「お邪魔します。って、誰もいないんだっけ?」
「そ。二人きり。」
ニカッて笑った慧人くんは、それでも部屋に通してくれて「カルピスとかでいい?」ちゃんとお客扱いしてくれた。
とりあえず…ベッドの上はまずいよね?そんなのどーぞって言ってるようなもんだし。でもさっき私ってば試合に勝ったらキスでもなんでもさせてあげる!なんて大胆発言しちゃったし、やっぱり慧人くんもうその気!?だからの部屋、だよね?そりゃ慧人くんだって男で、私達もうカレカノだし、18だし…
「あっ、」
下着!勝負パンツなんてもってない!でも今日はわりとお気に入りのつけてて、じゃあ問題ない?
ドクドク早鐘を打つ心臓をギュっと押さえたらふわりと後ろから慧人くんの温もりが降りてきた。
「ゆき乃、」
「…あの、」
「約束、忘れてないよね?」
やっぱり!!!!緊張の面持ちで素直にコクっと頷くと肩に手をかけた慧人くんがくるりと私を反転させた。目の前に慧人くん。見た事ない高揚した表情に思わずゴクリと唾を飲み込む。
「キス、していい?」
「うん。」
迷うことなくちゅ、って小さく触れた慧人くんの唇。あれ?って思った瞬間また小さく触れる。ちゅ、ちゅ、って何度も何度も。小鳥のさえずりみたいな可愛いキスに自然と笑みがこぼれた。
「ずっとこうしたかった。」
ギュッと抱きしめられて胸がカァーっと熱くなる。ヤバい、幸せ!ふわりと私も慧人くんの背中に腕を回すと小さく溜息をつかれた。
「慧人くん?」
「…いや、色々我慢ができなさそうになるから、それ。」
「え?」
「ゆき乃ちゃんがギュッてしがみつくの、すげー嬉しいけど、俺このまま押し倒しちゃうよ?あんまくっつくと。」
「あれ?そのつもりだったんじゃないの?」
そこまで言ってから苦笑い。だってこれじゃあ私はOKって言ってるようなもんだ。
「あ、今のなし!」
「無理。」
次の瞬間視界は天井と慧人くん。トサッて音と髪がふわりと宙を舞う。そのまま顔の横に手を着いた慧人くんが、「好き。」小さく言って私の首に顔を埋めた。
ずっとずっと聞きたかった慧人くんの好き。
「私も好き。」
「大好き。」
「私も大好き。」
「ほんと、すき。」
仕方ないからその言葉、ずーっと信じてあげるね。
*END*