呪術廻戦 五条悟
「もう呪術師やってるの、辛いんだ。ごめんあいり、傍にいてやれなくて。どうか僕を許して欲しい…」そんな言葉を残してあいりの前からいなくなった悟。悟は特別な家系の子で昔からとても強かった。それ故に色んな事件に巻き込まれたりもした。それでも挫けることなく前を向いて進み続けていた悟が、この街を出ていく前日、あいりにそう告げた。
気づいていなかったわけじゃない。悟が独りで色んな事を抱えていたこと。それでも大丈夫だって心のどこかでは思っていて、悟に限って呪術師から遠ざかるだなんて考えてもいなかった。だからそれを聞かされたときも、動揺すらしなかった。珍しく弱気な発言だな…とは思ったけれど。それでもあいりの前からいなくなるなんて思わなかったし、考えもしなかった。
でもその日を堺に悟はこの街から姿を消した。
まるで始めから悟なんて存在していなかったかのように街は時を止める事なく動き続けている。あいりだけが、悟のいないこの街に馴染めなくて悟が行きそうな場所だったり、二人で過ごした公園だったり、色んな所を捜した。毎日毎日朝から晩まで捜した。それでもみつからなかった。
いつしかあいりの中でも悟との思い出が色薄くなっていって、悟がいなくても毎年誕生日は周りの人がお祝いをしてくれたし、遊びにだって沢山行った。悟がいなくても、あいりの時も止まらなかった。それでも心の奥底では、いつも悟を想っていて、悟を想わない日は一日もなかった。
「逢いたい」と口に出して言わなくなったのは、それだけ大人になったと言うことなのかもしれない。悟のいない日常に慣れたくはないけれど、慣れてしまうということもそう、大人になった証なのだと認めざるを得なかった。
一般企業に就職したあいりは社会人としての日常を過ごしていく中、この街を捨てた悟の亡霊すら見ちゃうようになって、
「え、悟…」
そんなわけない、ここに悟の亡霊がいるわけなんてない。これは本物の悟だ…。
久しぶりにあいりの口から飛び出た悟の名前に、カツンと靴音を鳴らしてその男は立ち止まった。黒いサングラスをかけていても分かる、色素薄い銀髪に長身のスマートな立ち振る舞い。
くるりと振り返った全身黒服のその男は、あいりを見てカチャッとサングラスをずらした。忘れもしないブルーアイがこちらを真っ直ぐに見ていて…
「あいり?」
心なしか緊張気味の悟の声があいりに届いた。
「ばか悟っ!心配したんだよっ!」
気づけばあいりは悟の方へと駆け出していて、腕をぎゅっと掴んで胸に顔を埋める。懐かしい悟の匂い。悟がいなくなってから泣いたことなんてなかった。それはきっと再会する今日の日の為の涙だったんだと理解した。
胸がぎゅっと締め付けられるように痛くて喉の奥からこみ上げてくる嗚咽。ただ感情のままに悟に抱きついて泣くあいりを、「ごめん、ごめんよ、あいり」少し大人びた悟の声に止まらない涙を流した。
◆
「落ち着いた?」
「うん。ごめんね泣いちゃって」
濡れタオルを目に浸すと冷たくて気持ちがいい。沢山泣いたせいで腫れた瞼をどうにかしなきゃと悟のマンションに来ていた。ソファーに座ったあいりの前に悟は珈琲をコトンと置いた。こんな高級マンションの最上階に住んでいるなんて、知らなかった。確かにお金持ちだったけれどそれは呪術師としての五条家であって…
「悟今なにしてるの?」
恐る恐るそう聞くあいりに、悟はあっけらかんとして答えた。
「ん〜まぁ呪術師なんだけどね今も。けどあの時みたいな辛さは今はないっていうか、そーゆうの一々気にしてたらもたないからさ。あいりには心配かけちゃったよね。ほんとに悪いと思ってる」
悟の申し訳無さそうな顔にあいりの心も少し晴れた。辛かったのは悟で、あの頃のあいりも悟も今より若くて、色んな事に対応できなかったのかもしれない。若さゆえに現実から逃げ出す事があっても不思議ではなかった。あいりにはそんな勇気もなかったけれど。
「悟が今幸せならあいりはそれでいいよ」
珈琲を一口飲めば芳醇なコクと香りが身体を温めていくようだった。ミルクなしで飲めるようになったのもつい最近なんだけどね。
