みんなに散々冷やかされた慧人くんがグラウンドで待っていた私の所にやってきた。
「手、大丈夫?」
「終わったらすっげぇ痛いの!吃驚した。でも、ゆき乃ちゃんの笑顔見たらそれも吹っ飛ぶ。やっぱ俺のパワーはゆき乃ちゃんからきてる…って」
…何だか余裕な慧人くん。私の肩に腕をかけると顔を覗き込んでそのぷるぷるな唇を開いた。
「照れてんの?」
耳元で言われてゾクリとする。わざと?わざと楽しんでる?唇を尖らせて慧人くんを見ると「可愛い」小さく呟いた。
「…なんか、慣れてる。」
「えっ!?」
「女の扱い、慣れてない?」
「いやいや、慣れてねぇし。」
「ほんと?」
「うん。ずっと緊張してっけど…」
「怪しいー。」
「だって俺たち両想い、でしょ?ゆき乃ちゃんもう俺のだし、やっぱすげぇ嬉しい…」
そのまま手を繋いで指を絡ませた。
「俺ん家きて。親いねぇの。」
パチクリ瞬きを繰り返す。脳内では颯ちゃんの声がこだましているけど、目の前の慧人くんの笑顔には勝てない。キュッと手を握って微笑む。
「行く!」
「やった!」
素直に喜ぶ慧人くんが嬉しい。私のこと、目一杯幸せにしてよ?