうっ!狡いよ澄晴。どうしてそんなにキスうまいの?どうしてそんなにえっちうまいの?もう澄晴のことしか考えられないじゃない」
「お、思ったより早かったな、俺だけのハルちゃんになるの」
お尻を撫で撫でしながら抱きしめる澄晴。悔しい、でも好き。もっともっとしたい…止めたくない、離れたくない…そんな乙女な感情が私にもあるなんて。澄晴とこうならなければ知らなかった感情であって、私にそう思わせる澄晴をやっぱり少し狡いと思うんだ。
私を抱きしめる澄晴の肩に手を乗せてそのままベッドに押し倒す。寝そべる澄晴に跨っている状態で私はゆっくりと接合部をツプツプと鳴らしながら腰を動かしていく。濃厚キスで私の子宮内にいる澄晴もかなり覚醒しているはずだからもうイケるだろうってゆらゆらと腰を回す私を見上げる澄晴は、気持ち良さからまた小刻みに呼吸をしていて。自分で性感帯を探るように私は色んな角度から腰を回す。
「あんっ、ふうっ、んっ、んうっ…」
自分の声すら我慢できず、私の指をきゅっと握る澄晴は楽しそうにこちらを見上げていて…時折心地良さ気に大きく息を吐き出している。
「ハル」
そう呼ばれて視線を落とすと、繋がっている指をほんのり外して私の胸を下から押し上げる。そのまま澄晴は体制を起こして顔の前にある胸の尖端にしゃぶりついた。かぷりと口の中に含んで舌で転がしながらちゅうちゅう吸い上げられて快感が突き上げてくる。
「あんっ待ってっ、きもちいっ澄晴っ、はあっんっ、イッちゃうっ…」
舌で胸の突起をチロチロとしながら、澄晴が片手を後ろについて下からガンガン突き上げてくるからまた子宮の中が気持ちよくて「あああああああっんんんっ」一際大きな声をあげて私は達した。その締め付けでまた澄晴から熱い液がドロリと子宮内に流れ出た。
「ハルちゃんの締め付けたまんないな…癖になりそう」
汗を拭う澄晴は、漸く私の中から一度出ていく。それと一緒に澄晴の精子達が私の子宮に入り切らずにトロリと零れ出た。
はぁっはぁっとお互い息を整えて水分補給。テーブルの上に乱雑に置かれたペッドボトルの水をごくごくと飲み干す。ほんのり口端に垂れた水を私はペロリと舐めてあげた。
「ハルちゃんてそんなにえっちな子だったの?それとも、俺のせい?」
ちょっとだけ探るような澄晴の視線。そんなの言わなくても分かるでしょう!なんて思うけれど、いつも余裕に見えていた澄晴の本音は、実はそんなに余裕じゃなかったのかもしれない…。
「そんなの、澄晴のせいに決まってる」
だからそんな私の言葉にやっぱり嬉しそうに笑ってくれる。ちょっとだけ澄晴のことが前よりわかった気がした。それなら会う度に伝えてきてくれていた数々の言葉も全部が本物だったんだと、今ならわかる。
ツーっと澄晴の胸板を指でなぞると「こらこら」って笑うけど、その表情はよく見ると照れてすらいるように見えた。私は澄晴の手を引いてまたベッドに寝そべる。トンと私を組み伏せた澄晴は「雨が止むまで俺も止めないから」なんて言って首筋に歯跡を立てる。ほんのり赤紫色の痣が見え隠れする私の首筋を見て満足気な顔をすれば、ムクリと起き上がって私を後ろから抱っこするように座った。そのまま両胸を揉みしだきながら、耳朶を口に含まれる。音が遮断されて澄晴の熱い吐息と、舌が耳の穴をれろれろと舐める音が鮮明に鼓膜を刺激する。そのままするすると手を身体の曲線に沿って降ろして、ぐちょぐちょな私の子宮内に後ろから指を突っ込んだ。また全然違う刺激が身体を突き抜ける。滅多に触れない箇所を指で擦られてなにがなんだかわからない。
「あっ、んっ、やあっ、はうっ、ふうっ、ううっ、ふうっ、はぁっ、ああああっ」
何かを中から削り出すかのよう、澄晴の指が子宮内から大量の汁をびしゃびしゃとかき出す。私は首を横に振って「待ってまた出ちゃうううっ、」口をパクパクしながら呼吸を繰り返す。私の肩に顎を乗せてそこを甘噛みしながらも指の律動を止めてくれない澄晴。だから私の子宮から何度となく透明の汁が吹き出してベッドにシミを作る。
「あーらら、こんなに濡らしちゃって悪い子だなぁ」
耳を掠める澄晴の声にそのまま四つん這いにさせられて、お尻を突きだす体制の私のソコを後ろからまた指でかき出す。太腿に垂れる汁。膝裏が濡れていくのがわかった。
「はぁっ、あうううっん、ふうっ、ふっ…あああああああっんんんっ」
ビクビクとお尻を震わせる私に、澄晴の舌が太腿をちゅうちゅうと吸い上げる。脚が震えてガクガクする私に、スッと立て膝をした澄晴が自身のそそり勃つソレを後ろからぎゅんと子宮に挿れてきた。急に激しい快感がきて息が続かない。口呼吸を繰り返しながらゴクリと生唾を飲み込む。