「幸せ…ってなんだろうね、あいり。僕はさ、自分が嫌でこの世界から逃げたんだけど、結局僕の生きる道は一つしかなくて。あいりと離れていた数年間、ずっとあいりを求めていたよ。ずっとあいりに逢いたくてたまらなかった」
ギシッとソファーの隣、悟があいりの肩を抱き寄せた。トクンと胸が高鳴って、悟を見るとサングラスを外したブルーアイと目が合った。
「あいりも悟のこと想わない日は一日もなかったよ」
「もう一度僕の傍にいてくれないか?どうやら僕はあいりが傍にいないと駄目みたいなんだ」
「うん。悟の傍に居たい、これからもずっと」
「好きだよ、あいり」
「あいりも、悟が好き…」
目を閉じると悟のキスが降りてきた。離れていた数年間を埋めるような悟からのキスに気持ちが良くて声が漏れる。
「ふっ、んっ、ふうっ…」
舌を絡め取られて口内をこれでもかと、舐められる。ちゅるりと悟の舌と絡ませれば、甘ったるいリップ音がこの広い部屋に響き渡った。
「んっ、止まんないっ」
鼻にかかった悟の声に身体がゾクリと反応する。あいりの頭を抱えたままソファーにギシギシと押し倒した悟は、顔中にキスの雨を降らせる。頬に、鼻の頭に、目頭に、瞼に、オデコに…なんだか可愛らしいキスの儀式のようでほんのり口を開けば、またそこに悟の舌が入り込んでれろれろと歯列をなぞられる。口内で舌を存分に吸い上げられて漸く唇を離すと、ほんのりと透明の糸が舞って消えた。
乱れた髪を悟の大きな手がやんわりと撫でてくれる。髪にちゅっと小さなキスを落とすと悟は自嘲的に笑って言葉を紡いだ。
◇◇◇
「ごめん、このままいい?どうにもあいりへの気持ちが溢れて止められそうもない」
自分でも笑っちゃうけど、あいりを目の前にして僕は感情のコントロールができなくなっている。今すぐ抱き潰したいって気持ちがどうにもこうにも止まらない。正直にあいりにも伝えたけれど、ずっとあいりと逢いたかった。それが叶った今、僕らを止めるものはもう何もないよね?
「ん。あいりも、悟がほしい」
涙目で僕を見上げるあいりのそんな可愛い言葉に、ほんの少し残っていた僕の理性はいとも簡単に崩れ落ちた。その場で着ていた黒ニットと黒タンクを同時に脱ぎ捨てあいりの服にも手をかける。
あぁもう邪魔だな、全部取っ払いたい…自分のベルトを外しながらもあいりの服を脱がせていく。まだキスしかしていなかったけれど早々に僕はあいりを生まれたての姿に変える。
「恥ずかしい」
そう頬を赤らめて言うあいりが可愛くて仕方がない。このままでもどうにかなっちゃいそうだけれど、僕は胸を隠しているあいりの手を退かしてぷるんと現れた艷やかな胸の尖端を舌で突いた。
「んっ、悟ぅっ」
ほんのり顎をあげて甘い声を漏らすあいりの首筋に舌を絡ませる。ちゅううっと強く吸い上げれば、そこにはあいりが僕のものだという印が刻まれた。誰にも渡したくない。せっかく再会できたのだからもう二度と同じ過ちはおこさない。
「好きだよあいり」
何度言っても足りない気がするけれど、それでも時に言葉とは口に出さずしては何も伝わらない。だから心地よさげに「あいりも好き」そう答えてくれることが堪らなく嬉しいんだ。
僕の手はあいりの柔らかな胸から離れなくて、我慢できず尖端を口に含んでじゅじゅっと吸い上げるとあいりが軽く腰を浮かせた。そのまま腰のラインを手でなぞればまたあいりが今度は腰を斜めにくねらせる。優しく撫でながら尻にたどり着くと、そこをムニュっと掴む。胸への愛撫を繰り返しながらも僕の右手は尻の丸いラインをなぞり続ける。
「あんっ、あああっんっ、ふうっ、んんっ」
感じているあいりが、あの頃とは違う顔色を見せつけていて、正直嫉妬心が芽生えそうになるほどだ。でもこの行為を止める事もできず、あいりのピンク色の胸は凝縮してキュウっとしっかりと上を向いた。それをすかさず舌で吸い上げるとまたあいりが卑猥な声を漏らす。自然と腰をゆらゆらさせるあいりが可愛くて僕はあいりを横向きにさせて、後ろから両胸に手を添えて上下に揉みしだいた。そのまま背中に舌を這わせて、脇の下までペロリとすると擽ったかったのか、「いやんっ」なんてビクリと震わせた。
尻をちゅうっと吸いながらあいりを四つん這いにさせる。こちらに尻をつきだす体制で後ろからトロトロに熱を帯びたあいりの子宮に舌を絡ませると、「ああああああっ、んんっ…はうっ…」脚を子鹿のように震わせながら激しく鳴く。そのまま僕は舌を奥へ奥へと入れ込んで、中の愛液をじゅるじゅる吸い込んだ。
「あんっ、悟っ、待って、もうっ、イッちゃうぅっふうっ」
頭をソファーに押し付けてぷるぷるしながらあいりがそう言うと、僕は指で少し上にある剥き出しの突起をぎゅんと抓った。その瞬間、あいりの子宮内がビクビクと大きく震えて、ぺたりと尻を落として脱力する。口を開けて大きく息を吸い込むあいりを正面に向かせて僕は自分のそそり勃つそれを口元に持っていく。
「ちょっとだけでいいから」
なんて言いながらも呼吸の荒いあいりはコクリと頷いてソファーに座ると、その前に立った僕の太腿に手を添えた。パクリと咥えて奥まで呑み込むあいりはめちゃくちゃエロくて。こんな絵面誰が想像しただろうか。僕はそれだけで気持ちが良くて、あいりがちゅぽっと音をさせながら僕のを咥えて顔を動かし始めるとあっという間に昇天しそうになってしまう。それでも腹に力を入れてなんとか数分我慢。
「もう限界かも」
ポスっとあいりの頭を止めた僕は、一度ソファーの上であいりをギュッと抱きしめて口づけを交わす。そのまま優しく押し倒して自身の根本を掴んであいりの入り口に宛てた。
「挿れるよ」
「うん」
ふぅっと息を吐き出してあいりが力を抜いたのがわかった。そのあと僕はツプッとあいりの熱い子宮の中に自身を挿れていく。ゆっくりと最奥まで届くとそれだけで気持ちが良くて、動くのが少し勿体ないとさえ思えた。それでも僕は下のあいりを見つめてきめ細かなつるつるの頬に手を添えて、ちゅっと小さなキスを落とす。薄っすらと目を閉じたあいりに優しく微笑むと最奥まで挿入したモノをゆっくりとギリギリまで引き出す。そのまままた最奥へと挿れていく。ただそれを繰り返すだけだというのに、この行為は何故にこんなにも心地が良いのだろうか。色んな角度であいりの気持ちがいい部分を探りながら腰を動かす。声色を大きくさせて喘ぐあいりにそこを執拗と攻めると「悟っ、あんっ、あんっ、あうっ、ふうっ…イきそ…っ」限界が近いことを知らされた。かくいう僕自身もいつでもイケそうだった。あいりの中に挿いった時からずっと気持ちが良くて、かなり腹に力を入れて律動を繰り返している。できれば二人一緒に達してしまいたい。僕はあいりの呼吸に合わせるように同じペースで呼吸をしていく。ソファーのスプリングはギシギシと音を鳴らせていて、掴まる場所を探しているあいりの手に僕は自分の指を絡めた。視線が交わってどちらからともなく口づける。舌を絡めながらも繰り返される律動に、あいりは「あああああああっ!!」一際大きく喘いだ。その瞬間、子宮内がきゅうううっと強く締め付けられて、僕の尖端からどぴゅっと白濁した液が流れ出た。あぁヤバい、最高に気持ちがいい。惜しみなく出し切った僕はゆっくりとあいりの中から出た。とろりとどちらのものかもわからない液がソファーに垂れ落ちるけどそんなものはどうでもよかった。
頬を赤く染めて僕を見上げるあいりが可愛くて腕を伸ばすとその中にすっぽりと収まる。
「身体、大丈夫?」
「うん。悟は?」
「僕は男だからね。ちょっと無理させて悪かったね。次はちゃんとベッドの上で抱かせてよ」
「ふふ。うん、わかった。ねぇ悟…愛してる」
トクンと胸が脈打つ。あぁ、愛してるって言葉はなんだが胸が痛くなるほど嬉しい言葉なんだな。他の誰でもないあいりからの愛してるがこんなにも嬉しいなんて。
「僕も愛してるよ」
そしていざ自分もそう伝えると、やっぱりどうにも胸が痛かった。
もう二度と離さないと誓ったのだから、僕はこれからもあいりに愛してるを伝え続けたいと思う。
―――【完】