「動くよ」
聞こえた澄晴の声にコクコクと頷くと後ろからパンパンと肌を擦らせて律動が始まる。また違う箇所が擦れて奥がめちゃくちゃ気持ちがいい。どうしよう、またすぐイッちゃうよ。
「あんっ、あんっ、んっ、澄晴っ、きもちいよっ、んっ、ふうっ、またイッちゃううっ、」
「いいよ、イッて」
はっはっ…小刻みな澄晴の呼吸が耳に心地良くて、接合部から漏れるくちゅくちゅとした音が恥ずかしげもなくこの部屋に響き渡る。あぁもう無理。
「あああああああっんんんっ…ふうっ」
ビクビクっと子宮を震わせた私に、「キッツ…クッ、」ほんのり顔を歪めた澄晴は、なんとか射精を我慢して動きを緩めた。昇天したばかりの子宮内はヒクヒクと痙攣していてむず痒い。そこに更に追い打ちをかけるように律動を速める澄晴。
「いやっ、待ってっ、変になるっ、気持ち良すぎて、いやぁあんっ!」
続けてヒクヒクと子宮内を痙攣させる。まるで治まることを知らない快感の渦に呑み込まれたようで、律動を止めようとしない澄晴に、私は尚も中を痙攣させる。なんならまた塩吹いちゃって、太腿に垂れ流れているのがわかった。脱力する暇もなく澄晴が後ろから私に覆い被さって揺れ動く胸を鷲掴みにして揉みしだく。その指裁きも堪らなく気持ちが良くて胸を揉む澄晴の手に自分の手を重ねてぎゅっと握った瞬間、「あああっ―――」ブルブルブルと澄晴がお尻を震わせて止まった。熱い精子がどくどくと子宮内に流れ込んできて、きゅうっと子宮が締まる。はぁ、はぁ、耳元で荒く呼吸をしながら澄晴が後ろから名前を呼んだ。振り返った私の唇を塞ぎながらも、指はピンっと勃っている胸の尖端を弄っていて…舌を絡ませて何度も角度を変えてキスをする私達からは、唾液と透明の糸が見え隠れしている。
「はぁっ、堪んないな、これ。ハルちゃんあともう一回してもいいかな?」
「ん、して。何回でもいい」
ぎゅっと正面から澄晴に抱きついて首の後ろで腕を交差させた。ハムッと唇を貪るように濃厚なキスをしているだけで、澄晴のソレはまた角度をあげてそそり勃ってくる。何度も私の中に挿入されているのと澄晴の精液とで、トロリとした白濁した液が至るところについている。指でそれを擦りあげると、すぐに硬さを増した。
「可愛いなハルちゃんは」
「え?」
「ほんとに大好きだよ」
「澄晴…」
「もっと俺のこと好きになってね」
「うん」
ちゅっ、ちゅっ、って顔中に小さなキスを降り注ぐと、澄晴は私の脚を持ち上げて入り口に宛てる。数回擦り付けると、すぐに澄晴を受け入れる私の子宮。今日何度目かの挿入に心地良さが身体を突き抜ける。私をベッドに寝かせて奥まで挿入した澄晴は、一度ふぅっと息を吐き出すと、ゆっくりと腰を斜めに回すように動かし始めた。数度の交わりで熱く火照った私達の身体。少しだけ目を細めて動きに集中している澄晴の妖艶な表情。時折ゴクリと唾を飲み込むと動く喉仏すらエロティックで、この大雨に紛れて、私達の熱い吐息も溶けてゆく。子宮の最奥を突くと胸がきゅんと音をたてるようで、その後ギリギリまで引き抜くと、中の壁が擦られて快感に変わる。あぁまたすぐに絶頂の合図が私の身体の中に駆け巡ってしまう。シーツに投げ出した私の手に不意に絡みつく澄晴の指。きゅっと汗ばんだ指を握れば澄晴の小刻みな吐息が頬を掠めた。
私を組み敷いて一心不乱に腰を動かす澄晴の黄金色の髪は最早乱れていて、汗でぺたんとしなっている。そんな事ももう気にならない。身体の至る所が心地良くて、澄晴と私の身体がまるで一体化したような気分だった。昇天する為に律動を速めた澄晴は、身体を倒して私の肩に顎を乗せる。ぎゅっと背中に腕を回して彼を抱きしめた私は、次の瞬間悲鳴のような声を漏らして身体を大きく仰け反らせた。
「ああああっ―――」
そのすぐ後、澄晴がピタっと動きを止めて、数秒の後ゆっくりと腰を数回振りつけた。熱い液を子宮で受け止めながらも私は最高潮、気持ち良さを身体全部で感じていた。
◆
あれだけ窓を打ちつけていた雨はすっかりあがって、雲の切れ間からは漆黒の空が顔を出していた。
「ところで成田ハルさん、今更だけど僕の恋人になってくれますか?」
ベッドの上、生まれたての姿でイチャイチャを繰り返していた私達。窓から入る月明かりに照らされた澄晴の顔はいつもの余裕綽々の顔だ。
でも今ならわかる。その顔の下、本当はドキドキしているってことが。
「もちろん!責任とってよね?私を惚れさせたこと」
「仰せのままに!」
この日、私成田ハルは、運命の相手犬飼澄晴という、かっこよくて厭らしくて、素敵な恋人ができました。
―――【完】
